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年金の繰下げ中に「認知症」に… 受給手続きはどうなるの?

ファイナンシャルフィールド / 2023年8月23日 3時10分

年金の繰下げ中に「認知症」に… 受給手続きはどうなるの?

老齢年金は、原則65歳から受け取ることができますが、受給年齢を遅らせることによって、年金を多くもらうことができます。これを繰下げ受給といいます。   年金が年8.4%増額され、75歳まで繰下げると、最大84%の増額率になります。しかし、繰下げ受給をし、増額できた一方で、その期間中に認知症になって受給手続きが難しい場合はどうなるのでしょうか?   今回は、この繰下げ受給の留意点を確認し、繰下げ中に「認知症」となった場合の手続きについて解説します。

繰下げ受給の留意点

1.繰下げ受給とは?

年金を65歳で受け取らずに受給する時期を遅らせることで、増額した年金を受け取ることができる制度です。ひと月繰下げるごとに0.7%を増額することができ、年間で8.4%、75歳までに10年間繰り下げると最大84%の増加率となり、受給額を大幅に増やすことができます。
 
なお、昭和27年4月1日以前生まれの方(または平成29年3月31日以前に老齢基礎(厚生)年金を受け取る権利が発生している方)は、繰下げの上限年齢が70歳までとなりますので、増額率は最大で42%です。
 

2.繰下げ受給の留意点

繰下げ受給を行うことで、年金の受給額を増やすことができる一方で、下記のように留意すべき点があります。繰下げ受給をしようとする場合には、下記留意点をよく検討してから行いましょう。
 

(1)繰下げをしている期間は、“年金の家族手当”といわれる加給年金を受給できません。加えて、加給年金の受給を配偶者が65歳になって打ち切られたあとも、一定の基準により年金額が加算される振替加算も受け取ることができません。

(2)繰下げにより増額された年金を受け取ってから万が一(受給権者の死亡)のことがあると、65歳から年金を受け取った場合と比較して、年金の受給総額が少なくなるケースがあります。

(3)年金が増額されると、年金から天引きされる社会保険料や税金が増えます。したがって、増額した分だけ手取りが増えるものではありません。

(4)繰下げの手続きを行ってしまうと、取り消しや修正ができず、1度決まった増額率によって年金を受け取り続けることになります。

 

「認知症」になった時の受け取り手続きは?

1.年金受給に必要な手続き

年金は、自動的に受給が開始されるものではなく、年金を受け取るために必要な手続きをする必要があります。この手続きを裁定といいます。
 
裁定のためには、日本年金機構から年金受給開始前に送付されてくる年金請求書に必要事項を記入し、本人確認書類や年金を受け取る金融機関に関する情報などともに、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金事務所に提出する必要があります。
 

2.認知症になった場合の手続き

年金受給のための申請は、本人でなくとも代理人が手続きをできます。その場合には、ご本人の直筆の委任状が必要となります。ただし、認知症により、ご本人が直筆で書けない場合には、ご本人の年金申請の意思が確認できれば、委任状の代筆をすることができます。
 
しかしながら、本人の判断能力が十分でなく、本人の意思確認ができない場合には、成年後見人を選任し、手続きを行うことが必要となります。
 
成年後見人は、認知症により法的手続きが困難になった場合に、ご本人の財産管理や身上保護などを行うことができます。
 
この成年後見人は、市区町村に設置されている中核機関や地域包括支援センター、社会福祉協議会、成年後見制度に関わっている専門職の団体等の地域の相談窓口にて、成年後見制度を利用するための手続き、必要な書類、成年後見人になってくれる方について、相談ができます。活用するとよいでしょう。
 

出典

日本年金機構 年金の繰下げ受給

厚生労働省 成年後見制度とは

 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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