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トラックドライバーの深刻な「人出不足」は年収が原因?「2024年問題」の真実とは?

ファイナンシャルフィールド / 2023年8月23日 1時40分

トラックドライバーの深刻な「人出不足」は年収が原因?「2024年問題」の真実とは?

近年は、ネットショッピングの利便性向上から、生活用品も宅配に任せているという方も多いでしょう。私たちの生活を守っているといっても過言ではない物流業界において、トラックドライバーの人手不足が深刻化しています。人手不足の背景には、何があるのでしょうか。その原因や改善策について紹介します。

トラックドライバーの年収は?

トラックドライバーの人手不足の原因として、年収の低さが考えられます。運輸・郵便業の平均年収は約399万円であり、製造業や小売業、医療・福祉業と比較して、年収は低い傾向があります。それでは、トラックドライバーの年収はどの程度なのでしょうか。大型トラックドライバーと小型・中型トラックドライバーに分けて、紹介します。
 

大型トラックドライバーの年収

大型トラックドライバー(営業用大型貨物自動車運転者)の平均年収は、約477万円です。一見、物流業界の中では、平均値よりも高く感じられますが、労働環境に対して、支払いが十分ではないという実情を抱えています。
 
大型トラックドライバーは、関東から九州とか、関西から東北などの長距離を運転することが多く、長時間労働になりがちです。トラック自体の規格も大きく、10t以上を積載できるトラックを運転する身体的負担から、小型・中型トラックドライバーと比較して、給与水準が高い傾向です。
 

小型・中型トラックドライバーの年収

小型・中型トラックドライバー(営業用貨物自動車運転者〔大型車を除く〕)の平均年収は、438万円です。中型トラックであれば、日帰りが可能な距離における配送で、小型であれば、個人宅への配送がメインです。
 
トラックの規格も、中型トラックであれば4t前後、小型トラックは2t前後が主流のため、大型トラックと比較して、拘束時間や運転の負担は少なく、大型トラックドライバーと比較すると、給与水準は低い傾向にあります。
 
ただし、小型・中型であっても、注意を払いながらの運転は労力がかかります。また、個人宅への配送は、時間にシビアであることや、煩雑な作業が多い点も悩みどころです。
 

トラックドライバーの人手不足の原因は?

トラックドライバーの人手不足の原因は、給与水準が低い点が考えられますが、給与以外にも、トラックドライバーならではの理由が隠されています。その理由として、以下の内容をそれぞれ解説します。

●拘束時間の長さ
●配送量の増加や配送上のトラブル

 
 

拘束時間の長さ

人手不足の原因の一つとして考えられるのは、拘束時間の長さです。公益社団法人全日本トラック協会によると、2021年の大型トラックドライバーの年間労働時間は約2544時間、小型・中型トラックドライバーの年間労働時間は2484時間にのぼりました。
 
全業種の年間労働時間が2112時間であることから、他業種と比較して、約1.2倍長く労働していることが分かります。その原因として、納品時の荷受け待ちの待機時間や長時間運転が挙げられます。
 

配送量の増加や配送上のトラブル

また、配送量の増加による負担増や、配送上のトラブルも、人手不足の原因の一つです。経済産業省・国土交通省・農林水産省によると、国内の配送量は近年、右肩上がりであり、コロナ禍のステイホームでも急激に増加しました。人手は増えずに、運ぶ物量が増加したことが、ドライバーの負荷を高めています。
 
また、配送上のトラブルに関して、会社が補償しない場合もあるようで、トラックドライバーには厳しいイメージが残ります。
 

トラックドライバー不足を解消するためには?

過酷なイメージを持たれる機会が多いトラックドライバーですが、人員が減ると、日本の物流が停滞するため、物が届かず、日常生活に大きな影響を与えます。影響をおさえるためにも、人手不足解消の施策として取り組まれている内容を紹介します。
 

待遇改善や業務の効率化を

人手不足解消のために取り組まれている施策として、トラックドライバーの待遇改善が挙げられます。具体例は、以下のとおりです。

●労働時間の適正化
●給与の増加
●拠点人員の拡充やITを活用した業界全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)化

全国に物流拠点を増やすことで、ドライバー1人当たりの業務負荷軽減や、低賃金の是正が急務とされています。また、運行管理や事務処理を兼務するドライバーの負担軽減のため、拠点人員の拡充や、ITシステムの導入による業務の効率化も進められています。
 
トラックドライバーの人手不足は、長時間労働や低賃金、配送量の増加による負担増など、要因はさまざまです。今ある生活を続けていくためにも、物流業界の成長は重要な課題であり、待遇改善によるトラックドライバーの人手不足解消が急務といえます。
 

出典

厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類
厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
公益社団法人 全日本トラック協会 日本のトラック輸送産業 現状と課題 2022
経済産業省・国土交通省・農林水産省 我が国の物流を取り巻く現状と取組状況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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