将来の年金額が「11万円」なのですが、都内で1人暮らしは可能でしょうか? 都営住宅なら大丈夫ですか?
ファイナンシャルフィールド / 2023年8月26日 10時10分
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多くの人の老後の生活水準は、年金や貯蓄の額に左右されるでしょう。加入している年金制度や納めた保険料によっては、十分とはいえない年金額しか受け取れず、生活水準が低くなってしまう人もいます。 今回は、将来の年金額が11万円の人が、老後も都内で1人暮らしが可能かどうかについて考えます。都内で家賃の安い物件の探し方や、都内での1人暮らしを実現・維持する方法についても紹介します。
65歳以上の平均支出額
将来の年金額で生活できるかどうかを知るには、高齢者の支出額を押さえておく必要があります。総務省統計局による「家計調査(2023年4~6月期)」の結果をみてみると、65歳以上の単身世帯において、1ヶ月あたりの平均消費支出額は約13万6000円となっています。住居費を除くと約12万6000円です。
ちなみに、都市階級・地方別のデータでは、大都市、あるいは関東圏であるほど消費支出額が増加します。都内での1人暮らしには平均以上の費用がかかるとみておきたいところです。年金額11万円の人の場合、家賃を除いた支出額ですでに赤字の状態となってしまうでしょう。
都内の賃貸物件の家賃事情
続いて、都内の賃貸物件事情をみていきましょう。ここでは、都内の賃貸物件の家賃相場に加え都営住宅の平均家賃と、さらに、家賃の安い物件の探し方についても紹介します。
・都内の賃貸物件の家賃相場
総務省統計局による「平成30年住宅・土地統計調査」結果の概要では、都道府県別の1ヶ月あたりの平均家賃・間代が公表されています。これによると、東京都は約8万1000円でした。
また、大和リビング株式会社運営の賃貸住宅情報サイト「賃貸住宅D-ROOM」によると、東京都の平均家賃は10万3000円となっています(令和5年8月現在)。1Rや1DKの間取りでは7万円台となりますが、やはり、8万円前後はかかるでしょう。
・都営住宅の平均家賃
公営住宅のうち東京都が管理する都営住宅は、民間の賃貸物件と比較して安い賃料で借りられます。東京都住宅政策本部による資料「都営住宅の現状」によると、都営住宅の平均家賃は約2万3000円です。やはり、民間の物件と比べると大幅に安いことがわかります。ただ、都営住宅を選択しても、年金額11万円では都内で1人暮らしは難しいといえそうです。
・家賃の安い物件の探し方
都内で安い物件に住むには、都営住宅も1つの選択肢となるでしょう。また、民間の物件でも駅から離れていたり古い物件であったりすると、似たような間取りでも家賃が安くなる傾向があります。
ちなみに、上記で紹介した「賃貸住宅D-ROOM」の情報をみると、23区内では足立区と葛飾区の家賃が低い傾向にあります。23区外では、青梅市、町田市、武蔵村山市、あきる野市あたりが比較的家賃の安い地域のようです。
都内での1人暮らしを実現・維持する方法
さまざまなデータをみると、年金額11万円では都内での1人暮らしは難しそうです。現在の年齢にもよりますが、前もって対策を講じることで、将来的に都内での1人暮らしを実現・維持できる可能性はあるでしょう。ここでは、その方法について紹介します。
・老後も働いて収入を得続ける
年金のみでは将来の生活が苦しくなりそうであれば、老後も働く選択肢もあります。短時間でもよいので収入を得て、年金と合わせて平均支出額を上回ることで、都内での1人暮らしも可能となるでしょう。
・年金受給年齢を繰り下げる
年金受給年齢の繰下げにより、65歳で受け取るよりも多くの年金が受け取れます。この制度を利用し年金額を増やし、かつ給与所得などもあれば、都内で1人暮らしができる可能性が出てくるでしょう。
・節約や資産運用を始める
早いうちに節約や資産運用を始め、貯蓄額を増やしておく選択肢もあります。少しでも将来の生活を楽にするために、早いうちから始めておく必要があるでしょう。
年金額11万円では都内での1人暮らしは厳しい
65歳以上の単身世帯の平均消費支出額は、住居費を除いても1ヶ月あたり12~13万円です。11万円の年金のみでは、毎月赤字となってしまうでしょう。都内の平均家賃は民間の物件で8~10万円ほど、都営住宅でも2~3万円はかかります。
都内での1人暮らしを実現・維持するには、老後も働き続けたり年金受給年齢を引き下げたり、今からでも節約を始めたりする必要があります。早めに行動を開始し、将来に備えておきましょう。
出典
総務省統計局 平成30年住宅・土地統計調査 調査の結果
総務省統計局 家計調査 2023年4~6月期
東京都住宅政策本部 都営住宅の現状
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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