孫の教育資金として毎年「100万円」渡す場合は要注意!? 非課税にするために注意すべきポイントを解説
ファイナンシャルフィールド / 2023年8月26日 10時10分
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子育てのなかでも、特に教育費には多くの費用がかかります。かわいい孫のために進学費用などを援助したいと考えている人もいることでしょう。そこで注意したいのが贈与税。良かれと思って渡したお金によって税金がかかってしまうこともあるためです。 本記事では、孫の教育資金として毎年100万円渡す場合の注意点について解説していきます。贈与の注意点についても紹介するので参考にしてください。
暦年課税
贈与税は、暦年課税と相続時精算課税のいずれかの課税方法を、受け取った人が選ぶことができます。
一般的な課税方法は暦年課税で、1月1日から12月31日までに受け取った財産が対象です。暦年課税は1年間で受け取った財産の合計額から基礎控除を引いて計算されます。
基礎控除は110万円
贈与者(本事例の場合は祖父母)が受贈者(孫)に対して無償で財産を渡す行為は贈与にあたります。受贈者は基礎控除後の課税価格に対して決められた税率を乗じ、そこから控除額を差し引いて算出される贈与税を支払わなければいけません。贈与税は受け取った財産が200万円以下の場合でも10%の税率がかかってしまいます。せっかくの財産が減ってしまうので避けたいところです。そこで、基礎控除を知っておく必要があります。
贈与税の基礎控除は110万円です。例えば、1年間で200万円の財産を贈与された場合は基礎控除を引いた90万円が贈与税の対象になります。
毎年100万円を渡す場合は問題ない?
基礎控除の範囲内であれば贈与税は基本的にかかりません。本事例のように毎年100万円を渡すのであれば、基礎控除110万円の範囲内に収まっているので贈与税はかからないことになります。
しかし、毎年100万円の贈与をする場合でも贈与税がかかることがあるので注意が必要です。
毎年の贈与で贈与税がかかる場合
毎年の贈与が基礎控除以内だったとしても贈与税がかかる場合があります。それは定期贈与とみなされる場合です。例えば、毎年100万円ずつ10年間渡す、という贈与契約を結ぶと定期贈与とみなされて贈与税の対象となります。
1年ずつ贈与契約を結ぶ場合は問題ありません。贈与について理解を深め、定期贈与にならないように注意しましょう。
教育資金を贈与する場合の注意点
教育資金として子や孫に贈与する場合、「通常必要と認められるもの」であれば贈与税はかかりません。ただし、教育資金として通常必要と認められる範囲内なので、教育資金としてではなく車の購入や、受け取ったお金を貯金してしまうと贈与税の対象となります。
受贈者も贈与された財産の用途について、贈与税がかかる場合を確認してください。
教育資金の一括贈与について
教育資金に関してであれば、平成25年4月1日から令和8年3月31日までの期間に30歳未満の人が祖父母などの直系尊属から一括で贈与した場合、一定の要件の範囲内で非課税になる制度もあります。この制度は最大で1500万円までは贈与税がかかりません。
要件を満たし、金融機関等で教育資金非課税申告書を提出することで制度を利用できます。
しかし、受贈者(贈与を受ける人)は教育に必要な支払いにのみ利用できるので注意が必要です。
贈与した財産は相続の対象となることも
贈与者が死亡した場合は相続手続きを行いますが、手続き開始から3年以内に贈与された財産は相続財産に加算されてしまいます。現行制度は3年以内に贈与された財産が対象ですが、令和6年1月からは7年以内に延長されるので注意が必要です。相続税が思っているよりも多くかかることがあるので、令和6年からは特に注意しましょう。
贈与や相続の制度変更に注目しましょう
基礎控除以内の贈与や教育資金としての贈与であれば基本的には贈与税がかかりません。しかし、基礎控除を超えてしまったり、教育資金として使わなかったりすると税金がかかることがあるので、贈与税がかかる場合を確認しておきましょう。
また、贈与や相続の制度が変更になることも考えられ、知らないまま思わぬ税金が課せられる可能性もあります。制度の動向に注目し、変更があればその内容をきちんと理解しておきましょう。
出典
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 財産をもらったとき
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 令和5年度 相続税及び贈与税の税制改正のあらまし
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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