「実は貯めてたの」と実家に入れていた家賃をもらいました。「1000万円」近いのですが、税金は大丈夫なのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2023年8月28日 10時10分
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実家で暮らしている社会人の場合、毎月の家賃を親に渡しているケースは少なくないでしょう。そのまま家賃の一部として使われていれば、何の問題もありません。ところが、親から「実は貯めていたの」と言われて「1000万円」近い現金を受け取った場合には、税金がかかる可能性があります。 本記事では、このような場合にかかる税金の種類と、非課税にする方法について解説します。
親から現金を受け取った場合にかかる税金とは
親から現金を受け取った場合には「贈与税」がかかります。
・贈与税とは
贈与税は、個人から財産を受け取った際にかかる税金です。ただし、贈与税には110万円の基礎控除があるため、受け取った財産の金額が110万円以下であれば贈与税はかかりません。
・財産の種類
贈与税の対象になる財産は、現金、預貯金、不動産、生命保険金、有価証券などです。
・贈与税の課税方法
贈与税の課税方法には「暦年課税」と「相続時精算課税」があります。暦年課税は、1年間(1月1日~12月31日)に受け取った財産から、基礎控除額を差し引いた残額に対して課税する方法です。暦年課税は誰でも利用できます。一方の相続時精算課税は、贈与を受けた際にいったん贈与税を納税し、贈与者が死亡した際の相続税から贈与税額を控除する方法です。相続時精算課税は、贈与者が贈与年の1月1日時点で60歳以上、受贈者が受贈年の1月1日時点で18歳以上の子どもや孫であることが利用条件になります。
・暦年課税の計算方法
暦年課税は、「基礎控除後の課税価格」に「税率」を乗じたうえで「控除額」を差し引いて算出します。暦年課税には一般贈与財産と特例贈与財産がありますが、計算式は同じです。なお、税率や控除額は、国税庁のホームページで確認できます。
・相続時精算課税の計算方法
相続時精算課税は、1年間に受け取った財産の合計額から特別控除額(上限2500万円)を差し引いた残額に、20%の税率を乗じて算出します。
・贈与税の申告
贈与税が課税される額の財産を受け取った場合は、受贈年の翌年の申告期限までに申告と納税が必要です。なお、特例贈与財産の場合は、申告書に受贈者の戸籍謄本や抄本などの添付が必要になる場合があります。また、相続時精算課税を利用する場合は、申告書に「相続時精算課税選択届出書」と、贈与者と受贈者双方の戸籍謄本か抄本などの添付が必要です。
贈与税が非課税になる制度
親から「1000万円」近い現金を受け取った場合は贈与税がかかりますが、国が用意している制度を利用すれば非課税にできます。贈与税の非課税制度は次の2種類です。
・教育資金の一括贈与
父母や祖父母から子どもや孫が教育資金を一括贈与された場合には、1500万円まで贈与税が非課税になります。なお、当制度を利用するためには、平成25年4月1日~令和8年3月31日までに30歳未満の子どもや孫と金融機関との間で、「教育資金管理契約」の締結が必要です。そのうえで、当該金融機関に現金などを預け入れる必要があります。
・結婚・子育て資金の一括贈与
父母や祖父母から、18歳以上50歳未満の子どもや孫が結婚・子育て資金を一括贈与された場合には、1000万円まで贈与税が非課税になります。なお、当制度を利用するためには、平成27年4月1日~令和7年3月31日までに子どもや孫と金融機関との間で、「結婚・子育て資金管理契約」の締結が必要です。そのうえで、当該金融機関に現金などを預け入れる必要があります。
・手続き方法
贈与税の非課税制度を利用するためには、金融機関を通じて所轄税務署長への「教育資金非課税申告書」や「結婚・子育て資金非課税申告書」の提出が必要です。また、金融機関から教育資金や結婚・子育て資金の払い出しや支払いを行った場合には、金融機関への領収書などの提出が必要になります。
非課税制度の利用を検討しよう
親から1000万円近い現金を受け取った場合、そのお金を自分が渡していたとしても贈与税がかかります。ただし、親などから教育資金や結婚・子育て資金を一括贈与された場合には、贈与税が非課税になる制度があります。非課税額の上限は教育資金が1500万円、結婚・子育て資金が1000万円です。もし、受け取った現金をどちらかの資金に使う計画があるのなら、非課税制度の利用を検討してみてください。
出典
国税庁 財産をもらったとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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