夫が亡くなった… 死亡一時金って何? 遺族は誰でももらえるの? 遺族年金との併給は?
ファイナンシャルフィールド / 2023年8月30日 9時30分
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日本に住んでいる場合、20歳になれば誰でも国民年金に加入します。年金は65歳以上になったときや障害を負って働けなくなった場合に生活を支えてくれる大切なものです。しかし、老齢基礎年金や障害基礎年金を受給せずに亡くなる人もいます。このような場合、遺族が受給できる年金の一つに「死亡一時金」があります。 本記事では、死亡一時金の概要や受給できる条件、ほかの年金との併給が可能かどうかを解説します。
死亡一時金の概要と支給対象者
死亡一時金は、国民年金保険料を支払っていた人が亡くなった際に一括でもらえるお金です。死亡した人や遺族の立場によっては、とても助かるでしょう。
ただし、死亡一時金は年金に加入している人が亡くなった場合に、一律で支給されるものではありません。また、支給対象者も定められています。
死亡一時金の概要
死亡一時金とは、死亡日の前日において第1号被保険者として36ヶ月以上保険料を納めた人が老齢基礎年金や障害基礎年金を受けないまま亡くなったとき、生計を同じくしていた遺族が受け取れるお金です。第一号被保険者とは、自営業者、農業・漁業者、学生、無職の人などが該当します。年齢は、20歳以上60歳未満です。
会社員や公務員など厚生年金保険や共済組合等に加入している人は、第2号被保保険者なので老齢基礎年金・障害基礎年金を受けないまま亡くなっても、死亡一時金の対象外なので注意しましょう。このほか、生死不明でも失踪宣告を受ければ遺族が死亡一時金を受給できます。
支給される金額は12~32万円で、保険料を納めた月数により決められます。また、付加保険料の納付済月数が 36ヶ月以上ある場合は、8500円がプラスされます。
死亡一時金は、国民年金死亡一時金請求書を住所地の市区町村役場の窓口、もしくは年金事務所に提出することで受け取れます。自動的に支払われないので、必ず手続きを行ってください。なお、受給資格は本人が死亡してから2年間までなので、時効とならないよう注意しましょう。
死亡一時金の支給対象者
死亡一時金の支給対象者は、以下のとおりです。
1.配偶者
2.子
3.父母
4.孫
5.祖父母
6.兄弟姉妹
数字が小さいほうから優先順位が高く、生計を同じくしていることが条件です。生計を同じくしているとは、同じ家に住んで死亡した人が家計を支えていることであり、同じ家に住んでいても家計が別々の場合は、支給対象者ではありません。
また、別の場所に住んでいても、死亡した人が単身赴任だったり、家族の生活費を負担していたりする場合は、生計を同じくしているとみなされます。
死亡一時金とほかの年金との併給について
生計を同じくしていた人が亡くなった場合、死亡一時金のほかにも受給資格が得られる年金があります。
本項では、死亡一時金のほかに受給資格が得られる年金や、死亡一時金との併給について解説します。手続きをした後に「やはり、あちらの年金のほうがよかった」と思っても取り消しはできません。年金の概要や、受給できる金額を把握しておきましょう。
遺族基礎年金と死亡一時金の併給はできない
遺族基礎年金とは、以下の要件のいずれかを満たした人が生計を維持していた子ども、もしくは子どもがいる配偶者に支給される年金です。ここでの子どもとは、18歳になった年度の3月31日までにあるか、20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子です。
●国民年金の被保険者であるときに死亡したとき
●60歳以上65歳未満で日本国内に住所を有し、国民年金の被保険者だった人が死亡したとき
●老齢基礎年金の受給権者だった人が死亡したとき
●老齢基礎年金の受給資格を満たした人が死亡したとき
例えば、子どもが高校生で配偶者が扶養内のパート従業員、もしくは専業主婦(夫)といった場合が受給対象です。子どもがいない配偶者は対象外となります。ただし、遺族厚生年金は子どものいない配偶者でも受給可能なので、遺族基礎年金と遺族厚生年金を混同しないようにしてください。
受け取れる金額は、図表1のとおりです。
【図表1】
子どもがいる配偶者で67歳以下 | 79万5000円 + 子の加算額 |
子どもがいる配偶者で68歳以上 | 79万2600円 + 子の加算額 |
子ども ※18歳になった年度の3月31日までにある、あるいは20歳未満で障害年金の障害等級1級・2級の状態にある |
79万5000円+2人目以降の子の加算額 ※2人目までの加算額:各22万8700円 ※3人目以降の加算額:各7万6200円 |
出典:日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
遺族基礎年金と死亡一時金の併給はできません。どれか一つのみ受給可能です。自分の状況ではどちらを受給したほうがよいのか、よく確認をしてから選択しましょう。ただし、遺族厚生年金と死亡一時金の併給は可能です。こちらも混同しないように気をつけてください。
寡婦年金を受ける権利がある場合
寡婦年金とは、死亡日の前日に国民年金の第1号被保険者として10年以上保険料を納めた人(保険料免除期間を含む)が亡くなった妻が、60歳から65歳になるまでの間支給される年金です。ただし、以下のような条件を満たしていないと受け取れません。
●婚姻関係が10年以上ある
●亡くなった夫が老齢基礎年金・障害基礎年金を受給したことがない
●妻が繰上げ支給の老齢基礎年金を受けていない
受取金額は、夫の第1号被保険者期間のみで計算した老齢基礎年金額の4分の3です。なお、寡婦年金と死亡一時金の併給も不可となります。
遺族は受給できる年金をよく確認してから選択を
死亡一時金・遺族基礎年金・寡婦年金の3つは、配偶者(主に夫)が亡くなった場合に支給される年金です。しかし、支給される対象者や支給額は全て異なり、併給はできません。
配偶者が老齢基礎年金を受け取らずに亡くなった場合、遺族はどの年金に受給権があるのか、いくら受給できるのかを確認したうえで、どの年金を受給するか決めましょう。
出典
日本年金機構 死亡一時金
日本年金機構 死亡一時金を受けるとき
日本年金機構 遺族基礎年金
日本年金機構 寡婦年金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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