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生命保険協会の生命保険契約照会制度とは? FPが解説!

ファイナンシャルフィールド / 2023年8月31日 3時10分

生命保険協会の生命保険契約照会制度とは? FPが解説!

保険の契約の時には、契約者と被保険者の署名は必要ですが、受取人の署名等は不要なのはもちろん、立ち会う必要もありません。しかし、契約者と被保険者が同一人物の契約では、被保険者(兼契約者)が亡くなった時点で、保険契約の存在を知っているのは生命保険会社だけで、受取人は受取人になっていることすら気が付かない可能性もあります。   また、契約者が存命中でも、判断能力が衰えてしまい、保険契約の有無が分からなくなっているかもしれません。   「どこの生命保険会社と契約したのかも分からない」という場合、国内で営業している生命保険会社に1件1件問い合わせなくてはならないのでしょうか?

生命保険契約照会制度

生命保険協会には「生命保険契約照会制度」があります。親族である契約者もしくは被保険者が亡くなった場合、あるいは契約者の判断能力が低下してしまった場合に、保険契約の有無を、生命保険協会が会員になっている生命保険会社に確認してくれるという制度です。
 
なお、会員になっていない生命保険会社というと、少額短期保険会社の形態で営業している生命保険会社は生命保険協会の会員ではありません。
 

調査の対象になるのは?

生命保険契約照会制度の調査の対象となる方、1人につき3000円の利用料が掛かります。また、判断能力が衰えている方の生命保険の契約の有無を照会する場合、生命保険協会所定の診断書も必要になります。
 
生命保険契約照会制度の調査の対象となる契約は、生命保険協会が照会を受け付けた時点で、契約が有効に存続している個人保険の契約に限られます。つまり、もし会社名義の保険契約があったとしても、調査の対象外です。
 
また、たとえ個人名義の保険契約だとしても、失効していれば「契約が有効に存続」とはいえませんから、やはり調査の対象外です。なお、財形保険契約および財形年金保険契約、すでに受け取りが始まった年金保険契約、保険金等が据え置きとなっている保険契約も調査の対象外です。
 

調査によって分かること

生命保険契約照会制度によって分かるのは、生命保険契約の有無だけです。仮に、生命保険契約の存在が明らかになった場合、保障内容(生命保険金額や受取人、特約など)は、照会者から契約が存在する生命保険会社のコールセンター等に問い合わせることになります。問い合わせた時に、生命保険協会の生命保険契約照会制度を利用した旨を申し出ましょう。
 
なお、保険の契約内容によっては、正当権利者(=例えば、生命保険金の受取人)からの連絡を求める場合があります。また、生命保険会社のコールセンター等に問い合わせた方が正当権利者でなかった場合、誰が正当権利者なのかは教えてもらえることはないでしょう。
 
つまり、生命契約照会制度を利用して保険契約の存在が明らかになったとしても、今度は親族の間で「受取人は誰だ?」と探す必要があります。
 

生命契約照会制度を利用する前にできることは?

では、生命契約照会制度を利用する前に、保険契約の存在の有無を明らかにする方法はないものでしょうか? やはり、何といっても保険証券を探すことです。こういった時のためにも、保険証券がなくとも保険の契約には影響しませんが、やはり保険証券を捨ててしまうのはやめましょう。
 
また、少なくとも年に1回は「ご契約内容のお知らせ」等、保険会社から定期的に通知物が届いていると思われます。そして、月払いや年払いの生命保険契約の場合、銀行の預金通帳に保険料の引き落としの履歴が記載されたり、時期になれば生命保険料控除が届いたりしますので、契約の有無を確認することができる可能性が高くなります。
 

まとめに代えて

相続放棄をしても、受取人は生命保険金を受け取ることができます。しかし、医療保険やがん保険等は被保険者が受取人ですので、相続放棄をすると受け取ることはできません。
 
生命保険契約照会制度を利用して、お金と時間を掛けて、保険契約の存在を探し当てたとしても、受取人でなかったり、相続放棄をした後だったり、ということがないように事前に把握しておきたいものです。
 
そのためには、ご自身や家族の保険契約について把握しておくことが重要でしょう。
 

出典

一般社団法人生命保険協会 生命保険契約照会制度のご案内
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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