不動産屋に「入居拒否」された高齢者は4人に1人もいる? 親が入居拒否されたときの対策は?
ファイナンシャルフィールド / 2023年8月31日 9時20分
![不動産屋に「入居拒否」された高齢者は4人に1人もいる? 親が入居拒否されたときの対策は?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_230820_0-small.jpg)
高齢者の賃貸物件への入居は、現役で働く世代と比べて困難な場合があります。理由があって賃貸物件へ入居を希望したものの、健康面や家賃の支払いに対する不安を理由に、不動産会社から断られるケースも多くあります。 本記事では、高齢者が不動産会社に入居を拒否される理由、自分の親が賃貸物件への入居を拒否されたときの対処法を解説します。
4人に1人の高齢者が不動産会社に入居拒否をされている
株式会社R65が実施した「65歳以上が賃貸住宅を借りにくい問題に関する実態調査」によると、高齢者の4人に1人以上が年齢を理由に賃貸住宅への入居拒否を経験しています。
また、同調査では、11.9%の人が賃貸住宅への入居を5回以上断られているなど、高齢者が賃貸物件を契約することが困難であることを理解できるでしょう。
高齢者が賃貸物件を借りられない理由
同調査によると高齢者が賃貸物件を借りられない理由は、以下のとおりです。
●孤独死の可能性
●家賃の支払い能力
●保証人を立てられない
いずれも高齢者特有の理由です。超高齢化が進む中で、高齢者が賃貸物件を借りられない理由はさらに複雑化することが懸念されます。理由別に内容を解説するので、改善策を検討する際に役立ててみてください。
孤独死の可能性
若年層と比べて病気のリスクが高い高齢者は、自宅での孤独死の可能性を懸念されます。入居時は健康面に不安がなかったとしても、数年後は状況が変わっているかもしれません。
万が一、居室内で孤独死といったトラブルが発生すれば、清掃に高額な費用がかかったり、事故物件扱いとなって資産価値が大幅に下がったりします。事故物件は次の借り主が見つからない可能性を高めるので、リスク回避のために高齢者の入居を拒否する傾向にあるのです。
家賃の支払い能力
健康面以外に、高齢者が賃貸物件の入居を拒否される理由の1つが「家賃の支払い能力」です。収入源が年金のみ、もしくは貯金を切り崩して生活をしているような高齢者の場合、現役で働く世帯と比べ、安定性に欠けます。継続して家賃を支払うのが困難になることを疑われてしまうでしょう。
家賃の未納が続けば、家主も不動産会社も回収のために労力を費やします。また、回収不能となれば損害も大きいので、高齢者の賃貸物件の契約を断るケースが多くなっているのです。
保証人を立てられない
保証人を立てられない場合も、高齢者が賃貸物件の契約を断られる可能性を高めるでしょう。保証人とは、借り主が家賃を支払えなくなった場合に、代わって支払い義務を背負う人を意味します。親族など、近しい関係性にある人を保証人とするケースが一般的です。
「配偶者が他界している」「子や親族と疎遠になっている」「友人や知人がいない」といった理由から保証人を立てられない場合は、賃貸物件への入居を諦めざるを得ないかもしれません。
親が賃貸物件の入居を拒否されたときの対策法
このように高齢者が賃貸物件の入居を拒否されるケースが増えていますが、自分の親がその条件に直面した場合は以下の対策法を検討しましょう。
●親族のサポートを受けられることを不動産会社へ伝える
●高齢者向けの物件を探す
●自治体による住居支援制度を利用する
対策法別に内容を解説しますので、参考にしてください。
親族のサポートを受けられることを不動産会社へ伝える
親族のサポートを受けられることを不動産会社や家主に伝えれば、賃貸物件の契約を締結してもらえる場合があります。孤独死や家賃の未払いなどのリスク軽減につながり、不安要素を解消できるからです。親族の自宅の近隣エリアに絞って賃貸物件を探せば、いつでもサポートができることを証明できるでしょう。
そのほかにも、現役で働く子を保証人に立てることも信用度を高めるのに有効な方法です。
高齢者向けの物件を探す
高齢者向けの賃貸物件に絞って探してみるのも、入居の可能性を高めるのに有効な方法です。不動産会社の公式ページなどには、高齢者が安心して相談できる物件特集を組んでいたり、高齢者の相談可能という物件を用意していたりしています。
不動産会社に直接足を運んで相談をしたり、公式サイトを定期的にチェックしたりするなどして、物件探しを行ってみてください。
自治体による住居支援制度を利用する
賃貸物件を契約するのが難しい場合は、自治体の住宅支援制度を活用するのも方法の一つです。自治体の住宅支援制度はさまざまですが、一例は以下のとおりです。
●65歳以上の民間賃貸住宅を探す人を対象に、入居に関する相談や物件情報の提供、入居時や入居後の生活支援サービスのプランの作成と提案を実施
●中野区が協定を結ぶ事業者が民間賃貸住宅に住む単身者を対象にしたサービス
●見守りサービス:利用者に週2回の安否確認の電話連絡(自動音声)、室内ライトが一定時間点灯しないもしくは連続点灯時に指定したメールや電話へ連絡
●居室内で死亡した際の補償
親が居住する自治体で利用できる住宅支援制度がないかどうか確認してみましょう。
高齢者が賃貸物件に入居するための対策法はある
高齢者が賃貸物件に入居するのは、現役で働く世代と比べたら厳しい状況です。不動産会社に賃貸物件の入居を断られるケースも決して少なくないでしょう。
しかし、高齢者が絶対に賃貸物件へ入居できないわけではありません。親族のサポートを受けたり、高齢者向けの物件を探す、自治体の支援制度を活用するなど対策はあります。これらの対処法により、納得できる賃貸物件の契約締結に至る可能性を高めることが可能です。
出典
株式会社R65 【高齢者の住宅難民問題に関する実態調査(2023年)】
福岡市 「住まいサポートふくおか」のご案内
中野区 中野区あんしんすまいパックのご案内
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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