障害年金は「けが」じゃなくても受け取れる!? 障害年金をもらうための条件とは？

けがなどで、仕事や日常生活に支障をきたす状態となった際に、利用できるのが障害年金です。受給金額は、障害の等級や家族構成などによって異なりますが、働けないときの大きな支えとなります。   障害年金は、重い病気やけがでないと受け取れないと、考える人もいるのではないでしょうか。しかし、けがではなくとも、うつ病や統合失調症を発症した場合でも、受け取れる可能性があります。   今回は、障害年金とはどのような制度なのか、種類や受給条件などとともに解説します。障害年金を受け取れるのかと悩んでいる人は、参考にしてみてください。

障害年金とは

障害年金とは、病気やけがで仕事に制限がかかったり、日常生活に支障をきたしたりする状態になった際に、利用できる制度です。障害年金を受け取っていると、国民年金保険料の支払い義務が免除されます。
 
また、障害の状態によって、等級がつけられることも特徴です。等級によって、受け取る金額が異なります。等級には、けがだけではなく、病気も含まれており、うつ病や統合失調症などの精神にかかわる症状もそのひとつです。
 

障害年金の種類と受給条件

日本年金機構によると、障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。国民年金保険に加入していれば、受け取れるのは国民基礎年金、厚生年金保険に加入していれば、受け取れるのは障害厚生年金になります。受給条件が、それぞれ少し異なりますので、注意しましょう。
 

障害基礎年金

障害基礎年金は、以下の条件を満たすと受け取れます。
 

●国民年金保険の加入期間か、20歳より前の未加入期間、もしくは60歳以上65歳未満で日本に住んでいる未加入期間に、障害の原因となる病気やけがの診療を、初めて受けた日（初診日）が入っていること
●障害が認定された日の時点で、障害等級表のうち、1級か2級に該当すること
●初診日の前日時点で、初診日がある月の2ヶ月前までの被保険者期間において、3分の2以上の期間で、公的年金の保険料を納付しているか、免除されている。もしくは、初診日の時点で65歳未満であり、初診日がある月の2ヶ月前までの直近1年間で、保険料をすべて納めていること

 
初診日が20歳より前で、年金に加入していない場合は、納付要件はありません。
 

障害厚生年金

障害厚生年金の受給条件は、以下のとおりです。
 

●厚生年金保険の加入期間に、初診日が含まれていること
●障害を認定された日の時点で、障害等級表による等級が1～3級のどれかに該当している
●初診の前日時点で、初診日がある月の2ヶ月前までの被保険者期間において、3分の2以上の期間で、公的年金の保険料を納付しているか、免除されている。もしくは、初診日の時点で65歳未満であり、初診日がある月の2ヶ月前までの直近1年間で、保険料をすべて納めていること

 
なお、障害認定日のあとに症状が重くなった結果、等級が1～3級となった場合は、あとで障害厚生年金が受け取れる場合もあります。
 

障害年金の申請方法

申請する際は、必要書類を、住んでいる自治体の役場に持っていきます。障害年金を申請するすべての人に必要な書類は、以下のとおりです。
 

●通知書や年金手帳など、基礎年金番号を明らかにできる書類
●戸籍謄本や住民票など、本人の生年月日が分かる書類
●障害認定日から3ヶ月以内の診断書
●初診日確認のための受診状況等証明書
●障害状態を確認するための病歴・就労状況等申立書
●本人名義の預金通帳やキャッシュカード

 
※日本年金機構「障害基礎年金を受けられるとき」を参照して筆者作成
 
とくに診断書は、申請に必要な書類のなかでも非常に重要です。診断書の内容をもとに、認定基準と合わせて、障害年金の支給可否を決定するからです。主治医に診断書を作成してもらう際は、詳しく具体的に症状が書かれているか、内容が実際の状況と異なっていないかなどを、確認しておきましょう。
 

もしものときは障害年金を活用しよう

障害年金は、けがだけではなく、精神面での症状により、仕事や日常生活に支障をきたしている場合でも、利用できる制度です。診断書の内容は、支給を認めてもらえるか否かに深くかかわりますので、内容をしっかり確認してから提出しましょう。
 
もしも仕事で、うつ病などを発症して働けなくなったら、無理に働かずに、制度を活用して休むことが大切です。
 

出典

日本年金機構　障害等級表

日本年金機構　障害年金

日本年金機構　障害基礎年金を受けられるとき

 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー