若者の「出世拒否」は珍しくない!若者が年収アップよりも優先するものとは?
ファイナンシャルフィールド / 2023年9月3日 8時30分
![若者の「出世拒否」は珍しくない!若者が年収アップよりも優先するものとは?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_231375_0-small.jpg)
出世をしたくない。そう考える若者が増えていることをご存じでしょうか。若者の中には、出世欲のない自分について悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。あるいは、出世欲のない若者の考えが分からず悩んでいるベテラン社員の方もいらっしゃるかもしれません。 そこで、若者が出世を拒否する理由についてまとめてみました。
出世を望まない若者の割合はおよそ8割近くも!
東晶貿易株式会社のアンケート調査によれば、将来役職者になりたくない(出世したくない)と答えた若者(20~29歳)の割合は77.6%となりました。実に8割近い数の若者が将来出世することを望んでいないようです。出世をしたいと答えた若者の数は22.4%と、出世をしたくない若者の3分の1未満です。
どうやら、現代の若者が出世をしたくないと考えることは、特段珍しいことではないようです。
若者が出世を拒否する理由と、出世よりも優先するものとは
若者が出世を拒否する理由については、ワークライフバランスを重視しているからだと考えられます。
同じく東晶貿易株式会社のアンケート調査によれば、出世をしたいと思わない理由について1番となったのは「責任のある仕事をしたくない」というものでした。「プライベートを大事にしたい」という回答も僅差で2番目に入ってきており、4番目は「会社内の地位に興味がない」となっています。
これは総じて、ワークライフバランスを維持したい、という考えが反映されているものだと思われます。出世をすると、業務量が増えるだけでなく責任のある仕事も増え、プライベートをある程度犠牲にせざるを得なくなってきます。そのことを避けているのでしょう。会社内の地位に興味がないのも、プライベートに重きを置いているからだと想定できます。
また、3番目の理由である「目立ちたくない」というのも、出世してしまうと良くも悪くも注目されてしまい、平穏が保たれなくなるのを避けているためだとも考えられます。
また、出世をしたくない理由として「給料UPに興味がない」との回答が少ないのは、ワークライフバランスを重視するためにはある程度のお金は必要である、という考えの表れでしょう。出世したくない理由は、お金が要らないから、というものでもなさそうです。
全ての若者が出世を嫌っていたり、出世を拒否したりする理由が総じて上記のものだとは言い切れませんが、アンケート調査を見る限り、こういった考えの若者の数は少なくなさそうです。
出世欲のない若者は将来をどう考えるべきか
今後社会構造がどうなっていくかなどによっても異なるかもしれませんが、あまり出世を拒否し続けると、後悔してしまうかもしれません。
そのひとつが金銭面です。20代はまだしも30代40代となり、周囲が出世しだすと大きく差がついてきます。厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によれば、企業規模10人以上の場合、非役職者の平均年収(きまって支給する現金給与額を12倍し、年間賞与その他特別給与額を加えたもの)は451万2000円となっています。
それに対して課長クラスは783万6800円、部長クラスになると913万2800円と倍以上の差が付きます。
また、周囲と比べたときに劣等感があり、出世をしたくなったが既に出世コースから外れて取り返しがつかないということも起こり得ます。結婚や子育て、家族の病気などでライフプランが変わり、年を重ねるごとに想定より多くのお金が必要になることもあるでしょう。
そのため、出世を望まないという場合であっても、若いうちにスキルを磨いておきましょう。年齢相応のスキルを持っていれば、出世ができなくとも、職を失っても次の職が見つからないなど最悪の事態は避けられる可能性は十分あります。
まとめ
あくまでアンケートの結果にすぎませんが、出世を拒否する若者は珍しくはないようです。その理由はワークライフバランスにあり、若者の多くが仕事だけでなくプライベートも意識しているため出世を望んでいないようです。
とはいえ、金銭面など考えるべき点は多くあります。今まさに出世に悩む若者はもちろん、出世を拒否する若者に悩むベテランの方も、一度働き方や出世について考えてみてはいかがでしょうか。あらためて考えることで自分の望むキャリアがより明確になり、周囲の若者の考えも理解できるようになるかもしれません。
出典
東晶貿易株式会社 出世欲に関するアンケート
e-Stat 令和4年賃金構造基本統計調査
執筆者:柘植輝
行政書士
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