「インフレ」「デフレ」とは何か? リスクへの対応策とともに解説
ファイナンシャルフィールド / 2023年9月6日 4時40分
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2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻や円安がもたらした物価高が、連日ニュースなどで取り上げられています。日本の消費者物価指数も上昇に転じ、総務省が2023年8月18日に発表した7月分の消費者物価指数は前年同期比で3.3%の上昇となり、中央銀行である日本銀銀行(日銀)の金融政策にも注目が集まっています。 物価の動向は国民の生活に大きな影響をもたらしますが、物価水準が継続的に一方向へ変動する状態を示す「インフレ」(インフレーション)、「デフレ」(デフレーション)という言葉があります。本記事では、インフレとデフレについて解説します。
インフレとは? 主な原因やその影響は?
インフレは、一般的な物価水準の上昇を指し、貨幣の価値が低下して商品やサービスの価格が継続して上がる状態をいいます。
同じ金額で買えるものが減るため、消費者は生活のためにより多くのお金を支払う必要が生じます。
インフレの主な原因は、需要の増加や供給の減少です。需要が増えると、生産者は価格を引き上げることができるようになります。また、供給が減少すると、需要が供給を上回って価格は上昇します。
インフレは、適度な水準であれば経済成長を促進し、お金の価値が下がった分、借金の実質的な返済負担を軽減する効果などもありますが、過度なインフレは経済の安定を脅かす可能性があります。
デフレとはどんな経済状態?
一方、デフレは物価水準の下落を指し、貨幣の価値が上昇して商品やサービスの価格が下がり続ける状態をいいます。
デフレの場合、同じ金額で買えるものが増え、消費者はより少ないお金で生活ができるようになります。
デフレの主な原因は、需要の減少や供給の増加です。需要が減少すると生産者は価格を引き下げることになり、供給が増加した場合は需要が供給を上回ることで価格は下がります。
デフレは消費者の支出を減少させ、企業の利益を圧迫する可能性があります。また、お金の価値が上がるため、債務者にとっては実質的な借金返済の負担が増えることになります。
インフレ・デフレのリスクへの対応策
経済の安定性や成長にとって、インフレとデフレのバランスが重要です。
適度なインフレは経済成長を促進し、物価の上昇によるインセンティブを生み出します。また、デフレが続くと需要の低下や経済の停滞を招き、企業の利益や雇用に悪影響を与える可能性があります。
そのため、中央銀行や政府は金融政策・財政政策を通じて、インフレやデフレのリスクに対処することが求められます。
例えば、インフレを抑制するために中央銀行は利上げを行ったり、金融政策を引き締めたりすることがあります。これによって金融機関の貸出を抑制し、需要を減少させることができます。
また、政府は物価の上昇要因となる供給の制約を緩和するため、生産性の向上を促進させるなど規制緩和を行うことがあります。
一方、デフレを克服する手段として、中央銀行は利下げや金融政策の緩和を行うことで、金融機関の貸出を促進し、需要を刺激することができます。
政府は需要を喚起するために公共投資を増やしたり、減税政策を導入したりすることがあります。
インフレとデフレは、いずれも経済にとっては望ましくない状態です。過度なインフレは物価の急激な上昇や経済の不安定化をもたらし、行き過ぎたデフレは需要不足や経済の停滞を招く可能性があります。
経済の安定を維持するためには、インフレ・デフレのリスクに対して中央銀行や政府が適切な金融政策や財政政策を実施し、物価を安定させることが必要です。
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
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