「年金が一部未払いとなっているため、受け取りの手続きを…」→気づけば詐欺師にお金を振り込んでいる!? 還付金詐欺の手口と対策を解説
ファイナンシャルフィールド / 2023年9月9日 10時20分
![「年金が一部未払いとなっているため、受け取りの手続きを…」→気づけば詐欺師にお金を振り込んでいる!? 還付金詐欺の手口と対策を解説](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_232322_0-small.jpg)
近年、還付金詐欺の被害が拡大しており、なかでも年金をかたる詐欺は年々増加傾向にあります。 本記事では、年金に関する還付金詐欺に焦点を当て、犯人の手口や詐欺を未然に防ぐための具体的な対策を詳しく解説していきます。
還付金詐欺とは?
還付金詐欺とは、役所や税務署、年金事務所などの公的機関の職員を装って電話をかけ、還付があるとの名目でATMに誘導し、お金をだまし取るものです。具体的には、以下の還付などをうたった被害が報告されています。
・医療費の過払い金
・税金の過払い金
・保険料の過払い金
・年金の未払い金
このように、さまざまな名目で「還付金が返ってきます」と連絡がくることが特徴です。
年金還付金の詐欺手口とは?
警察庁が公表している、年金に関する還付金詐欺の事例をみてみましょう。
犯人:「年金支給が一部未払いとなっていますので、受け取る手続きをしてください」
被害者:「案内が来ていたのか覚えていません」
犯人:「以前に青色の封筒をお送りしましたが、ご確認されてないですか? 払い戻し期限が今日までですので、今、お電話しています」
被害者:「うーん、見落としていたかもしれません」
犯人:「お近くのATMでお手続きが可能です。携帯電話を持って、すぐにATMに向かってください。到着次第、お電話いただければ操作の手順をお伝えいたします」
被害者:ATM到着後に犯人に電話をかける。
犯人:「操作方法を説明します。指示通り正確に、ATMのボタンを押してください」
そのあと犯人は操作方法を指示し、還付金を受け取る手続きと見せかけて、被害者に振込みをさせるように操作させます。気づいたときには、被害者はすでに犯人にお金を振り込んでしまっています。
犯人は「今日限りで還付が受け取れない」と焦らせる戦略を取り、通常の判断が難しくなる状況を作り出しているといえます。
還付金詐欺の認知件数は増加している
2022年の還付金詐欺の認知件数は、4679件です。前年から比較すると、16.9%増の675件の増加となりました。
被害額も拡大し、2022年はおよそ53億7000万円となり、前年比18.8%増、8億5000万円の増加となっています。オレオレ詐欺や架空料金請求詐欺など、さまざまな詐欺が存在していますが、2022年の認知件数では還付金詐欺が最も多くなっています。
図表1のとおり還付金詐欺は2021年から増加傾向にあるため、早急に防止対策をとる必要があるといえるでしょう。
【図表1】
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2023/09/75e53d4448e1e2458319d198b7c42715-10.jpg)
警察庁 令和4年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)
被害を未然に防ぐための対策
還付金詐欺を未然に防ぐための対応策は、以下のとおりです。
・お金に関する電話内容の場合は、速やかに家族や信頼できる人に相談する
・留守番電話機能を活用する
・迷惑電話防止機能を利用して不審な電話を遮断する
・警察や役所など公的機関の名を出されてもうのみにせず、正確な情報源を確認する
・「スマートフォンを持ってATMに向かってください」といった内容の電話は、詐欺の可能性が高いと疑い、直ちに警察に相談する
還付金詐欺の手口を知っていても、実際に狙われたときには冷静な判断が難しくなることがあるため、日常的に心がけるとよいでしょう。
年金を狙ったメールでの詐欺被害もある
年金を狙う詐欺は多岐にわたり、還付金詐欺のほか、メールを使用した詐欺も増加しています。添付ファイルの開封を促すものや、不正なファイルのダウンロードを誘導するURLが含まれるケースがあり、このようなメールはPCやスマートフォン(携帯電話)のウイルス感染を狙っています。
日本年金機構は、メールでの各種届出や郵送手続きの登録依頼をすることはありませんと注意喚起しています。そのため、受信したメールに含まれるファイルの開封やURLは、絶対にクリックしてはいけません。
まとめ
近年、還付金詐欺の認知件数は増加しています。その背景には高齢化社会や核家族化が考えられます。特に、核家族が主流となった現代では、年金を受け取る世代が直接相談できる家族がいないことも多く、詐欺被害の要因となっている可能性があります。
子どもと同居していない高齢者は、怪しい電話に対して一旦電話を切ってから信頼できる第三者に相談することが大切です。すぐに相談する人がいない場合や対応が遅れることを防ぐため、留守番電話や迷惑電話防止機能の設定を活用すると良いでしょう。
日常生活の中でこれらの対策を意識しておくことで、詐欺被害のリスクを低減できます。
出典
警察庁 令和4年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)
警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ 還付金詐欺
中野区 だまされないで!! ~還付金詐欺にご注意ください~
日本年金機構 【注意喚起】[日本年金機構]の各種届出書(例:賞与支払届)をメールでご案内することはありません。絶対に添付ファイル及びURLリンクを開かないでください。
執筆者:鳥居佳織
FP2級
外部リンク
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