過去最高の「保釈金額」は20億円!なぜ保釈制度があるの?金額はどうやって決まる?
ファイナンシャルフィールド / 2023年9月11日 4時40分
![過去最高の「保釈金額」は20億円!なぜ保釈制度があるの?金額はどうやって決まる?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_232807_0-small.jpg)
著名人が逮捕されてからしばらくすると、「保釈された」「保釈金として○○円が納付された」といったニュースを聞くことがあります。しかし、そもそも保釈制度があるのは、なぜでしょうか? 保釈金の金額は、億単位になるケースもありますが、どのように決まるのでしょうか?
保釈制度とは?
保釈とは、逮捕されて起訴された後に、被告人の身柄拘束を一時的に解除する制度のことです。
逮捕・拘留によって身柄が拘束されると、まだ犯人と断定されていない被告人にとって、不利益が生じます。
例えば、家族と交流できずに離散してしまったり、学校や仕事に行けずに辞めざるをえなかったりします。
これらの不利益をこうむらないように、一定の要件や保釈金を条件に、一時的に身柄拘束が解かれる保釈制度が設けられました。
保釈には、大きく以下の3種類があります。
・必要的保釈
被告人・弁護人・法定代理人・保佐人・配偶者・直系の親族か兄弟姉妹からの請求があれば、刑事訴訟法第89条の要件(保釈不許可事由)に該当しない限りは、保釈が認められます。
・職権保釈
刑事訴訟法第89条の要件に該当していて、必要的保釈が認められない場合でも、裁判所がさまざまな事情を考慮して、刑事訴訟法第90条に基づき、保釈する場合があります。
・不当に長い拘禁と勾留の取り消し、保釈
拘留による拘禁が不当に長くなった場合に、被告人や弁護士からの請求または裁判所による判断で、刑事訴訟法第91条に基づき、保釈を認める場合があります。
保釈金の金額はどうやって決まる?
保釈金は、被告人の保釈を認めてもらうために裁判所に納めるお金のことで、裁判所に支払うのではなく「預ける」性質のものです。
保釈金を納めることで、被告人が逃亡したり、証拠隠滅をしたりすることを防げます。
保釈期間中、裁判所から決められたことを順守していれば、保釈金は判決後に全額戻ってきます。
しかし、違反した場合は、保釈は取り消され、納付した保釈金は没収されて返ってきません。
保釈金の金額は、被告人が逃亡せずに出頭することを確実にするために、資産や事件の性質などを総合的に鑑みて決定します。
決定された保釈金を用意できない場合は、一般社団法人日本保釈支援協会の「保釈保証金立替」のシステムを利用できます。
被告人以外の関係者が利用できて、立て替え手数料と事務手数料はかかりますが、立て替え金額の上限は500万円です。
実際に支払われた過去最高額の保釈金額は?
著名人が逮捕されると、保釈金として、億単位の金額が納付されるニュースを見聞きすることがあります。
例えば日産自動車元会長のカルロス・ゴーンは、二度の逮捕で、保釈金の合計15億円を納付したといわれています。
同被告はレバノンに逃亡したため、保釈金は没収されました。
ライブドア事件の堀江貴文は3億円、ロッキード事件の田中角栄は2億円など、億単位の保釈金が納付されたケースもあります。
その中でも、過去最高といわれているのは、ハンナン牛肉偽装事件の浅田満で、保釈金は20億円でした。
保釈制度の理解を深めて、万が一に備えましょう
家族や親しい人が逮捕・起訴されると、拘留によって社会生活から隔離されてしまいます。
保釈制度を活用することで、家族と一緒に過ごせたり、学校や仕事に通ったりできるようになり、素早い社会復帰が可能になります。
保釈されると、刑事裁判の準備や、服役前の身辺整理もできるなど、被告人にとってはメリットがあります。
逮捕されるようなことをしないのが最善ではありますが、もしも家族や親しい人が逮捕・起訴されるようなことがあれば、保釈制度のメリットを理解したうえで、必要に応じて活用しましょう。
出典
一般社団法人 日本保釈支援協会
「保釈について」
「保釈保証金立替」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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