56歳、貯蓄は800万円です。退職金が「2000万円」あれば、妻と2人年金だけで暮らしていけるでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2023年9月13日 2時20分
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老後の生活にあてる資金には、さまざまなものがあります。年金は、その代表的な収入源となるでしょう。また、老後に備えて貯蓄をしている人もいれば、退職金を老後の生活にあてようと考える会社員も少なくないようです。しかし、それらがそろっていても老後の不安がなくなるとは限りません。今回は、50代半ばですでに貯蓄が800万円ある世帯が、2000万円の退職金を受け取った場合、収入は年金のみで老後の生活が可能かを考えます。
65歳以上の世帯の平均消費支出額
老後の生活を考える際には、支出額を把握しておく必要があります。生活水準は人や家庭ごとに異なりますが、総務省統計局による「家計調査」の結果から、平均的な家庭の消費支出額を把握しておきましょう。2023年7月の同調査によると、65~69歳の2人以上の無職世帯における1ヶ月あたりの平均消費支出額は、約25万5000円という結果でした。70~74歳の世帯では約25万8000円、75~79歳では約24万2000円となっています。
・賃貸住宅に住む場合はさらに増える消費支出額
65歳以上の世帯の1ヶ月あたりの平均消費支出額は24~25万円ほどですが、このうち、住居にかかる費用は平均で1万5000~3万円程度となっています。その多くは設備の修繕や維持、工事にかかる費用です。つまり、持ち家率が高いため、毎月数万円程度の出費にとどまっていることになります。老後に賃貸住宅に住む場合、住むエリアによって変わりますが、家賃と合わせて毎月の支出額が30万円を超える家庭も出てくるでしょう。
年金の平均受給額は?
老後の重要な収入源の1つとなる年金ですが、厚生労働省年金局の「厚生年金保険・国民年金事業の概況」により、おおよその年金受給状況が把握できます。令和3年度の報告によると、厚生年金の老齢年金の平均月額は、約14万円です。国民年金の老齢年金の平均月額は約5万6000円となっています。また、日本年金機構では、令和5年度の年金額の例を公表しています。平均的な収入で40年間就業した場合の夫婦2人分の給付水準は、月額で約22万4000円です。
・生活水準によっては赤字となる
夫婦2人で賃貸住宅に住む場合、1ヶ月あたりの支出額は30万円前後となるでしょう。標準的な年金受給額のみでは赤字となる世帯が多そうです。50代半ばで貯蓄が800万円あり、定年退職時には2000万円の退職金が受け取れるのであれば、すぐに生活に困ることはないとみられます。しかし、定年退職後の収入源が年金のみでは貯蓄の減少は免れません。長生きしたり健康な状態が続いたりするほど、徐々に生活が厳しくなる可能性が高いといえます。
安心して老後の生活を続けるために必要なこと
定年退職したからといって、すぐに生活水準が下がるわけではありません。むしろ、旅行や外食、その他娯楽などに多くのお金を使いたい人も多いでしょう。貯蓄と退職金だけでは不安な場合は、今から対策を考えておく必要があります。例えば、定年退職後も働き続けるのも1つの選択肢です。非正規雇用としてでも働き続ければ、切り崩していく金額を減らせ、貯蓄を維持できる期間を延ばせるでしょう。そのために、今から副業を始めたり資格を取得したりしてもよさそうです。
年金の繰下げ受給も1つの選択肢となります。特に、定年退職後も働き続けるのであれば、年金受給年齢を繰り下げることで、より多くの年金額を受け取れます。また、15~20年後程度の未来を見据え、比較的リスクの低い金融商品などへと投資をし、堅実な資産運用を目指すのも1つの方法でしょう。
貯蓄と退職金と年金以外にも老後の生活を安定させるための選択肢を持っておこう
56歳で貯蓄が800万円あり、2000万円の退職金が見込めるのであれば、老後の生活がすぐに破綻することはないでしょう。しかし、65歳以上の2人以上世帯の毎月の消費支出額は、持ち家でも25万円程度、賃貸であれば30万円程度は見込んでおく必要があります。年金だけでは赤字となる家庭も少なくありません。よりゆとりのある老後を目指すには、定年退職後も働いたり年金の受給年齢を繰り下げたりなども視野に、今から対策を練っておく必要があります。
出典
総務省統計局 家計調査 二人以上の世帯 2023年7月
厚生労働省年金局 令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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