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「月30時間」の固定残業制ですが、毎日定時ぴったりで帰っても大丈夫ですか? 翌月に「返金しろ」などと言われないでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2023年9月13日 2時30分

「月30時間」の固定残業制ですが、毎日定時ぴったりで帰っても大丈夫ですか? 翌月に「返金しろ」などと言われないでしょうか?

毎月決まった残業代が給料に含まれている「固定残業制」を導入している企業で働いている場合、もし残業しなければ給料の一部を返金しなければならないのか気になる人もいるかもしれません。   本記事では、毎日定時ぴったりで業務を終了しても問題ないのかを解説します。

固定残業代を返金する必要はない

固定残業制が導入されている職場で働く場合、あらかじめ定められている時間分は残業しなければならない、残業時間数が規定よりも少ない場合は給料が減ると考える人もいるかもしれません。
 
しかし結論からいえば、実際は全く残業しなかった場合も固定残業代は支給されます。
 
例えば、「月30時間の固定残業手当として5万円支給する」と雇用契約書や就業規則などに規定されていた場合、実際の残業時間がゼロだったとしても5万円支給されます。「今月は半分の15時間しか残業していないから、半額の2万5000円のみ支給する」といったことはできません。
 
もちろん翌月の給料から天引きされる、返金を要求されることもありません。万一そのようなことがあれば違法です。
 

残業を強制される?

「会社はあらかじめ30時間分の残業代を支給しているわけだから、働かないのはズルい」などと事実上残業を強制されるケースもあるかもしれませんが、固定残業制を導入しているからといって会社側は従業員に残業を強制できるわけではありません。
 
固定残業制は残業を強制できるものではないため、従業員も例えば以下のような理由があれば残業を断ることも可能です。

・本人の体調不良で仕事を続けるのが難しい
・育児や介護をしていて、残業すると送迎などに悪影響が出ると考えられる
・具体的な理由や根拠なく残業を求められたとき

固定残業制は一定の時間までは個別の残業代を精算する必要がないので、経理手続きなどの手間を省けるメリットがありますが、「この時間までなら従業員を長く働かせても問題ない」といった誤解も生じやすい制度です。上司や管理職に従業員を酷使する意思はなかったとしても、固定残業制は長時間労働の温床になりやすいデメリットがあります。
 

固定残業制の注意点

固定残業制には、以下のような注意点があります。

・固定残業代をのぞく基本給の金額
・固定残業代の計算方法(30時間の固定残業代として別途5万円支給など)
・固定分を超える残業を行った場合は通常通り割増賃金を支払うこと

本来固定残業制を導入する場合は、企業側に前述の内容すべてを明示する必要があります。ただし、固定残業制は求人広告をみても曖昧な表記で分かりにくいケースが多く、通常の残業代が発生するラインはどこなのか把握しにくいことも少なくありません。
 
そのため「自分が勤務する会社は月30時間の固定残業制を導入している」と認識している場合でも、雇用契約書や就業規則の内容を再度確認することをおすすめします。
 
万一会社との間で労使トラブルが発生した、今回のケースであれば30時間を超える残業を行った場合に残業代の計算はどうなるのかなど、本当に支給されるのか確認するためにも制度の基本的な仕組みは把握しておきましょう。
 

まとめ

今回は固定残業制を導入している企業で働く場合、毎日定時ぴったりで帰っても大丈夫なのか、残業しなかった場合は翌月などに給料から返金を求められることはあるのか解説しました。
 
固定残業代を返金する必要はなく、実際の残業時間が固定残業分より少なかったとしても給料から天引きされたり返金を要求されたりすることはありませんが、上司や会社側が制度を誤解して残業圧力をかけてくる可能性もあります。
 
トラブル防止や固定残業制の再確認のためにも、改めて雇用契約書や就業規則を見ておくことをおすすめします。
 

出典

厚生労働省 労働条件をめぐる悩みや不安・疑問は労働条件相談ほっとラインへ
厚生労働省 固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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