ふるさと納税で被災地を支援しよう!―実質負担2000円で被災地には大きな寄付ができるって知ってますか?
ファイナンシャルフィールド / 2018年8月26日 9時30分
![ふるさと納税で被災地を支援しよう!―実質負担2000円で被災地には大きな寄付ができるって知ってますか?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_23298_0-small.jpg)
今年7月、西日本を襲った豪雨により、家を失ったり、亡くなられた方が大勢いらっしゃいました。この惨状を見て、「私も復興の義援金を出したい」「寄付をしたい」と思われた方もいるかと思います。 しかし、被災地への寄付は自分の生活費を削ることになります。寄付金控除があるとはいえ、とても大きな金額は出せないと思われた方も多いのではないでしょうか。 そこで、「ふるさと納税制度」を使って、被災地支援を行う方法を紹介したいと思います。 この方法なら、あなた自身が納税する所得税や、住民税を原資にした寄付が可能です。自己負担額は2000円で、何万円、十数万円の大きな寄付ができるようになります。 以下、順を追って、その方法と仕組みについて解説したいと思います。
ふるさと納税の基本的仕組み
まず、基本構図として、以前からのふるさと納税の仕組みを説明します。下の図を見てください。
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2018/08/75e53d4448e1e2458319d198b7c42715-22.jpg)
あなた=ふるさと納税者が、ある地方の自治体に「ふるさと納税」をしたとします。その後、自治体から寄付金受領書が送られてきますので、あなたはそれを添付して確定申告をします。
すると、以下の2つの税金控除を受けることができます。
(1)「(ふるさと納税額―2000円)×所得税の税率」で算出された額が、今年度にあなたが納めた所得税から還付されます。
(2)「(ふるさと納税額―2000円)×(100%-所得税の税率)」で算出された額が、翌年度にあなたが納める住民税から減額されます。
これにより、あなたは実質負担2000円で、ふるさと納税という寄付が可能になるのです。
上の図の場合、ふるさと納税先の自治体Bは、その地方の特産物などの返礼品をあなたに送付します。実質2000円で各地の特産物が手に入るため、とてもお得ですよね。
ふるさと納税先である自治体Bの「収入」は、ふるさと納税額全額に相当する寄付金です。対して、そのお礼として発送する特産物は、自治体Bの「支出」ということになります。豪華な返礼品を「支出」としても、自治体はふるさと納税額の半分以上を実質的な寄付金として使うことが可能です。
なぜ実質2000円でOK?じつは国とふるさと納税者の自治体が負担している
実質2000円の負担で寄付が可能となるふるさと納税。しかし、誰の負担によって成り立っているのでしょうか。ふるさと納税のお金の流れについてみてみましょう。
改めて、先ほどの図を見てください。この場合の実質的な税金負担の流れは次の通りになります。(図では、白抜きの矢印で示しています。)
(1)で示した、ふるさと納税者への所得税の還付分は国が負担します。
(2)で示した、ふるさと納税者の住民税からの減額分は、ふるさと納税者の居住地の自治体Aが負担します。
(3)残りの2000円はふるさと納税者であるあなたが負担します。
すなわち、ふるさと納税とは基本的に、国およびふるさと納税者の居住地の自治体の税収入を、ふるさと納税地として選ばれた自治体の税収入に付け替えるシステムなのです。
そして、このシステムを促進するために、ふるさと納税地の自治体はふるさと納税者に、地方の特産物を返礼品として送っています。
被災地の自治体にふるさと納税をするということは?
冒頭でお話しした、被災地の自治体へのふるさと納税は、この仕組みの上に成り立っています。
すなわち、本来あなたが国やあなたの住んでいる自治体に納める税金を、あなたの意志で被災地の自治体に回すということになるのです。
この場合、通常は、返礼品なしで行います。そのほうが被災地の自治体の実質受領額が増えるからです。
ふるさと納税で災害支援を行うメリット
ふるさと納税で被災地支援を行うメリットをまとめてみます。
1.募金や他の寄付金より、無理なく多額の寄付ができる
あなたの家庭が、夫・専業主婦・子一人(高校生)の場合、以下に示すように3万8000円から15万円の寄付をできることになります。(概算参考値です)
実質寄付額は減りますが、これらのうち約半額を返礼品つきの寄付にすることなども可能です。
夫・専業主婦・子一人(高校生)の家庭のふるさと納税限度額(概算参考値)
年収 ふるさと納税限度額
500万円 3万8000円
750万円 8万4000円
1000万円 15万円
※限度額は年収や家族構成などにより異なります。
2.支援先の地域を選ぶことができ、寄付金が直接自治体に届く
「義援金」は被災者の方々へ届きますが、届くまでに時間がかかることがあります。また、「支援金」は災害を支援する団体へ送られます。
これに対し、ふるさと納税は直接自治体に送金されるので、支援先の地域を選ぶことができます。かつ、自治体が所有する公共施設の再建築費用や修復費用等に使うことが可能です。
まとめ
ふるさと納税による災害支援は、「ふるさと納税によるポータルサイト」から通常のふるさと納税と同様に手続きが可能です。
また、先日の西日本豪雨だけでなく、大阪北部地震や2年前の熊本地震等以前の災害への支援も可能です。
支援の意志がある方は、この方法を試してみてはいかがでしょうか。
Text:浦上 登(うらかみ のぼる)
CFP ファイナンシャルプランナー
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「地方自治体に潤ってもらっては困る」絶好調のふるさと納税に総務省が"嫌がらせ"を繰り返す残念すぎる事情
プレジデントオンライン / 2024年7月5日 10時15分
-
ふるさと納税は「節税」にならないって本当ですか? ここ数年「おいしいものも食べられてお得だな」と思っていたのですが、控除などでお得になっていたのではないのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月30日 5時0分
-
【節税】親の預貯金が数千万円あるので相続が発生したときの税金が心配です。そのときは「ふるさと納税」をたくさんすれば、税金を節約できますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月27日 2時40分
-
ふるさと納税:生活防衛型に注目、「訳あり」も人気(窪田真之)
トウシル / 2024年6月20日 8時0分
-
デメリットはない?…結果として“手取り”も増える「ふるさと納税」の恩恵【税理士が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月19日 11時45分
ランキング
-
1マクドナルドが「ストローなしで飲めるフタ」試行 紙ストローの行方は...?広報「未定でございます」
J-CASTニュース / 2024年7月17日 12時55分
-
2申請を忘れると年金200万円の損…荻原博子「もらえるものはとことんもらう」ための賢者の知恵
プレジデントオンライン / 2024年7月17日 8時15分
-
3「再配達は有料に」 ドライバーの本音は
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月17日 6時40分
-
4大谷翔平の新居「晒すメディア」なぜ叩かれるのか スターや芸能人の個人情報への向き合い方の変遷
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 20時40分
-
5「380円のデザートを10人で分けて…」“ラーメン屋でラーメンを頼まない”ヤバい客の実態を店主のプロレスラーが赤裸々証言
文春オンライン / 2024年7月17日 11時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)