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急に手取りが「1万円」減った! 知らない間に「減給」になった? 考えられる理由について解説

ファイナンシャルフィールド / 2023年9月14日 2時0分

急に手取りが「1万円」減った! 知らない間に「減給」になった? 考えられる理由について解説

会社員などであれば、基本的に毎月の給与にそう大きな変動はないでしょう。しかし、10月は前月に比べて、手取りが急に減ってしまうこともあります。 「知らない間に降格されていた?」「それとも会社の計算ミス?」などと焦るかもしれませんが、実は社会保険料が高くなったことが原因かもしれません。本記事では社会保険料の改定の仕組みを、実際の例をもとに解説します。

4月~6月の給与で1年間の社会保険料が決まる

毎月の給与から控除される社会保険料は「定時決定」といって、毎年4月~6月の3ヶ月間の給与額の平均(「標準報酬月額」といいます)をもとに決定されます。決定された社会保険料は会社によって9月か10月支給の給与から1年間適用されます。
 
このとき注意が必要なのが、基本給や役職手当といった固定給だけでなく、残業手当・休日出勤手当なども定時決定の計算に含まれてしまう点です。
 
「普段は滅多に残業がないが、4月~6月にちょうど業務が忙しく毎日のように残業をしてしまった」という場合、実際の給与額に対して高すぎる社会保険料が1年間控除され続けることになります。
 

月額20万円と26万円、社会保険料の差は約1万円

例として、以下の場合について見てみましょう。
 

●普段は額面給与20万円
●4月~6月だけ40時間残業して残業手当が毎月6万円ずつ出た
●そのため標準報酬月額が26万円に決定された

 
標準報酬月額20万円の場合の社会保険料は、以下のとおりです。
 

健康保険料:1万円
介護保険料:1820円
厚生年金保険料:1万8300円
合計3万120円

 
標準報酬月額26万円の場合の社会保険料は、以下のとおりです。
 

健康保険料:1万3000円
介護保険料:2366円
厚生年金保険料:2万3790円
合計3万9156円

(2023年度東京都の場合・自己負担分のみ)

 
標準報酬月額20万円と26万円の社会保険料の差は9036円です。
 
上記のように4月~6月に平均6万円以上の残業・休日出勤手当が出た場合は社会保険料が1万円近く増えてしまいます。
 

年度途中で社会保険料が減ることはある?

4月から6月の残業により、高すぎる標報酬月額に決定された場合、年度途中で社会保険料が減ることはあるのでしょうか?
残念ながら、年度途中で社会保険料が変わるのは固定給に変更があった場合のみ。役職手当がなくなった・引っ越しして交通費が減った・子どもが家を出て家族手当がなくなった、などの場合は給与額が減った月から3ヶ月間の平均額をもとに社会保険料が変更される可能性があります。
 
ただし、残業手当や休日出勤手当など、月によって変動がある給与が増減した場合には社会保険料は変更されず1年間そのままです。
 

社会保険料が高くなるのは悪いことばかりではない

社会保険料が高くなると毎月の負担が増えてつらいですが、実は悪いことばかりではありません。
健康保険からけが・病気により会社を休んだ時に支給される「傷病手当金」や産休中に支給される「出産手当金」は、実際の給与額ではなく標準報酬月額をもとに計算して支給されるため標準報酬月額が高いほど支給額が高くなります。
 

4月~6月は残業のしすぎに要注意!

社会保険料が高くなると傷病手当金や出産手当金などの支給額が増えるとはいえ、毎月1万円社会保険料が高くなると、年間12万円の負担が増えることになります。
会社の業務上の都合もあるので自分でコントロールすることは難しいですが、4月~6月はできるだけ不要な残業は抑えるよう心がけてみましょう。
 

出典

日本年金機構 定時決定(算定基礎届)

全国健康保険協会 令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表

 
執筆者:平原あかり
社会保険労務士・FP2級

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