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「弁償しろ!」 通勤ラッシュの駅構内。歩きスマホの人とぶつかって、相手のスマホを破損させたら絶対弁償!?

ファイナンシャルフィールド / 2018年8月26日 22時30分

「弁償しろ!」 通勤ラッシュの駅構内。歩きスマホの人とぶつかって、相手のスマホを破損させたら絶対弁償!?

度々、話題に上がる「歩きスマホ」。その名の通り、スマホを使いながら歩くことです。   歩きスマホは画面にくぎ付けになるため、周りへの注意が不足します。特にラッシュ時の駅構内では、人の流れを止めたり、ぶつかったりと、とても迷惑な存在です。   今回は歩きスマホの女性にぶつかり、なぜか損害賠償請求されてしまったAさんの例をみてみましょう。  

通勤中、歩きスマホの女性とぶつかったAさん。なぜかスマホ代を請求される事態に!?

会社員のAさんは通勤の際、とある駅で一度降車して別の路線に乗り換えます。
その降車駅はいつも非常に混雑しており、乗り換え先にもなかなかたどり着くことができません。そのため、いつもAさんは余裕を持って家を出ていました。
Aさんが乗り換え用の通路をてくてくと歩いていると、突然、曲がり角から女性が現れました。スマホに目を奪われていた相手の女性はAさんに気づかず、2人は激突しました。それと同時に、女性の手元にあったスマホは音を立てて地面に落下。2人が足元を見ると、スマホの画面は粉々になっていました。
「なにするのよ!スマホ画面が割れちゃったじゃない!」
女性は、激しくまくし立てました。スマホを壊したのはAさんにぶつかったせいなのだから弁償する必要があると主張しています。
Aさんは、歩きスマホをして周りを見ていなかったのは女性の方で、自分は前を見て普通の速度で歩いていたのに…と不満な気持ちでいっぱいです。
果たして、Aさんは女性のスマホ代を弁償しないといけないのでしょうか。
*物語はフィクションです
 

歩きスマホをしていた人とぶつかり、その人の物を壊してしまった場合、弁償しなくてはいけないのでしょうか。東京桜橋法律事務所の内藤弁護士にお伺いしました。

上記のようなケースでAさんの弁償義務を否定するためには、Aさんの不注意はゼロであったと言えなければなりません。
しかし、現に人と人とがぶつかってしまった場合に、一方の不注意をゼロと評価することは簡単ではありません。Aさんにわずかでも不注意の要素が見られるのであれば、弁償義務が発生するのが原則です。そのため、弁償義務を完全に否定することは難しいでしょう。
しかし、金額については過失相殺の話ですので、どちらに過失が大きかったかがポイントとなります。こちら側が通常どおり歩いている状況であれば、より前方不注意であった歩きスマホ側の方が、落ち度が大きくなるのではないでしょうか。
ただし、こちらが急いで走っていたなどの場合は、走っている側の方が、落ち度が大きい印象を与えます。
 

相手が歩きスマホをしていたとしても、原則として弁償義務が発生する

Aさんのように普通の速度で歩いており、相手が歩きスマホをしていたとしても、不注意の要素がゼロでない限り、損害を与えたからには原則として弁償義務が発生することがわかりました。
「歩きスマホをしている方が全面的に悪いのでは?」と納得できない方も多いかもしれません。普通に歩いていて、このようなトラブルに巻き込まれてはたまったものではありませんよね。
私たちにできることは、できるだけ自分に落ち度を作らないようにすることです。人とぶつかる可能性が高い場所では走らず、曲がり角では細心の注意を払いましょう。
もちろん、普段から歩きスマホをしているという人は、周りの迷惑になっていることを自覚し、改めることが必要です。
Text:FINANCIAL FIELD編集部

監修:内藤 悠作(ないとう ゆうさく)
弁護士/東京桜橋法律事務所

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