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「扶養される主婦」がネットで叩かれるのはなぜ? 専業主婦は「年35万円」得してる? 家事・育児への報酬にしては安すぎる!?

ファイナンシャルフィールド / 2023年9月17日 4時20分

「扶養される主婦」がネットで叩かれるのはなぜ? 専業主婦は「年35万円」得してる? 家事・育児への報酬にしては安すぎる!?

政府は「年収の壁」を問題視し、制度を見直す方針を示しています。2017年には配偶者控除と配偶者特別控除が見直されましたが、今後もさまざまな扶養制度が縮小に向かうといわれており、ネットでは「扶養」を批判する内容を目にすることもあります。なぜここまで「扶養」が話題に上がるのでしょうか?。   本記事では、配偶者が「扶養」されることで得している金額について解説します。

「扶養」は税金と社会保険の2種類がある

ひと言に「扶養」といっても、制度としては「税金上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2つに分かれています。税金上の扶養では、扶養している配偶者の税金が軽減される形で得をしており、社会保険上の扶養は、扶養されている人が自身の社会保険料を支払わずに済む形で得をしています。
 
以下では解説の便宜上から、「扶養されている人=妻」、「扶養している配偶者=夫」として進めます。
 

税金上の扶養で得している金額

もしも妻が夫の扶養に入っている場合、夫の所得税と住民税を計算する際に「配偶者控除」が適用されることで税額が軽減されています。配偶者控除の金額は、夫の合計所得金額が900万円(年収の目安としては給与収入のみの人で1100万円程度)以下の場合で38万円です。これに所得税と住民税の税率を乗じた金額が得している金額になります。
 
例えば、夫の所得税率が10%の場合、38万円×(所得税率10%×住民税率10%※)=7万6000円となります。
 
※住民税率は所得に関係なく一律の10%です。
 

社会保険上の扶養で得している金額

妻が社会保険上の扶養となることで、健康保険料と年金保険料の支払いが無料で済んでいます。夫が扶養しているので夫の社会保険料が妻分だけ増えているのかと思いきや、そうではないのです。
 
妻本人が国民健康保険料と国民年金保険料を自身で負担するとした場合の金額は、年間で国民健康保険料7万6300円(東京都大田区在住、介護保険料ありの場合)、国民年金保険料19万8240円の合計27万4540円となります。
 

まとめ

扶養によって得している金額は、税金と社会保険合わせて年間で約35万円となりました。数字で見てみるとなかなか大きな金額ですね。例えば、10年間扶養されているとすると約350万円となるので、影響の大きさがより感じられるのではないでしょうか。
 
ただ、だからといって「扶養」をたたくのは間違っているのではないでしょうか。扶養されている人たちの中には、働きたくても家事や育児、介護のために働けない人もいます。その人たちが無償でその仕事を請け負ってくれているから、扶養している人は働けているともいえます。制度としてある以上、利用することは悪ではありません。
 
むしろ年間約35万円は、家事・育児・介護などで提供している労働に対しての報酬と考えると、非常に少ないと思いませんか?
 

出典

国税庁 配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しについて
国税庁 No.1191 配偶者控除
東京都大田区 令和5年度国民健康保険料の試算
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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