【貯金30万円】東京への引っ越し後に転職活動したい27歳男性。無理なく生活できる貯金の目安とは?
ファイナンシャルフィールド / 2023年9月19日 1時40分
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東京都は賃金水準が高いこともあり、地方から東京での就職・転職を目指す人は多いでしょう。ただし、東京都は他県よりも家賃が高いため、地方での生活に慣れていると家賃の高さに驚くことも少なくありません。 今回は、広島県で生活しており東京都内での生活にあこがれを持っているものの、貯金が30万円程度である男性の事例を紹介します。
東京での生活にあこがれる! だが貯金は30万円程度
「今の会社を辞めて、東京で転職活動をしようと考えています。東京のほうが賃金水準は高いし、仕事の種類も多そうです。それにプライベートも楽しめそうですよね」と、広島県で生活しているAさんは話します。
Aさんは広島県出身で、高校卒業後は広島県内の企業に就職しました。中学や高校の同級生と同窓会をした際に、多くの同級生が東京で生活している話を聞いて、東京へのあこがれを強めたといいます。
「もちろん、広島には愛着がありますし、大きな不満もありません。ただ、同級生の大半が東京で楽しそうな生活を送っているし、求人情報を見ても東京のほうが給料は高いんですよね。広島での生活も悪くはありませんが、東京での生活のほうが楽しそうだと感じています。引っ越ししてから転職活動を始める予定ですが、27歳だとすんなり転職先も決まるのではないでしょうか」
Aさんの貯蓄状況を聞いたところ、30万円程度とのこと。毎月1万円程度の貯金をしているものの、独身ということもあり、大半が娯楽費用に使われてしまっているようです。
「今、住んでいる広島市内の賃貸住宅は、家賃が5万円です。東京は広島よりも家賃水準は高いでしょうが、30万円の貯金があって、すぐに転職先が決まれば問題ないですよね。今の会社を辞めるタイミングは具体的に決めていませんが、できるだけ早く東京で生活したいと考えています」
貯金30万円程度で広島から東京へ引っ越しを検討しているAさんは、安心して生活するためにどのような対策が必要でしょうか。
貯金30万円で東京で新生活を始めるのはリスクが大きい
総務省の「2022年家計調査」によると、住居費をのぞく1人暮らし世帯の1ヶ月当たりの平均的な消費支出額は13万8453円です。また、全国賃貸管理ビジネス協会が公表している2023年7月時点における、東京都内の1部屋(1K、1DK、1LDK)の家賃相場は6万8121円です。つまり、東京都での1カ月の生活費用として20万円程度が必要となるでしょう。
一般的な水準の賃貸住宅に住んだとしても、貯金30万円では1ヶ月~2ヶ月程度で資産が底をつきます。また、入居にあたっての敷金などや、引っ越しの際の費用ほか諸経費も必要になります。
もし転職先が決まらず無収入期間が長引くと、カードローンやキャッシングなどでしのぐことになる可能性があるでしょう。また、失業給付を受給しても、その期間が長引くと生活が立ち行かないおそれがあるため、Aさんが現在の状況で、今の職場を辞めて上京するのはリスクが高いといえそうです。
Aさんが東京で無理なく生活できる貯金の目安は、120万円程度になると予想されます。その内訳ですが、無職の期間も含め、「おおよそ6ヶ月分程度の生活費」で算出できます。120万円程度の貯金があれば、3ヶ月程度無収入期間があったとしても、焦らずに生活できるといえそうです。
失業給付を受給する場合は、自己都合で離職した際に、受給開始まで2ヶ月程度待つ必要があることから、最低でも100万円の貯金は用意しておきたいものです。
Aさんは「東京の会社は給料が高い」と考えているようですが、実際に、地方よりも東京のほうが給料水準は高いとはいえ、結局のところ、給料の金額は企業規模や業界、またその企業の業績次第です。「東京の会社なら給料が高い」と短絡的に考えていると、現在の勤務先よりも収入が減る可能性がないとはいえません。
可能であれば、実際に東京へ引っ越しをする前に転職先を決めておきたいものです。近年はリモート面接を行っている企業もあり、地方に住んでいながらも選考を進めることが可能な企業も多いようです。転職先が決まっていれば、安心して東京での新生活を始めることができるでしょう。
あわせて、支出を引き締めて貯蓄額を増やす取り組みも行うとより一層、安心できます。
まとめ
貯金30万円で東京での新生活を始めるとは言っても、物件の契約の際には、一般的に敷金などが家賃の1~3ヶ月程度、必要になります。そのほか引っ越しの際の経費もかかるでしょう。また、面接の際の交通費や写真撮影など、細かい経費も見逃せません。1ヶ月~2ヶ月程度で貯金は底をついてしまう可能性が高いといえます。
安心して東京での新生活を始めるためには、できるだけ早く転職先を見つけることと、できるだけ多くの貯金を用意することが欠かせません。「引っ越しに関する費用」「引っ越し後の生活費」をシミュレーションしつつ、地元に住んでいる内から準備を始めることが重要といえます。
出典
総務省 家計調査 家計収支編 単身世帯
全国賃貸管理ビジネス協会 全国家賃動向
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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