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定年退職後、頑張って働いても年金を削られる? 損しないように働くなら月いくらが限度?

ファイナンシャルフィールド / 2023年9月20日 6時40分

定年退職後、頑張って働いても年金を削られる? 損しないように働くなら月いくらが限度?

定年退職後も働く場合は、在職老齢年金制度によって年金受給額が減額や支給停止となる可能性があるため、注意が必要です。収入が増えても、働いている間の年金は減額や支給停止となるので、老後の生活計画に支障が出るかもしれません。   本記事では、在職老齢年金制度の特徴や、年金が減額や支給停止となる条件について解説します。定年退職後も安心して収入が得られるよう、在職老齢年金制度について理解しましょう。

在職老齢年金とは

在職老齢年金制度とは、60歳以降に厚生年金に加入して、働きながら年金を受け取る場合に、年金額が調整される制度です。収入(厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額)に応じて、在職老齢年金の支給額が削減されたり停止されたりすることがあります。
 
そのため、定年退職後も働く場合、在職老齢年金制度によって年金受給額が減少する可能性があります。
 

在職老齢年金で年金が減る条件

老後の資金計画で働いて収入を得るのにあたり、在職老齢年金について理解することが重要です。本項では、在職老齢年金制度における年金の全額支給条件、減額や支給停止の条件、およびシミュレーションについて詳しく説明します。
 

「48万円以下」の場合は全額支給

基本月額と総報酬月額相当額の合計額が48万円以下の場合は、在職老齢年金制度による年金の支給停止額はなく、年金を全額受け取れます。例えば、以下のケースでは、基本月額と総報酬月額相当額の合計額が48万円以下となるため、年金の減額はありません。


・年金額120万円(基本月額10万円)
・給与月額15万円(標準報酬月額15万円)
・賞与年間60万円(標準賞与額60万円)

上記の場合、基本月額は10万円で、総報酬月額相当額は20万円です。これにより、基本月額と総報酬月額相当額の合計額は30万円となり、48万円以下となります。
 
※基本月額とは…年金額(年額)を12で割った金額のこと
※総報酬月額相当額とは…毎月の給与(標準報酬月額)+賞与(標準賞与額)を12で割った金額のこと
 

「48万円を超える」場合は支給停止

もし、基本月額と総報酬月額相当額の合計額が48万円を超える場合、在職老齢年金制度によって年金受給額が減額または支給停止となります。基本月額と総報酬月額相当額との合計が48万円を超える場合の、1ヶ月あたりの減額または支給停止額は以下の計算式で算出されます。
 
・(総報酬月額相当額+基本月額-48万円)÷2
 
減額または支給停止額のシミュレーションは、以下のとおりです。


・年金額120万円(基本月額10万円)
・給与月額32万円(標準報酬月額32万円)
・賞与年間120万円(標準賞与額120万円)

上記の場合、基本月額は10万円で、総報酬月額相当額は42万円です。これにより、基本月額と総報酬月額相当額の合計額は52万円となり、48万円を超えることになります。この場合の減額または支給停止額は、以下のとおりです。
 
・(42万円+10万円-48万円)÷2=2万円
 
年金の減額または支給停止額を考慮すると、年金支給額は月8万円(10万円-2万円)となります。このように、基本月額と総報酬月額相当額の合計額が48万円を超える場合には、年金受給額が減額もしくは支給停止となるため注意が必要です。
 

在職老齢年金制度を理解して老後の資金計画を

定年退職後も働く場合、基本月額と総報酬月額相当額の合計額が48万円を超えると、在職老齢年金制度によって、年金額が減額または支給停止となります。
 
働きながら年金を全額受け取るには、60歳以降も厚生年金に加入する場合、基本月額と総報酬月額相当額の合計額を48万円以下に収めることが必要です。なお、フリーランスや個人事業主などは厚生年金に加入しないため、対象ではありません。
 
在職老齢年金制度についての理解と、年金額や給与などをシミュレーションし、早めに老後の資金計画を立てましょう。

出典

日本年金機構 在職中の年金(在職老齢年金制度)
日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
日本年金機構 在職老齢年金の支給停止の仕組み
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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