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年金額は「月12万円」ですが、定年後も働くべきでしょうか? 貯蓄は800万円ほどで、独り者です

ファイナンシャルフィールド / 2023年9月23日 2時20分

年金額は「月12万円」ですが、定年後も働くべきでしょうか? 貯蓄は800万円ほどで、独り者です

年金だけで老後の生活費をまかないたくても、実際は赤字になってしまうケースが多いです。そうした事態を想定してお金を貯めることも有効な対策ですが、それだけで十分に補えるとは限りません。不足しそうな見通しなら、老後も収入源の確保が必要になるでしょう。   そこで本記事では、800万円の貯蓄をしている人が月12万円の年金を受け取る場合について、定年後も働いたほうが良いのか解説します。

まず老後の生活費を予測しよう

老後の生活費を予測すると、年金だけで暮らせるのか判断しやすくなります。予測の目安として、家計調査年報という総務省の資料を基に試算してみます。
 
令和4年の調査結果を見ると、無職の65歳以上単身世帯の1ヶ月の平均消費支出は14万3139円です。消費支出の内訳で最も高額だったのは 3万7485円の食費です。一方、住居費は低めで水道光熱費や交際費よりも安い1万2746円となっています。ただし、このデータは持ち家のケースも含んでいるため、住まいが賃貸物件なら出費はもっと大きくなるでしょう。
 
また、税金や社会保険料などの非消費支出も毎月生じます。こちらは1万2356円で、消費支出と合算した1ヶ月の平均支出は15万5495円です。
 

貯蓄は何歳で尽きてしまうのか?

上記の15万5495円という平均支出をもとに、年金だけで生活できそうか試算しましょう。
 
年金を毎月12万円受給する場合、1ヶ月あたり「15万5495円-12万円=3万5495円」の赤字が発生します。年間では「3万5495円×12ヶ月=42万5940円」の赤字が生じます。
 
この問題の対策として、貯蓄の切り崩しを行うと、800万円の貯蓄を有する場合、「800万円÷42万5940円=約19年」で、約19年間は不足分のカバーが可能です。つまり、65歳から年金を受給した場合、84歳までは貯蓄を切り崩しながら生活できます。
 
言い換えると、84歳で貯蓄が尽きてしまうため、それ以降の収支が毎月3万5495円のマイナスになります。したがって、もっと長生きすることも考慮し、定年後の就労によって貯蓄を増やすことも視野に入れたほうが良いでしょう。
 

在職老齢年金制度の注意点!

基本的には、老後に働いて収入を得ていても年金を受け取れます。これは在職老齢年金と呼ばれており、厚生年金保険に加入している人が対象です。この制度を知ると、再雇用などで企業に所属して積極的に稼ごうと思うかもしれません。
 
しかし、在職老齢年金の制度には、受給の一部や全額の停止といった注意すべき点があります。具体的には、基本月額と総報酬月額相当額の合計が48万円を超えると、そのような状態になります。
 
基本月額とは老齢厚生年金の年額を12で割った金額で、総報酬月額相当額とは月給に年間賞与の12分の1を加えた金額です。年金の受給額を減らしたくないなら、これらの知識も身につけたうえで、労働時間や収入の調整も意識しなければなりません。
 

老後を楽観視せずに現実的な対策を!

老後の暮らしを安定させたいと思い、現役時代から貯蓄をしている人は少なくありません。それでも、貯蓄と年金を合わせても老後の資金が足りなくなる可能性はあります。平均支出をもとに将来の生活費を予測すれば、赤字を出さずに乗り切れそうな年数の算出が可能です。
 
在職老齢年金制度の内容をよく理解し、年金の繰下げ受給などもうまく活用することで、老後の就労によるカバーを検討しやすくなるでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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