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地方都市から人がいなくなった弊害 住宅を購入する前に考えたい【街機能】

ファイナンシャルフィールド / 2018年8月28日 10時54分

地方都市から人がいなくなった弊害 住宅を購入する前に考えたい【街機能】

急激な人口減少と高齢化社会に対応するため、政府は平成26年に都市再生特別措置法を改正し、「立地適正化計画(別名:コンパクトシティ・プラス・ネットワーク)」を創設しました。 公共交通の駅周辺や公共施設周辺を再開発すると同時に「居住誘導エリア」を設定し、郊外から中心部に移住促進する計画です。医療・福祉施設・商業施設や住居がまとまって立地することで、高齢者に対する医療サービスや、介護の負担を減らすことなどを目的としています。 しかし、指定エリアから外れた地域に住んでいた場合、行政サービスや不動産価値の低下が予想されます。

人口減少が深刻化してきた全国の地方都市

総務省が7月11日発表した「人口動態調査」によれば、平成30年1月1日時点の日本人の人口は1億2520万9603人で、前年度から約37万人減少しました(住民基本台帳ベース)。
私はライフプラン講習だけでなく、経営やビジネスに関する研修で全国を回っています。地方都市の中小企業経営者達と話をすると必ず出てくるのが、「人手不足問題」です。
飲食店などでは人手不足のために倒産する企業も出始め、小売業、介護などのサービス業、医療機関、交通機関などでも十分な業務ができなくっているといいます。
 

街機能の集約化が高齢化への対応策

財政破綻した夕張市や富山市では、街機能を集約化したコンパクトシティ構想が進められ、成果を上げています。
先述の「立地適正化計画」とは、国が街作りに関する指針を出し、各自治体がそれに沿って方針を定め実行していく制度です。主要駅周辺を「都市機能誘導区域」、他の駅やバス路線、公共施設周辺を「居住用動区域」に設定し、集中的に再開発を行います。
このエリアから外れている場合は、各自治体方針で土地開発などに制限がかけられます。郊外の一軒家に住んでいる方には、都市機能誘導区域のマンション等に移住する場合には支援が出る場合もあります。
出典元:国土交通省「コンパクトシティの形成に向けて」
 

今後、新しい集合住宅や公共施設、医療・福祉施設、商業施設などは立地適正化計画に基づいて建設されていくことが考えられます。このエリアから外れている場合には、各種サービスが不便になり地価の下落などが起きるかもしれません。自分や両親などの身内が、どんなエリアに居住しているのかを意識しておく必要があるでしょう。 
政令指定都市の札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、静岡市、名古屋市、神戸市、岡山市、広島市、北九州市などの主要都市も立地適正化計画の作成に取り組んでおり、国土交通省の「立地適正化計画制度」のHPで最新状況を確認できます。
「都市機能誘導区域」の考え方に基づき、駅前に医療介護施設や商業施設が一体になった高層マンションが建設され、郊外の一軒家を売却してこちらに移り住むシニア層が増えてきました。
住宅購入計画は多額の資金を必要とし、一度購入すると簡単にやり直しができません。国の国土政策を理解して、長期のライフプランに基づいた住宅計画を検討していきましょう。
Text:前田 紳詞(まえだ しんじ)
ファイナンシャルプランナー 、日本経済新聞読み方専任講師、ドラッカー学会学会員、前田マネジメント代表、㈱マイビジネスクリエイトオフィス取締役

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