私立大学卒で実家暮らし。毎月3万円家にお金を入れています。何年で親に学費を返したことになりますか？

私立大学を卒業して、現在は実家で生活していて、実家にいくらかのお金を入れている人も多いでしょう。大学の学費は親が払ってくれたからこそ、社会人になった今、なんとかして親に返したいと考えると、いったいどのくらいの期間で返済できるのか把握しておきたいものです。   毎月の給料から3万円を家に入れる場合、いつになったら学費を完済したことになるのかを計算しておきましょう。本記事では、私立大学の学費と、毎月家に3万円を入れる意味、そして何年で学費を返したことになるのかを解説します。

背景: 私立大学の学費

　
大学の学費は、さまざまな要因によって変動します。特に私立大学においては、学部や専攻によって学費の金額が大きく異なることが特徴です。私立大学の学費を、文系、理系、医歯系の3つのカテゴリ別に図表1にまとめました。
 
図表1

学部	年間授業料（円）	入学金（円）	施設設備費（円）	実験実習料（円）	その他（円）	初年度の合計	全年度の合計
文系 （4年）	81万5069	22万5651	14万8272	8319	7万5126	127万2437	441万2795
理系 （4年）	113万6074	25万1029	17万9159	6万1004	6万2758	169万24	600万7009
医歯系 （6年）	288万2894	107万6278	93万1367	20万419	140万106	649万1064	3356万4994
その他 （4年）	96万9074	25万4836	23万5702	7万8917	9万3619	163万2148	576万4084

文部科学省 「令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額（定員1人当たり）の調査結果について」 より筆者作成
 
これらの金額はあくまで平均的なものであり、実際の大学や学部、学年によってはさらに高額な場合や、これよりも負担が低く済む場合もあります。自分が進学した大学や学部の学費について正確に把握することが大切です。
 

実家に3万円入れる意味

　
実家での生活を選択するなら一人暮らしをするほどの出費はないため、毎月一定の額を家計に入れることは多くの社会人にとって一般的です。毎月3万円を実家に入れることには、いくつかの意味があります。
 
実家で生活することで、家の食費や光熱費は確実に増え、親の経済的負担を増やす要因です。子どもが家計にお金を入れることで、経済的負担を軽減できます。
 
また、学費を親に支払ってもらった場合、社会人となったことで学費を返す、あるいはお礼の気持ちを示す方法の一つとして、家計に貢献することを選びます。
 
その他にも、自分で稼いだお金を親に渡すことに憧れていることや、社会人になったら必ず家に仕送りをすると決めていたという理由で毎月の仕送りを続ける社会人も多いです。
 

何年で学費を返せることになるのか

　
実家暮らしを選ぶ新社会人の多くが抱える疑問の一つが、大学の学費をどの程度の期間で返せるのか、ということです。これは家庭ごとの事情や、大学時代に親からどれだけの支援を受けたかによって大きく異なります。
 
家庭ごとに「学費の返済」に対する考え方は異なるため、話し合っておくことが大切です。学費の全額、あるいは一部を返済するのか、または返済の必要がないのかをすり合わせておくことをおすすめします。
 
例えば、要返済額が400万円であった場合、毎月3万円返済すると、約11年4ヶ月で返済完了です。一方、1万円ずつ返済する場合、完済までに約33年4ヶ月かかってしまいます。ただし、年に数回ボーナスが支給される場合、そのボーナスの一部を返済に充てることで返済期間を大きく短縮可能です。
 
食費や住居費、光熱費などの生活費や、将来のライフイベントでの支出も考慮する必要があるため、自身の収入や生活費とのバランスを取りながら、無理のない返済計画を立てましょう。
 

親に学費を返済するのは長い道のり！ ボーナスには多めに返済するのがポイント

　
私立大学を卒業して経済的な事情から実家暮らしを選択する場合、返済期間は長いです。400万円の学費を毎月3万円で返済すると、約11年4ヶ月かかってしまいます。ボーナスが支給される際には、その一部を返済に充てることで、返済期間を短縮可能です。
 
学費のうちどの程度の返済が必要なのかは、家庭の事情により異なります。返済が必要な場合は、毎月少しずつ積み重ねて計画的に返済していきましょう。
 

出典

文部科学省 私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
文部科学省 令和３年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額（定員１人当たり）の調査結果について
総務省 家計調査報告（家計収支編）2022年（令和４年）平均結果の概要
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー