「富裕層」の年金受給額はどのくらい?気になる「平均」と「最高額」
ファイナンシャルフィールド / 2023年10月15日 3時10分
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富裕層と呼ばれる方たちは、どれくらいの年金を受け取っているのでしょうか。今回は、富裕層の平均年金受給額や受給可能な最高額について調べました。富裕層でも起こり得る老後破産の対策についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
富裕層の定義とは
野村総合研究所の調査によると、2021年の日本の富裕層は2005年以降最多の139.5万世帯とのことです。この調査では、富裕層を純金融資産保有額をもとに分類しています。
純金融資産保有額とは、預貯金・株式・生命保険などの金融資産の合計から、不動産購入に伴う借り入れなどの負債を差し引いたものです。富裕層は純金融資産保有額が1億円以上の世帯のことで、5億円を超えると超富裕層に分類されるとのことです。
富裕層の年収は、一般的に年収2000万円とする場合が多いようですが、一方で年収1000万円以上でも十分に富裕層であると考える方もいます。
富裕層の定義は人によって異なりますが、純金融資産保有額をもとに考えてみると1億円以上の世帯が富裕層と呼ばれるのかもしれません。
富裕層に当てはまる人たちの平均年金受給額は? 全体の平均と比較してみた
全体の、年金の平均受給額を調べたところ、厚生年金受給者の平均年金受給額は、令和3年度末で14万5665円でした。また国民年金受給者の平均年金月額は5万6479円で、厚生年金と国民年金を合計すると20万2144円になります。
実際にもらえる年金額は、加入している年金の種類や収入によって異なります。
富裕層の平均手取り年収を1000万円(月の手取り83万3000円)として計算してみると以下の通りです。
※国民年金と厚生年金は20歳~60歳まで40年間加入したと仮定し、2003年3月以降および繰下げ受給などは考慮せずに計算
●国民年金 年間79万5000円(6万6250円/月)
●厚生年金 年間219万1523円(18万2626円/月)
●合計年間298万6523円(24万8876円/月)
上記の計算では、年収1000万円の富裕層でも、全体の平均年金受給額とそれほど大きな差がないことが分かります。なお上記の金額はあくまで目安であり、実際は加入時期・期間などさまざまな要因によって受給額は異なります。
富裕層が受給できる年金の最高額は?
年金受給額はさまざまな要因によって異なるため、計算が複雑になります。ここでは、富裕層が受給できる年金の理論上の最高額を計算してみます。
厚生年金の標準報酬月額の上限は65万円です。また標準賞与額も支給1回の上限が150万円、年3回までがカウントされるため、年間の上限である450万円を12で割ると37万5000円になります。これを合わせると、月額102万5000円になる計算です。
国民年金は20~60歳まで、厚生年金は中学卒業後から上限の70歳まで54年間加入したとします。2003年3月以降に加入し、繰下げ受給などは考慮せずに計算すると、理論上の年金の最高額は以下の通りです。
●国民年金 年間79万5000円(6万6250円/月)
●厚生年金 年間約364万480円(約30万3000円/月)
●合計年間約443万5480円(約36万9000円)
これはあくまでも理論上の最高額で、年収1230万円を生涯継続するのは現実的ではありません。
富裕層でもなり得る老後破産の対策
富裕層ならば年金がたくさんもらえるため、老後も安定した生活が送れるというイメージをお持ちの方もいるでしょう。しかし定年前の収入や定年後の年金額にかかわらず、誰もが老後破産に陥る可能性があるといわれています。
老後破産の対策として、以下の2つのポイントが挙げられます。
・収入と支出のバランスを見直す
定年後に仕事を続けない限りは、年金が主な収入となり、自由に使えるお金が大幅に減少します。定年後の退職金や年金額を確認して、必要な老後資金をためておく必要があります。
定年後に収入が大幅に減ってしまう場合は、老後に定年前と同じレベルの生活を送れるわけではないことも理解しておきましょう。貯蓄を取り崩しながら生活をすることがないよう、無理のない生活レベルを保つことも大切です。
・老後の働き方を計画する
定年後も、元気であれば仕事を続けて一定の収入を得ることも検討できます。ただし、高齢になるほどできる仕事は限られてしまいます。
定年後にやってみたい仕事を今から見つけておき、必要なスキルや資格を身に付けるのもよいでしょう。無理のない範囲でできるだけ長く働くなら、年金だけに頼らない余裕のある生活が期待できます。
人生100年時代! 老後の資金計画はお早めに
人生100年時代と呼ばれる昨今、定年後の生き方や老後の資金計画をしっかりと考えておくことは重要です。
高齢になると、医療費や介護費などの出費がかさむことも考えられます。将来もらえる年金額など、老後の収入を計算して充実した生活が送れるかイメージしておくとよいです。
今からでも、収入を増やすことや支出を減らすこと、資産を活用するなど収支改善を行い、将来に備えましょう。
出典
野村総合研究所 野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計
厚生労働省年金局 令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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