天皇皇后両陛下も観戦!「天皇賞」の驚くべき売上や競馬のお金にまつわる仕組みを解説
ファイナンシャルフィールド / 2023年11月16日 10時0分
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2023年10月29日、天皇賞(秋)が開催されました。今大会は競馬レースの中でも名だたる優秀馬が参戦するG1レースの代表格で、日本ダービーや有馬記念などと同じく毎回大きな話題を呼んでいます。天皇皇后両陛下が競馬場で観戦することや、莫大な売上と賞金があることでも有名です。 本記事ではその天皇賞の売上や支出、さらにはどのようなビジネスモデルなのか、お金の仕組みについて解説します。
天皇賞の売上はどれくらい?
天皇賞とは国内トップクラスのG1レースであり、「天皇賞(春)」と「天皇賞(秋)」で年2回開催されます。1937年(昭和12年)に第1回が開催された、非常に長い歴史と伝統を誇る人気レースです。
天皇賞で優勝すると皇室より盾が贈られ、さらに賞金が贈呈されます。優勝賞金はG1レースの中でもジャパンカップや有馬記念、そして日本ダービーに次いで高額になっており、今回優勝したイクイノックス陣営には2億2000万円が贈られました。
知名度抜群の天皇賞は、毎年の売上も相当なものになっています。今年の「天皇賞(秋)」の売上は234億4578万2800円で、前年の同大会より増加しました。増加した要因としては、優勝馬のイクイノックスとダービー馬のドウデュースの対決が実現することから注目を集めたことなどが考えられます。
今年の売上は日本ダービーが283億8674万5400円、宝塚記念が273億6318万4100円を記録するなど、今年も競馬界では大金が動いたことが分かります。
意外と知らない競馬の売上の仕組み
多くの人の心をつかむだけでなく、財布のひもを大胆に緩ませることもある競馬は、一体どんな仕組みで運営されているのでしょうか。競馬の主な収入源やビジネスモデル、お金の仕組みなどについて紹介します。
競馬の主な収入と支出
競馬の収入はやはり馬券の売上です。例えばJRA(日本中央競馬会)の馬券売上は、天皇賞や日本ダービーなどの実績からも分かるように非常に高額で、世界のギャンブルレースと比較してもトップクラスの規模感になっています。G1以外の地方競馬なども収入は馬券であり、中央地方問わずたくさんのユーザーに支えられているのです。
また、競馬の支出は多岐にわたるのですが、例えば本記事でも触れた賞金も支出の1つです。現在、天皇賞のほか有馬記念や宝塚記念などで勝っているイクイノックスは、これまでの総獲得賞金が17億1158万2100円にまで上っています。1頭の馬だけに十数億の賞金が出ていることから、競馬の運営において賞金は大きな支出となっていることが分かります。
さらには、施設運営費も代表的な支出です。通称「トレセン」と呼ばれる競走馬用のトレーニングセンターや競馬場、競馬学校、そして競馬投票券発売所などの運営にも大きなお金が必要になります。
競馬の確固たるビジネスモデル
莫大なお金が動くことも多い競馬では、その長い歴史の中で確固たるビジネスモデルができあがっています。JRAなどの競馬の主催者の利益は、基本的に「売上-払戻金」で算出されます。
払戻金とは優勝馬やレース内の順位などを当てたユーザー(的中者)に戻すお金を指します。その払戻金をレースごとに計算の後にユーザーへ分配し、残ったお金が主催者の最終的な利益になるのです。
大手であるJRAでは、売上のおよそ75%が払戻金として分配される仕組みとなっています。そして、国庫納付金として10%差し引き、最終的に残った約15%が主催者であるJRAの利益になるのです。
全体の15%しか利益にならないと思いがちですが、莫大なお金が動いている競馬界なので、どれだけ払戻金が多くても、莫大な最終利益が生まれているのは想像に難くありません。
今年は天皇賞や宝塚記念、秋華賞といったG1レースが例年以上の大きな利益を出しましたが、マイナーな地方競馬では年々売上が減少しているところもあります。
なかには存続の危機に陥っている競馬団体もあり、競馬ビジネスが安定して儲かるのか否かは、その経営陣の手腕にかかっているのです。現在、苦境に立っている団体は、例えば近年の潮流となっているネット競馬に対応していくなどの施策が必要になってくるでしょう。
競馬界では大金が動き続けている
本記事では競馬の売上やビジネスモデルなどについて解説しました。競馬ではG1レースをはじめ、大金が動いていることが分かりました。もし、競馬に興味があるのでしたら、G1や地方競馬の馬券を買ってみてはいかがでしょうか。
出典
JRA 第168回 天皇賞(秋)
執筆者:タリトネ
FP2級(AFP)
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