農業人口の減少に歯止めを!農業を始めたい人を応援する様々な支援策は?
ファイナンシャルフィールド / 2018年9月16日 0時30分
![農業人口の減少に歯止めを!農業を始めたい人を応援する様々な支援策は?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_24767_0-small.jpg)
夏の甲子園での金足農業高校(秋田)の躍進(農業を志す若者の活躍)は衰退産業とされる農業に携わる多くの方に元気を与えたのではないでしょうか。 農林水産省によれば、2,000年に389万1千人だった農業就業人口は昨年には181万6千人となり、農業人口の減少が著しく、高齢化などにより衰退の一途をたどっています。 しかし、農業離れの一方で、あえて農業に取り組む人たちもいます。農林水産省では、農業を始めたい人を応援する様々な支援をしています。いくつか紹介します。
農業を学ぶには
道府県立の農業大学校や民間の農業教育機関などで農業を学ぶことができます。高卒程度の学力があり、入学時点で40歳未満の方などが対象です。
道府県立の農業大学校は学費等が安いのが魅力です。例えば、北海道立農業大学校(2年)畜産経営学科・畑作園芸経営学科の授業料は年間約16万円、教材費諸経費、資格取得費は1年生20万円程度・2年生50~60万円程度(海外農業視察研修費用を含む)です。
寮費は月額2,070円~2,690円、光熱水道費実費、食費は年間33万円程度です。道外の方でも入学できます。農業の基礎的な科目から履修できるようになっていますので、農業高校出身でなくても授業についていくことは可能です。
一般社団法人アグリフューチャージャパンが運営する日本農業経営大学校(2年)は、卒業後、独立就農、自家を含めた農業経営体に就農又は雇用就農し、農業に従事することが確実と見込まれる者で、未来を切り拓く農業経営を志す者が対象です。
入学時までに一定期間の農業従事、農業研修経験が必要です。授業料は年間60万円、寮費(朝・夕食含む)は年間100万円、その他実習費用がかかります。
就農準備の支援
道府県立の大学校や都道府県が指定する先進農業・先進農業法人等で研修を受ける人で一定の要件を満たす方には「農業次世代人材投資資金(準備型)」が交付されます。
次世代を担う農業者となることを志向する者に対し、就農前の研修を後押しする趣旨で、年間150万円、最長2年間交付されます。
ただし、研修終了後1年以内に就農しなかった場合などは交付を受けた資金は返還しなければなりません。なお、専修学校に位置付けられている大学校では、日本学生支援機構の奨学制度を利用できます。
就農開始の支援
新たに農業経営を営もうとする青年等で、市町村から自らの農業経営の目標などを記した「青年等就農計画」の認定を受けた人(認定新規就農者)には5つのメリットがあります。
1.「農業次世代人材投資資金(経営開始型)」の交付
2.青年等就農資金(無利子)の借入れ
3.経営体育成支援事業の補助
4.農業経営基盤強化準備金制度の利用
5.経営所得安定対策への加入
上記のうち主なものを見てみましょう。
●「農業次世代人材投資資金(経営開始型)」の交付
農業を始めてから経営が安定するまでの方で、一定の要件を満たした方は、年間最大150万円、最長5年間、資金が交付されます。
ただし、適切な営農活動を行っていない場合や交付終了後、交付期間と同期間の営農を継続しない場合は交付された資金を返還しなければなりません。
●青年等就農資金(無利子)の借入れ
認定新規就農者は、施設や機械等の取得(農地等の取得は除く)に必要な資金を日本政策金融公庫から無利子で借りることが可能です。
借入限度額は3,700万円(特認限度額1億円)、据置期間5年以内、償還期間12年以内、実質無担保。無保証人です。
保険への加入で経営リスクに備える
自然災害や価格低下など農業経営のリスクに備えて「収入保険」や「農業共済」に加入できます。農業共済は、自然災害による収量減少が補償の対象です。
価格の低下や為替変動による収入減少は対象外です。また、対象品目も主な作物に限定されています。
収入保険(平成31年1月スタート)は、ほぼ全ての品目が対象で、自然災害だけではなく、価格の低下や為替変動による収入減少も補償の対象です。
具体的には過去5年間の平均収入が1,000万円の農業者が、補償限度90%(保険80%+積立10%)、支払率90%を選択した場合、農業者が用意すべきお金は、加入1年目の保険料(掛け捨て)3.6万円と積立金(掛け捨てではない)22.5万円と事務費2.2万円の合計32.5万円となります。
万一の場合の補てん金額は収入減少の程度に応じて810万円~890万円になります。
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
いちご農家の独立へ、1年間バックアップ! 日本農業とおさぜん農園が新規就農者向け支援共同プロジェクト「フレッシュベリープロジェクト」開始
PR TIMES / 2024年6月11日 13時45分
-
息子1人を「小中高大の学費0」で育てたという家庭の話を聞きました。そんなことができるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月10日 11時30分
-
大型バイクの免許を取得しました!任意保険にも加入するべき?自賠責保険のみでの運転は危険?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月10日 8時50分
-
「またこんなに引かれてる…」給与明細を見てションボリ。手取りを増やすために知っておきたい「所得税」と「控除」の基礎知識【税理士が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月7日 11時15分
-
51歳パート、住宅ローン残高は約2500万円。完済は夫80歳時です
オールアバウト / 2024年6月6日 22時20分
ランキング
-
1ソニー宮城拠点、250人削減=ブルーレイ、生産縮小
時事通信 / 2024年6月29日 15時49分
-
2「クレカタッチ」は交通系ICカードを駆逐するのか 熊本で「全国相互利用」離脱、一方で逆の動きも
東洋経済オンライン / 2024年6月29日 7時30分
-
3「押しボタン式信号」なぜ“押してすぐ青”にならないケースが? 納得の理由があった!
乗りものニュース / 2024年6月29日 16時42分
-
4作文は「理系だと苦手」「文系が得意」という大誤解 算数が得意な子は大概「作文もうまい」納得理由
東洋経済オンライン / 2024年6月29日 10時0分
-
5池袋西武とヨドバシ「売り場折半」の波紋と懐事情 北側にヨドバシ出店、西武の集客力に影響は?
東洋経済オンライン / 2024年6月29日 10時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)