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【FP解説】自動車保険のフリート契約ってなに?

ファイナンシャルフィールド / 2023年11月22日 7時0分

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任意の自動車保険(=以下、本稿では自動車保険と称します)を契約中の方のなかには、毎年自動車保険の更新の時期に、更新後の保険料が気になるという方もいらっしゃると思います。   自動車保険は契約開始から1年間、原則として無事故の場合、翌年の保険料が安くなることがあります。逆に、契約開始から1年間に事故を起こすと、翌年の保険料が上がってしまうことがあります。つまり、事故の有無によって、翌年の保険料が上下するということです。   事故の有無が翌年の自動車保険の保険料に影響する仕組みには、「ノンフリート契約」と「フリート契約」の2種類があることをご存じですか?   本稿では主に「フリート契約」について見ていきます。なお、本稿で「事故」とは、自動車保険の保険金が支払われた事故を意味するものとします。

ノンフリート契約

自動車保険のノンフリート契約とは、保有している車の数が9台以下の契約です。つまり、仕事や趣味以外の目的で車を保有している個人の方は、ノンフリート契約だと思われます。
 
ノンフリート契約の場合、事故による保険料の上下(=割増引率)は、あらかじめ等級ごとに決まっていて、等級ごとの割増引率は自動車保険のパンフレットやホームページ等で確認できます。事故が1件でもあれば、翌年はノンフリート等級が下がり、それによって翌年の保険料は上がります。
 
なお、保険料の割増引率には実際に支払われた保険金の額は影響しません。ノンフリート等級は事故の「有無」と事故の「件数」で決まるのです。
 
また、ノンフリート契約において、1人の契約者が複数台の車を保有している場合、各車ごとの事故の有無と件数で、それぞれの翌年の保険料が決まります。
 

フリート契約

自動車保険には、「フリート契約」という契約もあります。
 
そもそもフリートとは「船団」や「艦隊」を意味します。艦隊や船団という言葉からイメージできるのは「多くの船」でしょうか? フリート契約とは、同一の契約者で保有している車の数が10台以上の場合です。
 
なお、自動車保険の契約者が会社(法人)と会社の社長(個人)の場合、別々の契約者とされます。つまり、会社名義で保険契約をしている車が9台、会社の社長名義で契約している車が1台の場合、合わせて10台でフリート契約を結ぶことにはなりません。
 
一般の方がフリート契約という言葉を見聞きする機会が少ないのは、車を10台以上保有している方が少ないからでしょう。
 

フリート契約の特徴

ノンフリート契約が「各車ごとの事故の有無と件数で、それぞれの翌年の保険料が決まる」のに対し、フリート契約は「保険を契約している自動車全体について、契約者が支払った保険料と保険会社が支払った保険金との割合(損害率)により保険料割引・割増が決定」します。
 
例えば、A会社が10台の車を保有していたとします。そのうちの1台だけが事故を起こし、残りの9台が無事故であったとしても、翌年の保険料の割増引の計算の際には、その1台の起こした事故が残りの9台の保険料に影響をおよぼすのです。
 
またフリート契約には、ノンフリート契約のような等級は存在しません。契約者が支払った保険料と保険会社が支払った保険金との割合(損害率)により、翌年の保険料の割増引率が決定されます(ただし、上限と下限がある)。
 
10台の車を保有するA社で、ある年10台すべてが10万円ずつ保険金を支払う事故を1件ずつ起こした場合、支払った保険金の総額は1件×10万円×10台=100万円となります。この支払った保険金の総額100万円を基に、翌年の保険料の割増引率を計算していきます。
 
また、同じく10台の車を保有するB社で、ある年1台のみが死亡事故を起こし1億円の保険金を支払い、他の9台は無事故だったとします。このような場合、支払った保険金1億円を基に、翌年の保険料の割増引率を計算することになるのです。
 

フリート契約、その他の特徴

フリート契約には、他にも以下のような特徴があります。
 
フリート契約においては、契約の内容が同じノンフリート契約者と比較して、保険料が割安になります。例えば10台の車を保有している会社が、1台追加し、合計11台を保有するケースで、フリート料率適用日以降に増車した場合など、新たに契約した自動車にも、他の自動車と同じ割増引率が適用されます。ノンフリート契約とは異なり、保険料は運転者の年齢に関係なく同一になっています。
 
今回は、個人のドライバーが見聞きすることが少ない、自動車保険のフリート契約について解説しました。車を10台以上保有する運送業などを営む方は、しっかり理解しておきましょう。
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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