大人は遺言書の作成する方法を知らない? 知っておきたい遺言書の作成方法

ファイナンシャルフィールド / 2018年9月21日 3時30分

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年齢を重ねると、自分が万一死んだことを考え、自分の財産を誰に、どれだけ譲るかが気になってきます。遺言書というと、法律に基づいて作成しないと無効になることから、今までは、法律の専門家である公証人にお願いして、数万円のお金を払って作成することもあったと思います。   先の通常国会で、本人が自分で書く形式の「自筆証書」の作成と保管をしやすくする法案が成立しました。「自筆証書」は、作成費用がかからないので、手軽に書けますが、作成する場合の留意点と法案の主な変更点について紹介します。  

遺言書を作成する3つの方法

まず、遺言書の3つの方法について確認してみます。
■公正証書
公証人が作成する公文書で、公証役場で作成します。偽造ではないとか認知症だったとか、強制的に書かされたかといった疑いをかけられない遺言形式となります。公証人のほか2人が立ち合い、本人が遺言内容を理解しているか確認し、原本は公証役場に保管されるので、紛失の心配もありません。確実に有効な遺言書を残したいときや相続財産の金額が大きいときに主に利用されています。費用は、数万円になりますが、遺言書に書く財産などに比例しますので、公証役場等に確認しましょう。
■秘密証書
遺言書を作成後、署名捺印し、封筒に入れて、印鑑で封印し、公証役場に持ち込むのが大まかな流れです。公正証書遺言とは違って、遺言内容は公証人に知られずに作成できます。したがって、亡くなるまでは秘密にしておきたい、誰にも知られたくない場合には利用価値はあります。費用は、相続財産の金額にかかわらず、1万1000円の定額ですが、形式や内容の不備で無効となったり、亡くなったあとに家庭裁判所での検認手続きが必要になるなど、デメリットもあります。
■自筆証書
紙、ペンと印鑑を使って、自分で紙に書き記す遺言書です。誰でも気軽に作成が可能で費用もかかりません。ただし、書き間違えや遺言内容が曖昧で遺言書として無効になってしまうこともあります。次に書くときの留意点について確認しましょう、合わせて、先の国会で成立した法案について紹介します。
 

無料の遺言書(自筆証書)を書くときの留意点と法案の主要変更点

■自筆証書作成時の留意点
遺言書として無効にならないように、下記留意点に注意しましょう。
(1)全文自分で書く。
(2)日付を自分で書く。年月のみで日付のない場合や〇年〇月吉日など特定できない日付などは無効になります。
(3)氏名を自分で書く。
(4)印鑑を押す。三文判でもいいですが、実印などきちんとした印鑑の方が良いでしょう。
(5)加除その他の変更は、遺言者がその場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければならない(民法968条2項)とありますので、訂正する場合は、訂正印を押し、欄外に訂正の内容や加えた文字、削除した文字などを明記する必要があります。
■民法の主な変更点
先の国会で、「自筆証書」の作成と保管をしやすくする法案が成立しましたが、法律が実際に施行されるには、少し時間がかかりますので、施行される日を注視しながら、遺言書を書くようにしましょう。
(1)2019年1月13日から自筆証書遺言の方式緩和が施行されます。これにより具体的な不動産や預貯金などを記載する財産目録の部分はパソコン書きや代筆が認められます。今までは、すべて自分で手書きをする必要がありましたが、効率的になります。ただし、自筆でない場合は目録の全ページに署名と押印をしなければなりませんが、従来の手書きよりも手間が省けます。
(2)2020年7月13日までに、法務局における自筆証書遺言の保管制度が施行される予定です。本人が自筆証書を法務局に持参すると、日付や署名、押印といった要件をチェックしたうえで保管してもらえるようになります。自宅で保管していた場合に、紛失したり、誰かに書き換えられたりするリスクがなくなります。
また、自筆証書を法務局で保管している場合は、検認制度が不要になります。今までは相続人全員が立ち会いのもと、家庭裁判所で検認という手続きが必要でした。これにより、遺言執行の手続きが容易になり、速やかに執行をすることができるようになります。
ただし、法務局に保管等をお願いする場合には、手数料がかかることが法律で定められていますので、詳細は法務局に確認する必要があります。
Text:堀江佳久(ほりえ よしひさ)
ファイナンシャル・プランナー/中小企業診断士。

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