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51歳、住宅ローンは完済しましたが、貯蓄が「800万円」しかありません。このままでは「老後破産」してしまうでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2023年12月3日 2時20分

51歳、住宅ローンは完済しましたが、貯蓄が「800万円」しかありません。このままでは「老後破産」してしまうでしょうか?

「住宅ローンを完済したものの貯金額が800万円しかない」「この金額で老後の生活は大丈夫?」などの疑問を抱いている人はいませんか。年金制度への不安から、老後資金が足りないと感じている人も少なくありません。   そこで、今回は老後資金で悩んでいる人向けに、厚生年金の平均受給額と65歳以上単身世帯の平均支出をもとに老後の生活の見通しを解説します。あわせて、老後破産を避ける方法も確認していきましょう。

厚生年金の平均受給額と65歳以上単身世帯の平均支出額

老後の生活を見通すために、まずは厚生年金の平均受給額と65歳以上単身世帯の平均支出額を確認します。
 

・年金の平均受給額

厚生労働省が発表している「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和3年度末における厚生年金保険第一号被保険者の老齢給付の平均年金月額は老齢基礎年金の額を含めて14万5665円です。
なお、厚生労働省が運営する「いっしょに検証!公的年金~年金の仕組みと将来~」に記載されている令和5年度のモデル年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は22万4482円となっています。モデル年金は、厚生年金に加入して平均的な男子賃金で40年間就業した男性と40年にわたり専業主婦であった夫婦の世帯を想定しています。
 

・65歳以上世帯の平均支出額

総務省統計局が発表している「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の消費支出は14万3139円です。また、65歳以上の夫婦のみ無職世帯(夫婦高齢無職世帯)の消費支出は23万6696円となっています。
 

老後の生活の収支

以上をまとめると、65歳以上の単身世帯における厚生年金の平均受給額は14万5665円、支出額は14万3139円です。1ヶ月あたり2526円のプラスになります。また、上述したように65歳以上夫婦世帯におけるモデル年金は22万4482円、支出額は23万6696円でした。つまり、1ヶ月あたり1万2214円のマイナスになります。このことから、以下のようなことが見通せます。

●単身世帯:貯金を減らさず生活していける可能性がある
●夫婦世帯:大幅な赤字になることはないものの貯金を切り崩して生活していく必要がある

ただし、実際の生活では想定外の支出が発生することもあり、貯金額が800万円だと、やや心細いと思われます。
 

老後破産を避ける方法

次に、老後破産を避ける方法を2つ紹介します。
 

・できるだけ長く働く

厚生年金の加入期間を延ばすと年金受給額を増やせます。2023年時点で厚生年金は、70歳まで加入できるため、老後破産が心配な人は退職後も厚生年金適用事業所で働くとよいでしょう。
ただし、厚生年金に加入しつつ老齢厚生年金を受け取る場合、年金額と給与・賞与の額によっては、年金の一部または全部が支給停止になります(在職老齢年金)。そのため、年金制度を十分に理解したうえで働き方を考えることが大切です。
 

・年金の繰下げ受給を選択する

老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰下げ受給を選択することで、1ヶ月あたりの受給額を増やすことができます。繰下げ受給とは、原則65歳から受給できる年金の受給年齢を66~75歳に繰り下げることで、年金受給額を増額することができる制度です。
増額率は繰り下げた月数ごとに0.7%で、請求時の年齢によって増加します。例えば、70歳0ヶ月時の増額率は42.0%、75歳0ヶ月時の増額率は84.0%です。年金額が14万5665円で増額率が42.0%であれば、1ヶ月あたりの受給額はや20万6844円になります。なお、老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰り下げて受給することが可能です。
 

対策を考えて老後破産を防ぐ

住宅ローンを完済している場合、単身世帯・夫婦世帯とも、平均的な年金受給額であれば大きなマイナスを出さずに老後の生活を送れる可能性はあります。ただし、ライフスタイルや老後のイベントなどによっては大きなマイナスが出る可能性もあります。貯金額が少ない場合は、万が一に備えて老後破産を防ぐ対策を考えておくことが大切です。そのために、「厚生年金の加入期間を延ばす」「年金の繰下げ受給を選択する」などを検討してみてはいかがでしょうか。
 

出典

厚生労働省 令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
総務省統計局 家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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