働き方によってその必要性も異なる! 働けなくなった場合に備えるための保険
ファイナンシャルフィールド / 2023年12月4日 4時20分
![働き方によってその必要性も異なる! 働けなくなった場合に備えるための保険](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_251810_0-small.jpg)
病気やけがなどを理由として働けない状態となった場合、通常はその間の収入が減少する、あるいは無収入となってしまうこともあり得ます。備えの1つとしては、所得補償保険や就業不能保険といった民間の保険への加入があります。 この記事では、働き方によって異なる公的保障の内容や、民間の保険加入の必要性などについて確認してみたいと思います。
働けない状態とは?
働けない状態(就業不能状態)とは、以下のような状態を指します。
(1)病気やけがの治療を理由として入院している状態
(2)医師からの指示で在宅療養している状態
(3)障害等級一級または二級に認定された状態
なお、就業不能による保険の適用は、保険会社や商品ごとにその条件が異なるので、別途確認が必要となります。
働き方による公的保障の違い
会社員や公務員などの方が働けない状態となった場合、一定期間の収入の減少をサポートする公的保障制度があります。その主なものは以下の2つです。
(1)労災保険による休業補償等給付
労働者が業務上や通勤途上におけるけが・病気の療養のため、働けなくなり、賃金を受け取れない場合、休業した4日目から労災保険による休業補償等給付が支給されます。
休業日数に対して支給される金額は、労働基準法の平均賃金相当額(給付基礎日額)を基に、休業補償等給付として給付基礎日額の60%、休業特別支給金として20%の計80%となります。また、休業補償給付は働けない状態が続けば、原則、支給を打ち切られることはありません。
ただし、療養開始から1年6ヶ月を経過しても治癒せず、その症状が傷病等級第1級~第3級に該当する場合は、休業補償等給付から傷病補償等年金の支給に切り替わる場合があります。支給の判断は労働基準監督署長が行うため、本人が請求の手続きを行う必要はありません。
(2)健康保険による傷病手当金
健康保険の被保険者が、けがや病気の療養を理由に3日連続して休業したあと、4日目以降の休業について給料の支払いがない場合、通算1年6ヶ月間、健康保険の傷病手当金が支給されます。
1日当たりの傷病手当金の額は、支給開始日以前12ヶ月間の標準報酬月額の平均額を30日で除した額を基に、その3分の2となります。
また、傷病手当金の支給期間(1年6ヶ月)の終了後、けがや病気が治癒せず、障害等級など一定の要件に該当する場合には、障害基礎年金・障害厚生年金の受給対象となることがあります。
上記2つのサポートは、会社員や公務員を対象とするもので、自営業者やフリーランスなどの個人事業主はほぼ対象となりません。自営業者などの方は働けない状態になることで、いきなり無収入となってしまう場合もあります。
個人事業主などで必要性が高い保険
公的なサポートが手薄となる自営業者や個人事業は、万が一の収入減少に備えて、会社員などよりも保険に加入する必要性が高いといえるでしょう。病気やけがで仕事ができなくなったときに備えた保険には、主に以下の商品があります。
(1)所得補償保険
主に損害保険会社で取り扱われています。一般的な保険期間は1年や5年で、更新の際に保険料が高くなる傾向があり、比較的短期の補償を目的とする商品となっています。
保険金額は日額または月額で設定され、加入している公的医療保険(健康保険または国民健康保険)によって上限額が変わります(おおむね直近の所得の50%~80%以下で設定)。
(2)就業不能保険
主に生命保険会社で取り扱われています。一般的な保険期間は「60歳満了」など、一定年齢までを保障します。加入時の年齢により保険料が設定されますが、基本的には保険期間の保険料は変わりません。保険金額は保険会社ごとに異なり、月額10万円~50万円の範囲など、年収に応じた上限によって設定します。
就業不能保険は比較的長期の保障を目的とする商品で、免責期間が「60日間」や「180日間」など長期に設定されていることが特徴です。
その他にも「収入保障保険」という商品がありますが、こちらは生命保険として被保険者が死亡または高度障害となったときに、その遺族に対して収入を保障するための保険となっています。
まとめ
会社員や公務員などの方は、万が一、働けなくなった場合でも比較的手厚いサポートを受けられる公的な保障制度があるため、一定期間は収入の減少に対する補てんが可能となります。
ただし、入院費や治療費などが増大するケースや、入院・療養期間が長期化する場合には、医療保険なども含めた保険による備えを検討することも有効な手段の1つといえるでしょう。
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
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