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配偶者が厚生年金に加入しているから安心?厚生年金加入のパート適用要件緩和に伴うメリットってあるの?

ファイナンシャルフィールド / 2018年10月4日 3時0分

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現在のパート労働者の厚生年金適用対象の要件 ■ 従業員501人以上の企業 ■ 労働時間が週20時間以上 ■ 賃金が月額8.8万円以上(年収約106万円以上) ■ 雇用期間が1年以上の見込み ■ 学生ではない ↓ 2020年に国会提出予定の法案 ■ 従業員数の要件の引き下げまたは撤廃 ■ 賃金の月額下限6.8万円まで引き下げ(年収約81.6万円以上)   この法案が提出されれば、パートの方がさらに厚生年金へ加入しやすくなります。   しかし、配偶者が厚生年金に加入しており、その扶養に入っているパートの方が厚生年金に加入する必要はあるのでしょうか?   パート労働者の厚生年金加入のメリットを紹介します。

主婦の方の年金

会社員・公務員の夫の扶養になっている主婦の方を例にします。この場合、夫の厚生年金基金が妻の国民年金保険料を代わりに払ってくれています(厚生年金加入者全体で負担)。
ここでのポイントは、夫が妻の厚生年金(国民年金に上乗せされて給付される年金)を負担しているのではなく、基礎部分の国民年金のみを負担しているという点です。
ですから、夫は厚生年金を受け取れますが、妻は基礎部分の国民年金しか受け取れないということです。
妻に130万円以上の収入がある場合、配偶者の厚生年金から外れて国民年金保険料を別途支払う必要が出てきます。
妻のパート先が厚生年金を導入していない場合は、130万円以上働くことによって、配偶者の厚生年金の扶養で支払う必要がなかった国民年金保険料の負担が増えます。
厚生年金の制度がある会社であれば、厚生年金に加入することで基礎年金部分に上乗せして年金が給付されます。そのため、106万円以上働いて、厚生年金保険料の負担があってもメリットがあります。
パートの毎月の手取りは減ってしまいますが、将来受け取れる年金は増え、保険料18.3%は会社も折半で負担してくれます。パート先に、パート労働者が厚生年金に加入できる制度があれば、ぜひ利用したいところです。

規模が大きい会社じゃないと加入できない?

現在の制度では従業員が501人以上のような規模の大きい会社が加入対象ですが、500人以下の会社でも会社と労働者が合意すれば加入できます。
また、2020年に国会提出予定の法案では、従業員数の要件と賃金の下限要件も引き下げまたは撤廃されるため、さらに加入しやすくなる可能性があります。

厚生年金加入のススメ

先述のとおり、夫が厚生年金に加入している場合、夫の厚生年金に妻の国民年金も含まれています。夫が厚生年金を支払っている間は、妻の国民年金は保障されています。

では、配偶者が厚生年金に加入していれば安心なのでしょうか?
■老後の1ヶ月の支出
60歳以上の世帯主が無職の夫婦の1ヶ月の支出平均は約24万円※1
■年金の平均受給月額(平成28年) ※2※3
1.夫婦(どちらか一方が厚生年金加入)19万9256円
2.夫婦ともに厚生年金29万5854円(1人の厚生年金平均受給月額×2で計算)
※2実際の年金額は保険料の支払実績により変わりますので、「ねんきん定期便」でご確認ください。
平均受給月額で考えると、夫婦ともに厚生年金に加入していれば十分豊かな生活が送れます。その一方、配偶者のみ厚生年金の場合は約4万円不足しており、貯金から取り崩していくことになります。

豊かな老後生活

豊かな老後生活を送るためにも、働いている会社がパートの厚生年金を導入したら、パートの方でも厚生年金に加入することを考えてみましょう!
※1
http://www.stat.go.jp/data/kakei/2017np/gaikyo/index.html
(参考) 総務省 家計調査年報(家計収支編)平成29年(2017年) 家計の概要
※3
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12500000-Nenkinkyoku/H28.pdf
(参考)厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業の概況 平成28年度
Text:大堀 貴子(おおほり たかこ)
CFP(R)認定者 第Ⅰ種証券外務員

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