遺贈とは遺言によって財産を譲り渡すこと 特定遺贈と包括遺贈の違いとは?知っておきたい3つの大きな違い

ファイナンシャルフィールド / 2018年10月4日 10時0分

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遺贈とは遺言によって財産を譲り渡すことをいいます。   遺贈は家族だけでなく、友人や知人など、本来であれば相続人となりえない関係の人にすることもできます。たとえば「全財産の4分の1を親友Kに包括して遺贈する」「土地は恩人のAに遺贈する」などといった記載が遺言の中にあれば、それはまさに遺贈です。   しかし、遺贈には「包括遺贈」と「特定遺贈」という2つの方法があります。「包括遺贈」と「特定遺贈」では、性質が異なるため、遺贈について理解するためにはその両者について知っておく必要があるのです。  

包括遺贈? 特定遺贈?

包括遺贈と特定遺贈の違いを学ぶ前に、まずは基礎知識として両者それぞれの概要について簡単に知っておきましょう。
「包括遺贈」とは、遺産全体の中から一定の割合を定めてする遺贈をいいます。冒頭の「全財産の4分の1を親友のKに包括して遺贈する」という遺言の内容はまさに包括遺贈となります。
包括遺贈を受けた人は包括受遺者と呼ばれ、相続人と同一の権利義務を有することとなります。(民法990条)
「特定遺贈」とは遺産の中でも特定の財産についてする遺贈をいいます。つまり、冒頭で例に出した「土地は恩人のAに遺贈する」という遺贈は特定遺贈にあたるということです。
 

両者の違い(1) 受け継ぐ財産の範囲

「特定遺贈」は家や土地、現金など特定の財産を対象とします。
そのため、受け継ぐ財産はその特定の財産(冒頭の例でいえば土地)のみとなり、基本的にはマイナスの財産まで引き受ける必要はありません。
それに対し「包括遺贈」は相続人と同一の権利と義務を持ちます。これはつまり、指定された割合にしたがい、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も引き継ぐということです。
例えば、冒頭の例でのKさんは、財産に中に借金があった場合、プラスの財産だけでなく4分の1の割合でそのマイナスの財産(負債など)も引き受けなければなりません。
 

違い(2) 放棄できる期間

「特定遺贈」は遺言者の死亡後いつでも遺贈を放棄することができます。(民法986条)
放棄の方法は特に定められていないため、遺贈義務者(遺贈の内容を実現させる人)に対して放棄の意思表示をするだけで完了します。
ところが「包括遺贈」を放棄するには、自分に遺贈のあったことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所にその旨を申述(しんじゅつ)しなければならないのです。(民法990条・民法915条)もし、3ヶ月以内に申述(しんじゅつ)しなかった場合、一定の例外に該当するときを除き遺贈を放棄することができなくなってしまいます。
 

違い(3) 遺産分割協議への参加

「特定遺贈」では具体的にどの財産を受け継ぐのか遺言によって決められています。
それに対し、「包括遺贈」では遺贈する財産の割合しか決まっていません。そのため、包括遺贈の受遺者は他の相続人たちの行う遺産分割協議に参加し、自分がどの財産を受け継ぐのかを決める必要があるのです
 

2つの遺贈の違いに注意

遺贈と一口にいっても、そこには「包括遺贈」と「特定遺贈」という2種類の遺贈があることをご説明しました。
「特定遺贈」は特定された財産のみを受け継ぐという比較的単純なものになるのですが、「包括遺贈」は相続人と同一の権利義務を有することとなり、両者はその性質を異にすることとなります。遺言者として遺贈をする場合も、受遺者として遺贈を受ける場合も、「包括遺贈」と「特定遺贈」の違いについては充分に理解しておきましょう。
Text:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士

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