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『え?自分の作品?』ネットで公開している作品を盗作されたら訴えるれる?難しい?

ファイナンシャルフィールド / 2018年10月6日 10時0分

『え?自分の作品?』ネットで公開している作品を盗作されたら訴えるれる?難しい?

自分の作ったものを誰かに真似されて、悔しい思いをした経験は誰にでもあるのではないでしょうか。   しかし、多くの場合「真似された!」といくらわめいても、偶然なのか、意図的に真似をしたのかは当事者にしか分からないものです。   今回は、ネットで自作のイラストを公開しているY美さんの例をみてみましょう。  

SNSで有名なイラストレーターの絵が、自分の絵にそっくり…

Y美さんは小さな頃から絵を描くのが好きでした。会社員になった今でも、暇さえあればイラスト作成に励んでいます。
1年ほど前、パソコンに詳しい友人から作り方を教えてもらい、イラストサイトを立ち上げました。今までこつこつ描きためていたイラストをアップすると、少しずつアクセスが増え、サイトを通してちょっとした絵の仕事を頼まれるまでに。
ある日、Y美さんがSNSを見ていた時のこと。自分が以前描いた絵にそっくりな絵を見つけました。人物の顔から服装、ポーズ、構図まで、全てが同じです。「これは偶然のレベルじゃない…」Y美さんは驚いて、その投稿者の他のイラストを見てみました。すると、自分がサイトにアップした絵にそっくりなものが何個も出てきたのです。
投稿者は長年、絵の仕事をしている人気のイラストレーターでした。
Y美さんは「盗作だ」と腹を立てました。もしこのことが知られれば、知名度の低いY美さんの方が「真似をした」と疑われる恐れもあります。これから少しずつ絵の仕事が増えればいいな…と考えているY美さんにとって、これは無視できない問題です。

*物語はフィクションです。
 

ネットに公開している作品を真似された場合、訴えることはできるのでしょうか。東京桜橋法律事務所の内藤弁護士にお伺いしました。

このような場合、訴えること自体は可能ですが、著作権侵害の立証は必ずしも容易ではありません。
著作権侵害が認められるためには、類似性と依拠性が必要です。例えば、イラストの盗作事案の場合、事案にもよりますが、本質的特徴を直接感じ取れるかどうかを見ていきます(類似性)。有名なキャラクターでなく、自分が作った特徴的なキャラクターであれば、要するにどれくらい似ているかです。
あとは、もとのイラストへアクセスできる環境にあったかなどをみます(依拠性)。インターネット上で公開されていたイラストであれば通常はアクセスできたという判断になると思われます。
現実的には、著作物の「似ている・似ていない」の問題はかなり判断が難しいケースが多いです。
なお、著作権、出版権、著作隣接権の侵害は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金、著作者人格権、実演家人格権の侵害などは、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金など、著作権侵害に当たる場合は重い罰則が科せられます。
 

ネットで作品を真似された場合、訴えること自体は可能だが立証することは難しい

ネットに公開している作品を真似された場合、訴えること自体は可能でも、著作権侵害を立証することは簡単ではないことが分かりました。
「オマージュ」という言葉があるように、イラストや小説、音楽などの創作物は、作者が誰かしらの影響を受けて作ることが多くあります。「似ている・似ていない」「真似・真似じゃない」の線引きが難しいのは当然のことかもしれません。
しかし、作った本人が「真似をした」と自覚しているのであれば、それは盗作なのではないでしょうか。「著作権侵害」が認められれば、その罰則は軽くありません。もし、立証されなかったとしても、真似をした作品で周りに評価されてもうれしいことはないでしょう。「何かを作りたい」と考えるのであれば、正々堂々、自分の力で勝負しましょう。
Text:FINANCIAL FIELD編集部

監修:内藤 悠作(ないとう ゆうさく)
弁護士/東京桜橋法律事務所
2009年弁護士登録。2016年にニューヨーク州のロースクールへ留学のため登録抹消するも、翌年復帰。

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