「つみたてNISAは良い、NISAはダメ」って言われたけれど・・・。本当?嘘?
ファイナンシャルフィールド / 2018年10月11日 2時30分
2018年1月からつみたてNISAが始まりました。金融庁の調べによりますと、平成30年1月から3月までの期間に開設されたつみたてNISAの口座数は約51万口座、一般NISAの約18万口座を大きく上回りました。 そんな中、「つみたてNISAは良いね。でも、NISAはダメだね!」という言葉を耳にしました。確かにつみたてNISAは人気がありますが、そう思われている方が多いのでしょうか。
つみたてNISAは、少額から税制優遇を受けて資産形成ができる
つみたてNISA(非課税累積投資契約に係る少額投資非課税制度)は、2018年から2037年までの制度で、毎月一定の金額で、公募株式投資信託や上場株式投資信託(ETF)を買い付けます。年間最大40万円、最長20年間、運用益非課税で運用できます。
つみたてNISAの商品は、投資の初心者でも安心して資産形成ができるよう、購入時の手数料はゼロ、信託報酬も低く、頻繁に分配が行われない等、金融庁が定めた基準を満たしたものです。
まとまった資金がなくては投資ができないと思われていますが、投資信託は少しの資金から投資をすることができます。分散投資できる投資信託をコツコツと積み立てて、時間を味方に付けて複利の力を利用することで、少額の資産から大きく資産形成ができるのです。
まとまった資金があると一度に買ってしまいがちですが、購入時期を分散させることによって、価格の変動に対応できます。毎月一定金額を購入していく(ドルコスト均等法)と、値段が下がったときには多くの投資信託が買えるのです。
平成30年8月20日時点で、投資信託155本、ETF3本です。従来の投資信託で要件を満たすのは42本だけでしたが、この8ヶ月でこれだけの商品が増えてきています。
NISAとつみたてNISA、何が違う?
一般NISA(少額投資非課税制度)とつみたてNISAは、どちらも運用益非課税で運用ができます。そして、どちらも商品を購入するごとに非課税枠が使われ、売却しても再利用はできませんし、未使用枠を来年に持ち越せません。
ところで、一般NISAは、2014年から2023年までの制度で、非課税投資枠は年120万円まで、非課税運用期間は最長5年間です。5年経過時に、次の年のNISA枠に資産を移す事ができます(ロールオーバー)。120万円の非課税枠ですが、非課税期間終了の年のロールオーバーの場合に限り、120万円を超える資産でも全額ロールオーバーができます。
一般NISAでは株式も買えます。年間で120万円までの上限なしであれば、どんな買い方でも良いのです。決められた商品を毎月同じ金額購入しなくてもいいのです。ちょっと今月は余裕があるというときに、少し余計に購入することもできます。
一方、つみたてNISAはロールオーバーができませんし、株式は購入できません。決まった商品、毎月決まった額を買い付ける購入方法に限られます。非課税枠も年間40万円です。
どちらが良いというわけでもない
一般NISAとつみたてNISAは、同じ年にはどちらか一つしか口座を持てませんが、年単位で変更はできます。金融機関も年単位で変えられます。
例えば、今年一般NISAで株の購入をした場合、今年はつみたてNISAはできません。しかし、来年はつみたてNISAにできます。そして、再来年にまた一般NISAにすることもできます。
その場合、買い付けた商品は買えるごとに売却する必要は無く、買い付けたときから非課税で運用できる最長期間までは、その金融機関においておくことができます。
しかし、一般NISAのロールオーバーする場合は注意が必要です。NISA資産の非課税期間5年が終了するときに、非課税期間が終了するNISA保有資産と同じ金融機関に、翌年分のNISA枠がないとロールオーバーできません。つみたてNISAに変更した、他の金融機関でNISAに変更した場合、放っておくと課税口座に移されます。
既にNISAで株式を保有している場合や、優待や配当目的で株式を保有する場合は、一般NISAが良いでしょう。一般NISAでも投資信託の買い付けができます。毎月一定額の買い付けでもできますし、余裕のある時には多めの買い付けもできます。
一方、投資をしたことが無い、これから資金を積み立てて資産形成をする場合、また、ある程度まとまったお金はあるけれど運用がわからない場合は、つみたてNISAで運用がいいでしょう。
自分に合った制度を利用すると良いかと思います。制度の詳細は、金融庁のHPをご覧ください。
Text:林 智慮(はやし ちりよ)
CFP(R)認定者
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