「あ~また増税か!」 来年10月開始予定の消費税引き上げ。 税率が8%のままになるものとは?知っておくべき注意点
ファイナンシャルフィールド / 2018年10月16日 22時30分
2019年10月から消費税率が10%に引き上げられる予定であることは、みなさん周知のことと思います。 「あ~また増税か!」これが一般消費者の切実な声でしょう! 時を同じくして、「軽減税率」が導入される予定です。これに対しては、一般消費者として「軽減」という言葉の響きに反応し、政府もまんざら国民のことを考えていないわけでもないと評価する方も多いでしょう。 しかし、「特定の品目は消費税率を8%のまま据え置く」というこの軽減税率には、消費者が知っておくべき注意点も少々あるようです。
軽減税率の対象品目は何?
軽減税率の対象品目には、低所得者層などへの配慮として「食料品」や「新聞」などがあげられています。
もう少し細かくみると、飲食料品の中でも「酒類」「外食」「ケータリング・出張料理等」は「対象品目から除く」とされています。
特に線引きが分かりづらいとされているのは、「外食」と「加工品」の違いです。現状では、外食に含まれるものの定義として「場所=その場で飲食させる」と「飲食の提供(ケータリングや出張料理も含む)」としています。
実際に起こるおもしろい現象
軽減税率が開始されると、飲食店やスーパー、コンビニなどでおもしろい現象が起きます。
例えば、ハンバーガー店で食事するときに、「店内で飲食」は消費税率10%、「テイクアウト」は消費税率8%となるのです。店員さんがよく言う「お持ち帰りですか? 店内をご利用ですか?」という問いかけへの返答によって、消費税率が決まることになるのです。ほかの飲食店でもテイクアウトや出前などがある場合には同様となります。
また、コンビニやスーパーを想定してみましょう。基本的には食料品は8%です。それ以外に書籍や日用品など多くの商品がありますので、1回のレジで10%と8%が混在することが当たり前になります。
もう1つ、中華料理屋さんを想定してみましょう。
会社帰りのサラリーマンが、中華料理屋でギョウザをつまみにお酒を1杯飲みました。その飲食代は当然10%となります。そして、帰り際に、ご家族におみやげとして、ギョウザを買いました。これはテイクアウトのため8%です。
みなさん、いかがでしょうか? ほかにもいっぱい事例はありそうですね。想像すると頭が混乱してきます。
飲食店や販売店の対応
これまでに記載した通り、軽減税率の開始により、対象品目を扱っている事業者の方は、さまざまな準備が必要になります。代表的なものとしては、複数税率に対応したレジや会計システムなどでしょう。
中華料理屋の事例のように、1つの「ギョウザ」という商品でも10%の場合と8%の場合が混在することになります。正直、これは手計算では極めて困難と思われ、レジやパソコンなどを利用しないとトラブルの原因ともなりかねません。
また、個人経営の飲食店などでは、いわゆる税込み経理(売り上げや仕入、経費など、消費税を含めた金額の経理)しているケースも少なくないと思われます。
これまでは、例えば、1ヶ月分の税込みの売り上げからまとめて消費税分を計算する方法が容易にできましたが、軽減税率が開始された後は、最低限10%分の売り上げと8%分の売り上げを分けないと消費税の計算は正確にできなくなります。
まとめ
新聞報道などによると、財務省は、コンビニやスーパーにおいて「飲食禁止」を明示し、実際に客が店内で飲食しないことを条件として、店内で販売するすべての飲食料品(酒類除く)に8%の軽減税率を適用することとしました。
また、政府や国税庁、税務署などでも講習会や情報提供などが盛んに行われています。さらに、実際の軽減税率の開始時期が近づくにつれ、さまざまな事例について解説がされることでしょう!
根っからの庶民派の私は、軽減税率の開始後、娘とハンバーガー店に行くときは、「今日は天気が良いから公園で食べよう!」と、必死にテイクアウトを促しているかもしれません。
参考・出典
政府広報オンライン トップページ>特集>消費税の軽減税率制度>何が対象なの?
Text:高橋 庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー
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