45年間で約14倍!男性生涯未婚率2割超え、こんな時代の葬儀事情。死ぬ前に決めておきたい事。
ファイナンシャルフィールド / 2018年10月18日 8時30分
人が亡くなると、残された遺族は、葬儀をどうしよう?となります。自分の年齢がある程度高くなるか、親が年をとると、だれもが一度は、葬儀費用を検索してみたことがあるのではないでしょうか。 生命保険文化センターによると、葬儀費用は平均およそ196万円といわれています。 内訳は葬儀120万、通夜・葬儀お布施と納骨46万、お通夜や葬儀の飲食代30万、というところでしょうか。 飲食代は通夜と葬儀当日、何人食べるかで決まりますが、足りないと困るので多めに、と葬儀社の人から勧められることが多いようです。体験者の声では、こちらも非常事態で気が動転しているので、たいして親族が多くもないのに、精進のお寿司の鉢盛を4つも頼み、すごく余って皆さんに折にして持ち帰ってもらったなどという話も聞きます。 ただし、この数字は、あくまで平均値。亡くなった方が高齢で、参列者も30人~50人未満程度のこぢんまりした葬儀で、棺や骨壺をランクの高いものにしなければ、この半額でも十分葬儀は可能です。
多様化する葬儀のスタイルと費用
近年は参列者が家族のみ10~15人程度を想定した「家族葬」も盛んに。北海道から九州・沖縄まで全国を6つのブロックに分け、エリア別に家族葬のできる葬儀社を検索できるリンクサイトも開設されています。おおむね30万円台~、50万円、70~80万円と3段階程度のプランを用意することが多いようです。
さらに、もっと質素に火葬式(直葬とも)という、いわゆる葬儀場を使わず直接火葬場にご遺体を運ぶという方法もよく見聞きするようになりました。ちなみに、火葬式の費用は、最低限の葬儀費用として生活保護者にも支給されます。金額は地域により多少異なりますが、20万円程度のようです。
人口は減少し、世帯数は増加
このように葬儀が簡便になりつつある背景には、そもそも葬儀を執り行う近親者が少ない、または、いない、というケースが増えているからとも考えられます。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計」によれば、2023年まで世帯数は上昇する一方、世帯人員数は減少の一途をたどる、となっています。
内閣府の「平成29年版少子化社会対策白書」では50歳時点の男性の未婚率は、1970(昭和45)年は、わずか1.7%だったものが、2015年で23.4%にもなっています。
ちなみに、50歳時点で一度も結婚したことのない人の割合を生涯未婚率といいますが、これは一生独身のままでいる人の割合ということではありません。独身=必ずしも一人暮らしではないにせよ、一人暮らしになる可能性は高い。日本人は、孤独になっている、といえそうです。
死後も好きな場所にいたい?「散骨」のこと
さて、葬儀とともに多様化しているのが、納骨。樹木葬や散骨など、お墓や納骨堂に入らない選択をする人も増えています。そういえば、名優・高倉健の遺作となった映画は、妻の遺骨を散骨するため車で旅するロードムービーでした。散骨をするには、遺骨を粉に、つまり粉骨しなければなりません。遺族が自分で粉骨して、自分でそれをどこかにまけば、お金は1円もかかりません。
でも、自分で粉骨をするのは、かなり精神的な負担になりそうです。粉骨から散骨も代行してくれる業者があります。粉骨料金は遺骨の状態にもよりますが、1万2000円程度~。火葬して1年未満の遺骨なら、大体これでできるようです。
長くお墓に入っていた遺骨を改めて散骨、となると洗浄作業が必要で料金も加算されます。
散骨業者が近くにない、という人は遺骨を郵送することになります。意外なようですが、普通にゆうパックで送ることができます。遺骨を郵送、というと、田舎の郵便局ではビックリされるかもしれませんが。
家族親戚がどんどん少なくなり、近年は、自分の墓の面倒をみられない、と墓を閉じたり、子どもに面倒をかけなくてすむ永代供養墓を新たに購入する人が増えたといわれます。ライフスタイルが多様になったように、死に方や死後の在り方も多様になっているのです。元気なうちに、終活と併せて考えておきたいものですね。
出典
公益財団法人生命保険文化センター
国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計) 2018年推計」
内閣府「平成29年版少子化社会対策白書」
Text:FINANCIAL FIELD編集部
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