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【年金が消える!?】年金の「繰下げ受給」を選んだ本人が「受給前」に亡くなると、誰も受け取れなくなるのですか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年2月27日 9時40分

【年金が消える!?】年金の「繰下げ受給」を選んだ本人が「受給前」に亡くなると、誰も受け取れなくなるのですか?

受け取れる年金額を増やす方法として、繰下げ受給があります。繰り下げた月数分だけ受け取れる金額が増加する制度ですが、繰り下げ中に本人が亡くなる可能性はゼロではありません。   この場合、亡くなった年齢によっては、未支給年金として受け取れる金額の一部は、時効が成立して減額されてしまうため、注意が必要です。   今回は、繰下げ受給を選択した方が年金を受け取る前に亡くなるとどうなるのかについてや、年金の時効についてご紹介します。

年金の繰下げ受給とは

繰下げ受給とは、本来受け取る年齢である65歳よりあとに、年金の受け取り開始年齢をずらすことです。1ヶ月ずらすごとに0.7%増額されて、最大で75歳まで繰り下げが可能です。75歳まで繰り下げると、年金は本来の金額よりも84%増えた金額を受給できます。
 
なお、65歳以降も会社に勤務していて、厚生年金にも加入していた場合は、受け取る老齢厚生年金は在職老齢年金となり、働いて得た収入金額によっては、年金の一部が支給停止となります。
 
繰下げ受給を選んだ場合、在職老齢年金で支給停止となった金額は繰下げ受給の計算に加算されません。働きながら繰下げ受給を選択する場合は、金額の計算が変わる場合があることに注意しましょう。
 

年金には時効がある

年金を受け取る前に本人が亡くなると、本人が受給できていない年金を、遺族が代わりに受け取れるケースがあります。
 
しかし、亡くなった本人が繰下げ受給を選択していた場合は、亡くなった年齢によっては一部の年金が受け取れません。年金には時効が設定されており、遺族が受け取れる未支給年金の時効が5年のためです。
 
例えば、繰下げ受給を選択した本人が72歳で亡くなった場合、5年より前の65、66歳時の年金にあたる金額分は受け取れません。未支給年金の時効起算日は、亡くなった本人の年金支給日の翌月初日です。また年金支給日は、繰下げ前の65歳時から計算されます。
 

未支給年金と遺族年金

年金を受け取る予定だった方が亡くなった場合に、遺族が受け取れる可能性のある年金が2種類あります。未支給年金と遺族年金です。未支給年金は、亡くなった本人が本来受け取るはずだった年金を請求して受け取れる年金を指します。
 
一方、遺族年金は遺族基礎年金と遺族厚生年金で構成されており、亡くなった本人に生計を維持されていた家族が受け取れる年金です。
 
未支給年金は、亡くなった本人が受け取っていない金額のうち、時効が来ていない年金のみを受け取れますが、遺族年金は決められた額を継続的に受け取れます。繰下げ受給の年数とかかわってくるのは未支給年金のほうですので、間違えないように注意しましょう。
 
なお、遺族厚生年金を受け取っている方が老齢厚生年金を受け取るとき、老齢厚生年金に相当する遺族厚生年金の金額は支給停止となります。また、遺族年金の受給額を計算する際に基になる亡くなった本人の年金額も、繰り下げ前の金額になります。
 

繰下げ受給は受給前に亡くなる可能性も考慮して決める

繰下げ受給を選択すると、将来受け取れる年金額を増やせる一方で、年金を受け取る前に亡くなるというリスクがあります。もし受給前に亡くなると、遺族が受け取れる未支給年金に繰り下げ増額は適用されず、65歳からの金額で計算されます。
 
仮に70歳以降まで繰り下げを予定していて、受け取る前に亡くなったとすると、未支給年金の一部は時効になって受け取れません。遺族は遺族年金を受け取れますが、金額の計算は、亡くなった本人が繰下げ受給をしていなかったものとして計算されます。もし繰下げ受給をする場合は、リスクも理解したうえで決めましょう。
 

出典

日本年金機構
 年金の繰下げ受給
 年金の時効
 年金を受けている方が亡くなったとき
 遺族年金
 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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