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入社前は「在宅勤務」と言われていたのに、感染症リスクが下がったために「フル出社」になりました。通勤時間を労働時間として給与を請求できますか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年2月28日 8時50分

入社前は「在宅勤務」と言われていたのに、感染症リスクが下がったために「フル出社」になりました。通勤時間を労働時間として給与を請求できますか?

入社前の条件と実際の勤務状態が異なることは珍しいことではありません。とはいえ、在宅勤務ということで入社したところに「感染症リスクが下がったから」という理由でフル出社になると困惑してしまうでしょう。   この場合、出社のために必要な通勤時間は勤務時間に含められないのでしょうか。この記事では、通勤時間と労働時間の関係についてみたあとで、現実的な対応策について考えます。

通勤時間を労働時間として扱えるか?

労働者が自宅からオフィスへ移動する際、その時間が労働時間として扱われるかどうかは、移動の状況に大きく依存します。労働者が午前中に自宅で仕事をし、その後オフィスへ移動するケースを考えてみましょう。
 
このとき、移動中に業務に関連する電話会議に参加する必要がある場合、移動時間は労働時間に含まれる可能性が高くなります。例えば、ある労働者が自宅での勤務後に1時間かけて客先に移動し、その間に30分の電話会議に参加した場合、その30分は明確に労働時間として認識されるでしょう。
 
さらに、移動中に特定の業務指示が出され、その指示に従うことが求められる場合も、労働時間とみなされる可能性があります。労働者が自宅からオフィスへの移動中に、緊急の報告書作成を命じられ、移動時間中にその作業を行った場合、この時間も労働時間に含まれると考えられます。
 
一方、通勤中に読書や音楽鑑賞などが可能で、その時間を個人的に自由に利用できる場合、この時間は労働時間には含まれません。通勤時間が自由に使えるかどうかが、労働時間としての扱いにおいて重要なポイントです。
 
実際には、労働時間としての移動時間の扱いは、個々のケースによって異なります。労働者と使用者の間で、事前に明確な基準やルールを設けることが、双方にとって公平な労働環境を保つ秘訣(ひけつ)です。
 

納得がいかないときの現実的な対応策

フル出社の要求が重荷となる際、従業員から雇用者に対して考えられるいくつかの要求事項を考えてみましょう。
 

・通勤手当を請求してみる

通勤手当に関しては、全額支給されたり、一部支給されたり、支給額や支給基準は企業によって異なりますが、このような支給制度は、従業員が通勤の負担を感じにくくする効果があるようです。
 

・リフレッシュできるスペースや時間を確保してもらう

職場環境の改善はフル出社のストレスを和らげる効果があります。例として、オフィス内にリラックスできる休憩スペースを設ける、または勤務時間中に短時間のウオーキングやストレッチの時間を許容してもらうなどの取り組みがあります。これらの施策は、従業員がオフィスでの勤務をより快適に感じられるようにするために有効です。
 
このように、通勤手当の適切な支給や、職場環境の改善など、さまざまな対策を講じてもらえれば、通勤時間が労働時間と認められなくても容認できるようになるかもしれません。
 

給与請求ではない方法も考えてみましょう

入社前の約束と異なるフル出社の要求に直面した際、通勤時間を労働時間として給与請求することは難しいのが現状です。例外として、自宅と職場の間の移動が業務命令下で行われる場合のみ、労働時間としての考慮が期待できます。
 
この状況に納得がいかないときには、就業規則の確認やオフィス環境改善の提案などで対処してみるとよいでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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