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63歳の母が「特別支給の厚生年金」を受け取っているそうです。「普通の年金」よりも多いのですか? どんな違いがあるのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年3月3日 2時10分

63歳の母が「特別支給の厚生年金」を受け取っているそうです。「普通の年金」よりも多いのですか? どんな違いがあるのでしょうか?

特別支給の老齢厚生年金は、65歳よりも前に老齢厚生年金を受け取ることができる制度です。これは、昭和61年の法改正により、年金の支給開始年齢が60歳から65歳へと段階的に引き上げられた際に設けられました。この年金制度は、特定の生年月日を持つ人々に対し、65歳になるまでの間、一定の年金を提供するものです。   そこで本記事では、特別支給の老齢厚生年金の受給要件や受給金額、よくあるQ&Aを体系的に整理します。本記事を読んで、特別支給の老齢厚生年金の基本などの理解を深め、自身が特別支給の老齢厚生年金の対象者である場合だけではなく、親御さんが特別支給の老齢厚生年金の対象者である場合にも有益な情報ですので、ぜひ役立ててください。

特別支給の老齢厚生年金の受給要件

この年金を受け取るためには、以下の要件を満たす必要があります

●男性は昭和16年4月2日から昭和36年4月1日まで、女性は昭和21年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれていること。
●老齢基礎年金の受給資格期間が10年以上あること。
●厚生年金保険か共済年金に1年以上加入していたこと。

 

特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢

受給開始年齢は、生年月日によって異なり、60歳から64歳までの間に設定されています。
 

特別支給の老齢厚生年金の受給金額

受給金額は、加入期間や平均標準報酬額などに基づいて計算されます。しかし、働きながら受給する場合、所得に応じて減額されることがあります。
 
ポイントとして、基本月額(老齢厚生年金の年額を12で割った額)と総報酬月額相当額(毎月の給与=標準報酬月額と、直近1年間の標準賞与額を12で割った額を足した額)との合計が48万円以下の場合は全額支給されます。
 
しかし、48万円を超える場合の支給額は、基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-48万円)÷2、つまり48万円を超えた金額の半分が基本月額から減算されることになります。例えば基本月額30万円、総報酬月額相当額30万円の合計60万円を毎月受け取っている場合、60万円マイナス48万円の12万円を2で割った金額である6万円が基本月額から減算され、毎月の年金受取額(基本月額)は24万円となります(月の収入という観点では、基本月額24万円プラス総報酬月額相当額30万円で合計54万円となる)。
 
注意点として、ここで減算されるのは老齢厚生年金だけで、老齢基礎年金は減額されず満額受け取れることが挙げられます。
 

特別支給の老齢厚生年金のよくあるQ&A

特別支給の老齢厚生年金に関するよくある質問を整理しました。特別支給の老齢厚生年金の対象となる自身や親御さんが条件に当てはまらないか、確認してみてください。
 

特別支給の厚生年金はいつから減額?

特別支給の老齢厚生年金は、受給者の所得が一定額を超えると減額されます。具体的には、毎月の給与と年金の合計が定められた基準額(48万円)を超えた場合、減額されます。
 

現在の給与が高いと特別支給の老齢厚生年金はもらえない?

給与が高い場合でも、基本月額と総報酬月額相当額の合計が一定基準以下であれば、年金を受給できます。ただし、合計額が基準(48万円)を超えると、受給額が減額されることがあります。
 

65歳で年収1200万円の代表取締役は?

65歳未満で高収入を得ている場合、特別支給の老齢厚生年金の受給額が減額、または支給停止される可能性があります。しかし、適切な報酬の調整を行うことで、年金受給を最適化できる場合もあります。
 

特別支給の老齢厚生年金を受給しながら働く場合、65歳からの年金額は?

65歳になると、老齢基礎年金と厚生年金の再計算により、もらえる年金額が増加する可能性があります。ただし、在職中の収入によっては、支給額が調整される場合があります。
 

【知らないと損】老齢厚生年金をしっかりと理解しよう

特別支給の老齢厚生年金に関する知識を深め、受給資格がある場合は、適切な手続きを行いましょう。制度の変更点に注意し、受給資格をもつ自身または親御さんに適した計画を立てることが重要です。年金制度は複雑ですが、正しく理解し活用することで、老後の生活を支える重要な資源となります。
 

出典

日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金
日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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