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最近結婚したOLです。結婚を知った上司から「退職」を勧められたのですが、これってパワハラではないですか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年3月4日 23時50分

最近結婚したOLです。結婚を知った上司から「退職」を勧められたのですが、これってパワハラではないですか?

結婚後も仕事を続けるのは本人の自由ですし、働き方を変えるかどうかは夫婦間で話し合って決めればよいことです。ところが、女性に対して「結婚後は家庭に入ったほうがよいのでは?」と一方的な考えを押し付ける人がいます。   それが上司や経営者だった場合、困惑する人は多いのではないでしょうか。今回は、職場で退職をすすめられた場合の対処について紹介します。

「退職勧奨」はパワハラになる?

厚生労働省は、パワハラが成立する定義として「優越的な関係を背景とした言動であって」「業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより」「労働者の就業環境が害されるものであること」の3つを定めています。
 
この3つの要件がそろった場合はパワハラと認められます。客観的に見たとき、業務上必要であり相当な範囲での適正な指示や指導と感じられるものはパワハラに該当しません。
 
「退職勧奨」も、される側(がわ)にとっては嫌なことですが、ただちにパワハラにつながるかどうかは難しい面があります。会社側から一方的に労働契約を終了させる「解雇」とは違い、退職勧奨は退職をすすめているだけです。
 
つまり、辞めるかどうかの決定権は労働者自身にあるため、すすめ方や頻度でパワハラかどうかが判断されます。何度も長期にわたって退職をすすめる行為は、パワハラにあたると考えてよいでしょう。
 
しつこく退職をすすめたことで裁判になり、慰謝料の支払い命令が出された事例もあります。平成27年4月24日に大阪地方裁判所で出された判決は慰謝料150万円、平成24年11月29日に東京高等裁判所で出された判決は慰謝料20万円でした。したがって、退職をすすめられたのが1回だけであれば、違法な権利侵害ととらえるのは難しいといえます。
 

退職をすすめられたときの適切な対処は?

経営者や上司から退職をすすめられたら、しっかり否定しましょう。解雇の場合なら、客観的に見て合理的な理由がない限り、不当解雇として覆すことは可能です。
 
ところが、退職勧奨の場合は違います。退職に応じてしまうと、労働者自身の意思として有効になります。あとから取り消すことはできません。辞める意思がないなら「仕事は続けます」「辞めるつもりはありません」と明言することです。
 
それでもすすめてくることがあればパワハラに該当します。そのときは「総合労働相談コーナー」または管轄の「労働基準監督署」に相談しましょう。今回のケースは結婚がきっかけのように書かれていますが、実際の理由は定かではありません。結婚のタイミングと退職勧奨が重なっただけという場合もあります。
 
ただ、解雇という形ではないため、仕事を続けるのは労働者自身の自由です。経営者や上司の都合で言ってきたなら、なおさら気にせずに続けたほうがよいでしょう。
 

「退職勧奨」のやり方によってはパワハラになる

退職勧奨自体はパワハラではありません。しかし、すすめ方や頻度によってはパワハラと判断されます。過去には裁判所で慰謝料の支払い命令が出た事例もあります。気になったときは、退職をすすめられた状況や伝え方、頻度などを記録しておきましょう。
 
そして限度を超えたと感じたら、記録したものを証拠として「総合労働相談コーナー」や「労働基準監督署」に相談しましょう。
 

出典

厚生労働省 職場におけるパワーハラスメント防止対策について
厚生労働省 第5章 仕事を辞めるとき、辞めさせられるとき
厚生労働省 総合労働相談コーナーのご案内
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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