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飲み屋で吐いてしまい、店長から「5000円」の罰金を請求されました。後始末はしましたし、払う義務はないと思うのですが……。

ファイナンシャルフィールド / 2024年3月5日 0時40分

飲み屋で吐いてしまい、店長から「5000円」の罰金を請求されました。後始末はしましたし、払う義務はないと思うのですが……。

飲食店では、利用客に向けてさまざまな罰則を設けている場合があります。例えば、食べ放題で残した場合の罰金などもその一つです。目的や罰則の種類は店舗によって異なりますが、不注意や体調が原因で起こしてしまったことも罰則に従う必要はあるのでしょうか。   今回は、飲み屋で吐いてしまったときに罰金を請求されるのは妥当かどうかを解説します。

飲み屋が設けている「罰金」は払わないといけない?

罰金とは本来刑罰の一つで、一般人が罰金を求めることはできません。しかし、店側に何らかの迷惑がかかったとき、相手に責任を求めたいと考えるのは一般的な感情です。
 
民法七百九条では「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」としています。そのため、罰金というより損害に対する賠償金と考えるのが妥当です。
 
今回のように店内で吐いた場合の賠償責任は、「片付けるまで他の客が利用できなかったことへの損失」「片付けにともなう手間や費用」などがあげられます。今回のケースは、後始末を自分で行っています。
 
それでも、その間他の客が利用できない状態であったことや臭いなどで迷惑をかけたことに変わりはありません。故意、過失に関係なく、損害に対して賠償金を求められたら払ったほうが無難といえます。
 

5000円という金額は妥当なのか?

吐いたことで店に損害を与えたとしても、店長が提示した5000円が妥当かどうか考えることも必要です。そもそも、5000円の根拠は何でしょうか。椅子や床などを汚してしまい、クリーニング代として請求された可能性もあります。請求された金額に納得できないなら、まず内訳を確認することです。いずれにしても、吐いたことで店に損害を与えた事実は変えられません。賠償責任は発生します。
 
罰金(賠償金)という設定で金額が一律になっているなら、客が店内を汚したときの対処として店側が決めたルールです。もしも事前に告知されていて、それを理解したうえで飲食したときは、合意したものと判断されて請求されるのは妥当といえるでしょう。契約書は存在しないものの、罰金(賠償金)の金額についても「契約」が成立していたとみなすことは可能です。
 

金額が法外な請求なら払わなくてよい?

床のクリーニングを業者に依頼する場合、6畳ほどで費用は1万円ほどかかります。実際には部分的なクリーニングで済ませるにしても、5000円は法外な金額とはいえません。片付けるまでの営業損害も考えれば、むしろ良心的な金額ともいえます。
 
ただし、これが5万円や10万円といった金額なら話は別です。その場合は内訳を添えた見積もりが必要ですし、請求されたままの金額を支払うことはないでしょう。しかし、5000円という金額は法外とはいえず、店内で吐いて迷惑をかけた事実がある以上は支払うのが妥当であり無難です。
 

払う義務があるかどうかは罰金の提示方法と金額の根拠がポイント

故意過失に関係なく、他人の身体や財物に損害を与えたときは賠償責任を負います。これは民法七百九条で決められていることです。納得いかない場合は、5000円の罰金の根拠を聞いてみましょう。
 
いずれにしても、吐いたことで店に迷惑をかけたことは事実です。罰金があることを事前に知らされていて、理解したうえで飲食をしていたなら「契約は成立している」と判断される可能性は高いといえます。
 

出典

e-Gov 法令検索 明治二十九年法律第八十九号 民法 第七百九条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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