転職した後で残業が月40時間はあることが判明。面接のときは「そんなにない」と言われたのに。「実際は違う」のは当たり前なのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年3月5日 11時0分
転職した後に、面接の際に提示された労働条件と違うことが判明すると、戸惑ってしまうでしょう。仕事に対するモチベーションが低下したり、この条件だと働くのが難しいと感じたりするのも当然です。 本記事では、労働条件が決まるタイミングや、入社した後で労働条件が事前に提示されたものと違った場合の対処法を紹介します。
労働条件は労働条件通知書で確認する
求人票や面接時に提示された条件と労働条件が異なっていても、一概に法律違反とは言えません。面接をした結果、求人票で出した条件では雇用できないといったケースや、求人票には記せなかった条件があるといったケースもあります。
一方、企業は労働者と雇用契約を結ぶ際、労働基準法第15条、労働準法施行規則第5条の規定により雇用形態にかかわらず必ず「労働条件通知書」を労働者に交付しなければなりません。
「労働条件通知書」には就業場所や就業時間、賃金のほか、残業の有無も記すように定められています。この労働条件通知書と実際の働き方が異なっていた場合は違法です。したがって、面接を終えて雇用契約を結ぶ前に、すみずみまで労働条件通知書を確認しましょう。
入社後に労働条件の相違で後悔しないための対処法
入社後に面接時で示された労働条件と違うと気付いたら仕事へのモチベーションが低下するだけでなく、場合によっては働き続けるのが難しくなります。短期間での転職は大変なだけでなく本人の印象も悪くなる恐れもあり、転職活動が厳しくなる可能性もあるでしょう。
本項では、入社後に労働条件の相違で後悔しないために、雇用契約を結ぶ前に行うべきことを紹介します。
労働条件通知書を入念に確認する
労働条件通知書には、労働契約の期間や働く場所、仕事内容、始業・終業時刻から残業の時間、残業の有無、賃金まで記載されています。署名押印をすると「私はこの条件に納得して契約しました」となってしまいます。まずは、書類が届いたらすみずみまで読んで確認してください。
雇用契約を結ぶ前ならば、企業側と「面接時に提示された内容と違う」と交渉ができます。交渉がうまくいかなければ、内定辞退の選択も可能です。
最終面接時に提示された雇用条件は書き留めておく
労働条件通知書を渡すタイミングは、企業によって異なります。内定通知後に郵送する企業もあれば、初出勤のときに渡されて署名押印を求められる場合もあるでしょう。
入社前に労働条件通知書が送られてこない場合、面接時に提示された雇用条件と相違がないか確認する時間が短くなります。したがって、面接時に提示された雇用条件はメモに取っておき、労働条件通知書が届いた時点で相違がないか比較してください。これなら、企業側から「記憶違いでは?」と言われる心配もなく、短時間でチェックができます。
労働条件通知書と実際の労働条件が違う場合の対処法
労働条件通知書と実際の労働条件が違う場合、どこに相談してよいか悩む方も多いでしょう。本項では、労働条件通知書と実際の労働条件が異なる場合の対処法について解説します。
相談や交渉のやり方によっては、企業側が条件の改善をしてくれる可能性があります。また、相談先が分かれば取るべき手段も見えて安心できるでしょう。
上司や人事に相談する
労働条件通知書と実際の労働条件が違う場合、まずは上司や人事に相談しましょう。仕事はイレギュラーな事態も多いので、労働条件通知書どおりにいかない場合もあります。
例えば、「労働条件通知書では残業がなしであったが、今回の繁忙期は想像以上で残業しないと間に合わない」といったケースもあるでしょう。納得できる理由があったり期間限定のイレギュラーであったりするなら、承諾できる場合もあります。
会社の対応に納得できない場合は外部への相談も検討する
会社の対応に納得できなかったり、労働条件通知書と実際の労働条件が違いすぎて働くのが難しかったりする場合は、労働基準監督署をはじめとする外部の相談機関の利用も検討しましょう。
第三者に仲介してもらえば、条件が改善される場合もあります。外部に相談しても会社から納得いく返事が得られない場合は、退職も検討しましょう。
労働条件通知書を入念に確認して雇用契約を結ぼう
労働条件は仕事を選ぶうえで重要な指標です。しかし面接で「この条件で採用します」と言われたのに、実際の労働条件は違っていたといったケースも決して珍しくありません。
雇用のミスマッチを防ぐためにも、労働条件通知書を入念に確認し、相違があれば企業と交渉しましょう。労働条件通知書に署名・押印すると、書面の内容に納得したとみなされてしまいます。
出典
e-Gov法令検索 労働基準法
e-GOV法令検索 労働基準法施行規則
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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