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余裕を持って出社しているのに、上司から「新人は1時間以上前に来い」と説教されました。早く来た分の労働時間は、残業代として請求できるのでしょうか。

ファイナンシャルフィールド / 2024年3月6日 8時50分

余裕を持って出社しているのに、上司から「新人は1時間以上前に来い」と説教されました。早く来た分の労働時間は、残業代として請求できるのでしょうか。

新入社員の場合、掃除や仕事の準備のために「早く出社するように」と上司から指示されることもあるのではないでしょうか。その際、気になるのが残業代の有無です。そこで本記事では、上司から「新人は1時間以上前に来い」と説教された場合を例に挙げて、残業代を請求することはできるのかについて詳しく解説します。

残業代の有無は何で決まる?

残業代の有無は、「使用者である会社の指揮命令下にあったかどうか」で決まります。会社の指揮命令下にある場合は、残業代を請求することが可能です。
 
例えば、始業の1時間前に出社したとします。これが上司から指示された場合であれば、残業代が発生します。新入社員の行っていることが、通常の業務ではなく、業務を行ううえでの準備行為(机の掃除や片付けなど)であったとしても、残業代の対象となります。しかし、自主的に出社した場合、残業代は発生しません。
 
会社によっては、暗黙の了解で新入社員が早く出社することになっている会社もあるでしょう。このような場合は、会社の指揮命令下にあるかどうか、迷ってしまう新入社員もいます。
 
不明な場合は上司に質問するようにしましょう。もしかしたら、早く出社する必要がないかもしれません。一方、上司が「掃除のために早く出社しなさい」といえば、堂々と残業代を請求できます。
 

残業代の金額は?

労働基準法によって、法定労働時間は「1日8時間以内、週40時間以内」と決められています。会社の所定労働時間が1日8時間で、1時間早めに出社した場合、この1時間分は時間外労働です。時間外労働には割増賃金が支払われます。割増率は25%です。
 
例えば、通常賃金が時給にして1時間1000円とします。この場合、「1000円×1.25(割増率)×1時間=1250円」の残業代が発生することになります。1ヶ月のうち20日間、会社に出勤したとすると、「1250×20日=2万5000円」の残業代が出ることになるのです。
 
気を付けたいのが、1時間早出しても、法定労働時間内である場合です。この場合は割増賃金にはなりません。ただ単に1時間分の通常賃金が支払われるだけです。
 
例えば、通常賃金が時給にして1時間1000円、1ヶ月のうち20日間会社に出勤したとすると、「1000×20日=2万」の残業代が出ることになります。つまり、例に挙げた会社の所定労働時間によって、残業代が割増賃金になるかどうかが決まるのです。
 
会社に残業代を請求しても支払ってもらえない場合は、労働基準監督署または弁護士に相談するようにしましょう。その際、証拠としてタイムカードや出社時刻を記したメモを用意しておくことをおすすめします。
 

上司からの指示で早く出社した場合、残業代の請求は可能

残業代の有無は、「使用者である会社の指揮命令下にあったかどうか」で決まります。例に挙げた人は上司から「新人は1時間以上前に来い」と説教されています。ということは、指揮命令下にあると考えられるので、残業代を請求することが可能です。会社に残業代を請求しても支払ってもらえない場合は、労働基準監督署または弁護士に相談するようにしましょう。
 

出典

厚生労働省 労働基準法
厚生労働省 時間外、休日及び深夜の割増賃金(第37条)事業場外労働のみなし労働時間制(第38条の2)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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