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転職がうまくいかずワーキングホリデーを考えています。円安が続く間は海外のほうが稼げるのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年3月8日 4時30分

転職がうまくいかずワーキングホリデーを考えています。円安が続く間は海外のほうが稼げるのでしょうか?

「転職を考えているけれど、どこからも採用されない」という理由で、一定の年齢しか体験できないワーキングホリデーを検討する人もいるのではないでしょうか。滞在期間は限られますが、超円安といわれる状況下において、日本の同条件で働くよりも収入を得られる可能性が高いです。   本記事では、ワーキングホリデーが稼げるのか、ワーキングホリデーに行く際の注意点などを解説します。

ワーキングホリデーとは?

ワーキングホリデーとは、18~30歳の人が日本と協定を結ぶ国や地域で、働きながら長期滞在ができる制度です。留学とは異なり、ワーキングホリデービザを取得することで、渡航先での就労が認められます。留学で取得する学生ビザで就学はできても、原則就労はできません。そのため、語学だけ学んで就労をしないのであれば、学生ビザを取得するとよいでしょう。
 
ワーキングホリデーは「滞在する国の文化や生活様式を体験して相互理解を深めること」を目的とした制度です。海外で働いて経験を積む、お金を稼ぎながら現地の語学学校に通って語学力を上げるなど、さまざまな目的で滞在できます。
 

円安の影響で稼げる可能性が高い

現在、超円安といわれる状況下にあります。1時間あたりの最低賃金は、オーストラリアが23.23オーストラリアドル(日本貿易振興機構(JETRO)の「ビジネス短信」(2023年6月30日公表)より)、日本は東京都が1113円(厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」より)です。オーストラリアと日本の最低賃金で1年間働いた場合(週30時間・1ヶ月4週間の労働と想定)にどのくらいの収入差が出るのかは、図表1のとおりです。
 
【図表1】

オーストラリア 日本(東京都)
1時間あたりの最低賃金 23.23オーストラリアドル 1113円
1週間あたり30時間働いた場合の年収 3万3451.2オーストラリアドル
(23.23オーストラリアドル×30時間×4週間×12ヶ月)
160万2720円
(1113円×30時間×4週間×12ヶ月)
円に換算した場合の年収 約327万8217円
(1オーストラリアドル=98円で計算)
160万2720円

※厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」より筆者作成
 
同じ時間で働いたとしても、オーストラリアと日本では、倍近い収入差が発生します。なお、東京都は日本で最低賃金が最も高い都道府県で、最低賃金が896円と最も低い沖縄県などと比較すると、オーストラリアとの収入差は約200万円にもなります。
 

ワーキングホリデーに行く際の注意点

日本で働くよりも高収入を期待できたり、語学力をつけたりするのに効果的なワーキングホリデーですが、以下のようにいくつかの注意点があります。

●自分で仕事を見つけなければならない
●渡航先や年齢に制限がある
●語学力が確実に伸びるわけではない

渡航してみたものの「こんなはずではなかった」とならないために、事前に注意点を把握しておきましょう。
 

自分で仕事を見つけなければならない

ワーキングホリデーの制度を活用して就労する際には、自分で働き口を見つける必要があります。現地語を話せない場合は、履歴書を作成できない、面接で意思疎通ができないなどの理由で、仕事が見つからない可能性が高いです。また、仕事が見つかったとしても、自分が希望するものではなく、思うように稼げないケースも想定できます。
 

渡航先や年齢に制限がある

原則として、ワーキングホリデービザは、一つの国に対して発行されるのは1回きり、申請時点で18歳以上30歳以下という制限を設けています。また、ワーキングホリデービザを取得して渡航できるのは、日本と協定を結んでいる国だけです。
 
(一社)日本ワーキングホリデー協会によると、日本と協定を結んでいる国は29ヶ国とのことです。協定国は、日本ワーキングホリデー協会のホームページで確認できます。
 

留学と比べ語学力が確実に伸びるわけではない

ワーキングホリデーは、語学留学ではありません。海外に長期滞在すれば、語学力が確実に伸びると考える人もいるでしょうが、語学力を伸ばすのはそう簡単なことではありません。
 
特に、周りの人と日本語で話している、話したとしても片言のみといった場合、帰国段階で現地語をほとんど話せないという事態に陥る可能性が高いです。語学力を伸ばしたいなら、現地語で積極的にコミュニケーションを取ったり、働きながら語学学校へ通ったりすることも検討してみてください。
 

ワーキングホリデーは収入以外にメリットやデメリットも理解しておこう

ワーキングホリデーの協定国へ渡航して働くことで、日本の同条件の企業などで働くのに比べて稼げる可能性が高いです。ただし、渡航したからといって確実に収入を得られるかどうかは分かりませんし、語学力の低さを理由に仕事が見つからないことも想定できます。
 
単純に日本よりも稼げるという理由でワーキングホリデーを考えるのではなく、メリットやデメリットを理解したうえで方向性を定めましょう。
 

出典

日本貿易振興機構(JETRO) ビジネス短信 最低賃金を7月から8.7%引き上げ (オーストラリア)
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
一般社団法人日本ワーキングホリデー協会 ワーホリ協定国のことをもっと知ろう!
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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