「つみたてNISA」って、本当のところ、どうなの?「非課税」期間は?デメリットは?
ファイナンシャルフィールド / 2018年10月27日 3時0分
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今回は「つみたてNISA」について、書かせていただきます。
つみたてNISAとは?
つみたてNISAの対象となる商品は、かなり限定されています。
その限定された商品(=投資信託)の中から、一つでも複数でも選び、「積み立てて」投資をします。なので、つみたてNISAでは、一括投資はできません。
そして、投資して得ることができた、分配金(=普通分配金)や売却益に対して「非課税」になります。損益通算ができないのは、(つみたてではない)NISAと同じルールです。
つみたてNISAの「非課税」の期間
つみたてNISAにおいて、「非課税」で積立投資できる期間は決まっています。
もう既に始まっており、今年の1月から20年間です。つまり、今年投資した(=購入した)投資信託において、「非課税」で投資することができる最後の年は2037年となっています。また、2037年に投資した投資信託は、2056年までが非課税で運用できる期間となります。
つみたてNISA…迷っている人は始めてしまったほうが良いかも
先述のとおり、つみたてNISAにおいて「非課税」で積立投資できる期間は、すでに始まっています。なので、利用を迷っていらっしゃる方は、少しでも早く利用(=投資)を始めてしまったほうが有利かもしれません。
というも、今年の分は2037年まで、というように「非課税」の期間、すなわち、「非課税」のゴールが決まっているからです。
「非課税」で積立投資できる期間こそ、つみたてNISAのデメリット
私は、この「非課税」で積立投資できる期間こそ、つみたてNISAのデメリットだと考えています。
理由は2つ。先述のとおり、迷っているヒマが無いということ。そして、年齢によっては、この制度を十分に活かし尽くすことができないということです。
つみたてNISAを「非課税」で運用できる期間が終わる2056年には、読者の皆さまは、おいくつでいらっしゃいますか?私の場合ですと84歳です。
そうなんです。「非課税」で積立投資できる期間、運用できる期間を精一杯活かし、投資した元本と利益を人生の残りの期間で活かそうと思うと…。この制度を十分に活かし尽くすことができるのは、2056年の時点で70歳以下となる、1986年以前にお生まれの方ではないでしょうか。現在、32歳以下の皆さまです。
つみたてNISAをきっかけに考えたいこと
投資は余裕資金で行うものです。その余裕資金を元手に時間をかけて、FPの言葉を借りて表現するなら「長期投資」を行います。
つみたてNISAも「非課税」で運用できる期間が2056年までと、本当に長いですよね。長い時間をかけるのですから。投資を終えた後、投資した元本とその利益を、どのように活かすかも考えておかないといけません。いわゆる出口ですよね。
私のように、つみたてNISAを「非課税」で運用できる期間が終わった時、84歳ですと、…どうなんでしょう?お金は天国に持っていけないですよね。
投資家の目線で、つみたてNISAで、良いなと思ったこと
つみたてNISAで良いなと思ったのは、投資信託に独特の2つ「コスト」が、かなり抑えられている点です。
コストの一つ目、投資(=購入)する時にかかる手数料はゼロです。また、コストの2つ目、投資信託を保有している間にかかるコスト(=信託報酬)は、かなり低く抑えられています。
販売する側は?
投資(=購入)する時にかかる手数料がゼロということは、販売する側(=銀行や証券会社)はお客さまに販売するにあたり、販売時のコストを回収することができない、ということでもあります。また、お客さまが投資信託を保有している間にかかるコスト(=信託報酬)がかなり低く抑えられている、ということは、メンテナンスコストを維持するのが難しい、という表現でよろしいでしょうか?
つみたてNISAで投資家が享受するメリットは、「実は販売する側の犠牲のうえに成り立っている」と言っても過言ではないかもしれません。
じつは、筆者はつみたてNISAを行っていません。先に述べた「非課税」期間のデメリットもそうですが、投資信託においてはコストが全てではないからです。もちろん、コストを考えることは大切なことですが、投資信託を選ぶ際は、多角的な視点で判断することが大事です。
Text:大泉稔(おおいずみ みのる)
株式会社fpANSWER代表取締役
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