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父が「70歳」を超えても働いています。「年金だけじゃ暮らせない」と言っていますが、真面目に働いても老後は大変なのでしょうか? 父は普通のサラリーマンだったと思います

ファイナンシャルフィールド / 2024年3月10日 2時10分

父が「70歳」を超えても働いています。「年金だけじゃ暮らせない」と言っていますが、真面目に働いても老後は大変なのでしょうか? 父は普通のサラリーマンだったと思います

親が定年退職を迎え、さらに70歳を超えても働き続けているという家庭は、近年ではそう珍しくはないでしょう。仕事が好きで働いている人もいますが、年金だけでは暮らせないことから働かざるをえないケースもあります。   現役時代に真面目に働いていたとしても、悠々自適の老後が送れるとは限りません。今回は、働き続けなければならない高齢者がいる理由を考えてみましょう。

高齢者世帯の平均的な家計収支

まずは、総務省統計局の「令和4年 家計調査」から、高齢者世帯の平均的な家計収支をみてみましょう。同調査結果によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における、月あたりの実収入は平均で約24万6000円、平均可処分所得は約21万4000円です。
 
一方、月あたりの平均消費支出額は、約23万7000円となっています。あくまでも平均ではありますが、年金受給世帯でも毎月2万3000円ほどが不足することになります。
 
同調査結果の消費支出の内訳をみてみると、住居にかかる費用が月あたりで約1万6000円となっています。金額が低いのは、高齢者世帯は持ち家率が高く、毎月家賃を支払う必要がない世帯が多いためです。賃貸住宅に住んでいる高齢者世帯は、家賃も含め毎月30万円ほどの支出額となってもおかしくはありません。
 

貯蓄がなければ老後の生活は大変

一般的には、真面目に働いて老後を迎える人のほうが多いと考えられるでしょう。前述の統計データは平均の金額であるため、現役時代に真面目に働いている人でも、年金のみでは毎月赤字になるのが普通といわざるをえません。貯蓄がない状態で老後を迎えた人は、65歳以降も働き続けなければ生活の維持が難しくなるのが現状です。
 
総務省統計局では、高齢者の就業状況についてもまとめています。それによると、高齢者の就業者数は年々増え続け、2020年には900万人を突破し、2021年には909万人、2022年には912万人となりました。
 
2022年の65~69歳の就業率は50.8%、70~74歳は33.5%といずれも過去最高となっており、働き続ける高齢者は決して珍しい存在ではないといえるでしょう。
 
家計調査のデータを参考にすると、年金受給世帯であっても毎月赤字となります。持ち家の人で毎月2万円ほど、賃貸住宅に住んでいる人で毎月8万円ほどが不足すると仮定して試算してみましょう。老後を25年間とした場合、持ち家の人で600万円、賃貸住宅に住んでいる人で2400万円が足りなくなる計算です。
 
これらに相当する貯蓄がない場合は、定年退職後も働き続けるなど、年金以外の収入を得る必要があるといえます。高齢者の就業率が高まっているのも、背景にはこうした事情があることが大きな要因でしょう。
 

早い段階からの貯蓄が大切

親世代が「年金だけじゃ暮らせない」と70歳を超えても働いている姿をみて、子世代がどうとらえるのかが重要です。
 
真面目に働いても老後は大変であると絶望するだけでは、自分の老後の生活は守れません。現役として働いているときから老後の生活のことを考え、可能な限り早い段階で貯蓄を増やすための行動に出ておく必要があります。
 
キャリアアップが狙える転職をして、生涯賃金増を目指すのもよいでしょう。副業で年収増を目指すのも一案です。支出を見直し毎月の貯金額を増やす行動も大切になってきます。
 
貯金の一部を投資へと回し、資産形成を試みることも大切です。こうした対策に積極的に取り組み、十分な貯蓄を積み上げられれば、自身の老後の生活を豊かなものにできるでしょう。
 

老後が大変かどうかはこれからの自分の行動次第

日本では75歳を超えても働く人が11%おり、今後も増える可能性があります。年金だけでは赤字となる世帯が多いためです。年金のみでは、65歳から90歳までの25年間で2000万円以上不足する人もいるでしょう。
 
その分を補うには働かざるをえません。親世代のそうした姿をみて、自分の老後の生活をどう守るのかを考える必要があります。老後が豊かになるかどうかは、転職や副業、投資など、自分の行動次第といえるでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要
総務省統計局 統計トピックスNo.138 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-2.高齢者の就業
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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