50歳から考えるリタイアメントプラン ~後悔しない人生のために確認すべき6項目とは?~
ファイナンシャルフィールド / 2024年3月9日 23時10分
リタイアが視野に入ってくる50代は、「リタイアメントプラン」について考え始めるタイミングといえるでしょう。リタイアメントプランとは、リタイア後の生活を具体的にイメージし、必要な準備をするための計画です。 人生100年時代において、リタイアメントプランはセカンドライフを充実させるために欠かせないもので、生活費や年金、退職金などの資金計画はもちろん、住まいや家族との時間、趣味など、リタイア後の生活のあらゆる側面を考慮して立てることが重要となります。 今回は、50歳からのリタイアメントプランの作成手順について解説します。
1. セカンドライフをイメージする
リタイアメントプランの第一歩は、セカンドライフについて理想のイメージを思い描くことです。どこで暮らすか、誰と一緒に過ごすか、どんな生活を送りたいかなど、具体的に考えてみてください。
例えば、田舎に移住してのんびり暮らしたい、旅行や趣味に時間を費やしたい、ボランティア活動に力を入れたいなど、人によってさまざまな希望があるでしょう。まずは、自分の価値観やリタイア後の目標を整理し、どのようなセカンドライフを送りたいのか明確にすることが大切です。
2. リタイア後の生活費を見積もる
リタイア後の生活費は、収入と支出のバランスが特に重要です。就労を継続せず、収入が公的年金のみの場合、不足する分は現役時代に準備した貯蓄など老後資金から切り崩すことになります。
支出には食費や光熱費、住居費、医療費などがありますが、現在の支出を目安に、リタイア後に予想される生活費を計算してみましょう。その際には、旅行や趣味などの支出も考慮してください。
3. タイムバケットを作成してライフイベントを計画
リタイア後の人生について「タイムバケット」を作成し、時間軸でライフイベントを整理しましょう。
タイムバケットとは、人生を一定の期間に区切って、その期間に何を達成したいのか明確にする方法です。リタイア後の人生を10年、20年、30年と区切り、それぞれの期間にどのようなイベントを盛り込むのか考えてみましょう。
4. 受け取れる年金
年金はリタイア後の収入の柱となります。国民年金(老齢基礎年金)・厚生年金といった公的年金のほか、企業年金や個人年金などがありますが、それぞれ受け取れる金額や受給の条件が異なります。
公的年金については、繰り下げや繰り上げの選択も検討しましょう。原則の受給開始年齢は65歳ですが、66歳以降、75歳までの間に受給を繰り下げた場合、年金額を1ヶ月当たり0.7%(最大84%)増やすことができます。
一方、60歳から65歳になるまでの間に繰り上げれば、受給開始は早くなりますが、繰り上げた期間に応じて受け取れる年金額が少なくなり、1ヶ月当たりの減額率は0.4%(最大24%)です。
5. 退職金の受取方法
退職金はリタイア後の生活に役立ちますが、受取方法や使い道についてはしっかりと検討しましょう。退職金は、退職一時金として一括で受け取るか、年金として分割で受け取るか選ぶことができます。
退職金を一括で受け取るメリットは、退職所得となって税制の優遇(退職所得控除)が受けられ、税負担が軽減されることです。また、例えば住宅のリフォームなど大きな支出に充てることができます。
退職一時金のデメリットは、年金での受け取りに比べて受取総額が少なくなる場合があることや、一度に大きな金額を使い過ぎてしまうリスクがあることです。
一方、退職金を年金として受け取るメリットとしては、運用期間が長くなることで、退職一時金と比べて受取総額が多くなる可能性が挙げられます。また、定期的な収入として計画的に使うことができるため、一度に無駄遣いをする心配も減らせるでしょう。
退職金を年金で受け取る場合のデメリットとしては、雑所得となり、公的年金による収入と合計して所得が増え、税金や社会保険料の負担が大きくなる可能性があることです。
なお、退職金の受取方法については、退職一時金と年金の併用ができる場合もありますので、税負担やリタイア後のライフスタイルなどから検討するといいでしょう。
6. 収支を把握する
最後にリタイア後の年間の収支を把握したうえで、ライフイベントなどによって収支がどのように変化するかを確認することが大切です。
必要な項目をチェックした結果、例えばリタイア後の収入に対して思ったほど支出が減らないことを事前に把握できると、早めの対策も可能となります。
まとめ
セカンドライフを見据えて50歳から考えるリタイアメントプランは、人それぞれに個別で柔軟なものとなりますが、今回説明した項目を確認しながら、具体的に計画していくことが大事です。
リタイアメントプランを立てることで、セカンドライフに対するイメージを持つことができます。また、生活費などに不安があるケースでは必要な準備や対策も明確になるため、リタイアメントプランについては早めに考えるようにしてください。
執筆者:廣重啓二郎
佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー
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