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定年退職をして「再雇用」されましたが有休が「10日」のみでした。勤続年数が「リセット」されたのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年3月11日 2時30分

定年退職をして「再雇用」されましたが有休が「10日」のみでした。勤続年数が「リセット」されたのでしょうか?

再雇用制度を利用して、定年退職後に勤務していた会社に継続して雇用される場合に、有給休暇の日数はどのように扱われるのでしょうか?   今回は、再雇用をきっかけに、有給の日数が少なくなったことに対する疑問について、回答します。   定年後も、家族の行事や体調不良など、有給を必要とする機会はあります。   いざというときに困らないように、再雇用時の有給休暇のルールやポイントを把握しておきましょう。

再雇用されると有給休暇の日数は減る?

再雇用制度は、定年退職をした従業員と会社が、改めて雇用契約を結ぶ制度のことです。
 
再雇用制度を利用すると、従業員は、形式上はいったん退職することにはなるものの、元の会社で引き続き仕事をすることができます。
 
有給休暇は勤続年数に応じて付与されることになっていますが、再雇用の場合の有給休暇の日数は、いったんリセットされるのでしょうか?
 
結論としては、再雇用の際に、勤続年数がリセットされることはありません。
 
一般に、定年退職の時点で、勤続年数がリセットされるのではないかと思われがちですが、厚生労働省によると「勤続年数の算定を再雇用の日から起算することは適当ではない」とのことです。
 
つまり今回のケースにおいては、定年退職時ではなく、最初に従業員が入社した時点から数えた勤続年数に応じて、有給休暇が与えられるべきであるということです。
 
もし問題のケースのように、再雇用の際に付与されるべき日数を下回る有給休暇日数しか与えられなかった場合には、労働基準法違反になる可能性が高いと考えられます。
 

有給休暇の付与日数が足りない場合にはどのように対処すべき?

付与されるべき年次有給休暇日数が明らかに足りない場合は、労働基準法違反となる可能性が高いため、会社の担当部署や担当者と相談をしたほうがよいでしょう。
 
例えば、入社した日からの勤続雇用期間が6年半以上の従業員は、20日の有給休暇が付与されます。
 
有給休暇は無条件に与えられるものです。
 
再雇用時の有給休暇の日数について疑問点などがある場合は、会社の総務部などの専門部署に問い合わせてください。
 
それでも解決できないときには、労働基準監督署で相談ができます。
 
疑問や不安を感じたら、自分だけで考えるのではなく、早急に確認する姿勢が必要です。
 

再雇用されても勤続年数は引き継がれる

一時的に退職をする形にはなるものの、再雇用によって勤続年数がリセットされることはありません。
 
定年退職前の勤続年数が引き継がれるため、これまでの勤続年数に相応の年次有給休暇が付与されるはずです。
 
定年退職によって勤続年数をリセットして、付与するべき年次有給休暇日数を与えない場合は、労働基準法違反に該当する可能性が高いでしょう。
 
再雇用の際には、基本給や勤務時間などのさまざまなことが変更になるため、一つひとつの契約内容を正確に理解することが重要です。
 
再雇用時の有給休暇の取得日数に疑問を感じたら、まずは会社の担当部署に相談して、それでも解決できないときには、お近くの労働基準監督署に相談しましょう。
 

出典

厚生労働省 沖縄労働局 よくあるご質問 事業主の方へ 労働相談事例・採用Q1
長野労働局 年次有給休暇に関する相談 Q7. 定年で退職した労働者を引き続き嘱託として雇用することにしました。年次有給休暇はどうなるのでしょうか。(使用者)
高齢者の雇用 雇用する上でのルール 1.65歳までの雇用機会の確保 (2)高年齢者雇用確保措置
東京労働局 しっかりマスター 労働基準法 -有給休暇編- (2-3ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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