消費増税は若年層ほど影響を与える!? 今だから知っておきたい、意外と知られていない「もらえるお金」
ファイナンシャルフィールド / 2018年10月27日 9時0分
景気回復により、消費税は2019年10月に10%へ増税されることが濃厚になってきました。 これに加え、かねてから問題になっていた社会保険料の負担額の増加と、景気悪化による賃金上昇の鈍化が、家計における新たな問題になると思われます。 特に「子育て世代」の方は、養育費として大きなお金が必要になります。マイナスの影響から家計を守るにはどのような対応・考え方が必要なのでしょうか? 今回は消費増税に対する家計の備え方について解説させていただきます。
消費増税は若年層ほど影響大
年収から年金保険料・健康保険料などの社会保険料と、所得税などの税金を除いた自分自身で自由に使えるお金を「可処分所得」と言います。
消費税はこの可処分所得に関する税金となります。可処分所得の減少は、収入を稼得する期間が長いほど納付総額が大きくなります。そのため、若年層であるほど、とりわけマイホームの購入や子育てのための養育費など大きな支出を控えている「子育て世代」への影響が大きくなります。
今後は社会保険料の負担額の増加や、消費増税、景気後退による賃金上昇の鈍化に対して、共働きによる所得の増加や節約を重視していく必要があります。
しかし、節約に関してはやみくもに引き締めるのではなく、まず家計簿をつけるなどして金額の大きい科目の洗い出しを行いましょう。
次に、以下の2点について検討を行います。
(1)性能を落とすことなく安価なサービス・製品に代替可能か?
(2)性能の下落をどこまで許容することができ、それによってどれくらいの節約が可能か?
これを繰り返すことで支出を効果的に削減し、節約することができます。しかし、所得の増加や節約にも限界があります。
そこで新たな選択肢として、国や自治体が実施している「助成金制度」を賢く利用してみましょう。それにより、家計にさらなる余裕を生み出してみてはいかがでしょうか。
さまざまなシチュエーションで利用できる助成金制度
助成金に関しては、マイホームを購入したときに利用できる「住宅ローン減税」や「すまい給付金」が有名です。
「住宅ローン減税」は、10年間にわたり住宅ローンの年末残高の1%が所得税・住民税から差し引かれる制度です。また、「すまい給付金」は、マイホームなどの高額な買い物において、消費増税の影響を緩和するために、申請者の所得により最大30万円が助成される制度です。
お住まいの自治体によっては、独自に利用できる助成金制度もあります。
例えば、東京都の中央区では、妊産婦の産婦人科への通院に対してタクシー利用券が支給される「出産支援祝品」のほか、出産の際に最大3万円の買い物券がもらえる「新生児誕生祝品」を利用できます。
さらに、お子さまが成長して私立幼稚園に通園した場合は、「私立幼稚園就園奨励費補助金」が受け取れるなど、出産・子育てに対して多くの助成金制度が存在しています。
ほかにも、マイホーム購入後に防犯性能の高い錠を取り付ける、窓ガラスに防犯フィルムを貼り付けるなど、所定の防犯対策を行った場合には「住まいの防犯対策助成事業」として助成金が支給されます。私道を所有している場合には、必要な補修を行った際の助成金として「私道整備の助成」が受けられるなど、住環境に関するものもあります。
子育てや住まいに関する支出は大きな金額になりやすく、こうした助成金制度を賢く利用することが大切です。
施行されている助成金制度はお住まいの自治体のホームページなどでも確認できるほか、近年では全国の助成金制度をデータベース化したサービスもありますので、以前よりも手軽に検索ができるようになりつつあります。
まとめ
家計を守る方法は、突き詰めると収入を増やすか支出を減らすかの2つとなります。
消費増税や社会保険料の負担増加は、可処分所得という自由に使える所得の減少につながります。減少する分を共働きや節約によって補うことも大切ですが、公的機関や自治体によっては特定のシチュエーションで助成金制度を利用できることもありますので、そのような制度を利用するのもよいでしょう。
しかし、助成金は申請しない限り利用することができません。そのため、「知っている」・「知らない」で大きな差が生まれます。現在は自治体や民間のホームページでデータベース化されていることもあり、以前よりも検索が容易になっています。
もし該当する可能性がある場合は、データベースを検索する、自治体の窓口に相談するなどして、積極的な活用を目指してみてはいかがでしょうか。
Text:菊原浩司(きくはらこうじ)
FPオフィス Conserve&Investment代表
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